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通番

QUESTION

ANSWER

1

オーパスワンについて教えて下さい

オーパスワンとは・・・作品第一番というムートンロートシルトとモンダヴィの合作でワインブームの頃カベルネ系では一番人気のカリオフォルニアワイン、確か78年がファーストリリースで出はなから50ドルの超高級ワイン。オーパスワンは96年を最後にあの味は失われてしまいました。

オーパスらしさはトップノーズで来るきついスモーキーオークと濃くて重くのしかかってくる様な渋みを果実の凝縮感が強く、ズゴッと飲ませてくれる大好きなワインでしたが、97年は当たり年にもかかわらず96年に比較すると明らかに平べったくなって、物足りなくなってしまいました。

 

98年はカリフォルニアのカベルネ全体に言える事ですが、よく言えば繊細でデリケートな造りになってしまい、97よりさらに物足りない。99年はまだ日本ではあまり見かけませんが先月、カリフォルニア帰りのお客様におみやげでもらって飲みましたが果実の濃さが売りの99年産なのにあのオーパスの味は微塵も感じられませんでした。しかも、スモーキーオークの香りは翌日には半減しておりグラス売りでゆっくり3日間は売れた9495とはほど遠い残念な仕上がりでした。

問題は価格で8,000円なら買うけどそれ以上だとちょっと・・・

先日95年を少し飲みましたが涙が出るほど美味しかった!ドミナスでは97年以降ワインリストには載せていません。

2

ドミナスについて教えて下さい

ペトリュスのムエックスが造るカリフォルニアを代表する赤ワインで個人的には最も好きなワインだったのでレストランをオープンする時に名前を借りた程素晴らしいワイン。83年がファーストリリース。

僕が最も好きだった8384年のあの泥臭く野暮ったい贅沢な田舎を連想する味わいは89年を最後にパワフルでストレートなガツンと来る味わいに生まれ変わった。それでも唸るほどの美味しさをもっていた。97年まではその流れで素晴らしいワインでした。

98年はボルドー風にきれいにまとまってしまい、一部ボルドーファンには評価は高かったけど僕は買いませんでした。

99年はまだ日本ではリリースされていませんが先日飲む機会に恵まれ、とても楽しみに飲みましたがちょっとがっかりしました。

妙に柔らかくまとまっており、パワフルなガツンと来るイメージはありません。フルーティーフルーティーでスムーズで果実も凝縮感が感じられ美味しいのですがイメージがちょっと違うかな?

今年のリリース価格が今一不明ですが14,000円なら微妙なラインです。もう一回飲んでリストに載せるか決めようと思います。

3

シェ-ファー・ヒルサイドについて

ナパの名門でメルロやカベルネでメジャー。

そこのトップのワイン、僕の認識ではとにかく堅いワインでアメリカのパワーをイメージする、ガツンと来るワイン。

思い切り濃くて渋くて強い骨格を持つパワフルワインの代表格。問題はリリースした時にもったいなくて飲めないワインでセラーの中で寝かせてじっと耐えなければならない。ここ1ヶ月以内で飲んだのは9294979898は驚いた!

92年・・味的には素晴らしく美味しかった。が中途半端に熟成された感じでまだまだ持つのは明白だから後5年位先なのかしら・・・

94年・・飲み頃入り立てといった感じでもったいなかったが、ガツンと来るパワーがたっぷり楽しめて満足した。

97年・・全然飲めない程堅くてデカンタージュや抜栓時間の調整でどうこうなるレベルではなかった。

98年・・非常に美味しい、しかも今すぐ飲める貴重な年、ヒルサイドらしさを感じられスムーズに入ってくる、やっぱり98年は何をのんでもボルドー風のイメージを持つが造り手やスタイルによってはその中でも素晴らしいのは存在する。

24,000円は決して高くないと思う。

4

アラーホとトニーソータの話

ハーラン エステートと並んでカリフォルニアのカルトワインの走りです。ガツン、ドカンと来るハイパワーのカリフォルニアスタイルのハーランに対して柔らかくて滑らかで奥が深い、逆路線の打ち出しです。今、リリースしているのは

  ソーヴィニヨンブラン         01年    6,000

  カベルネ エイゼルヴィンヤード  99年   30,000

  シラー                       99    15,000

 

ソーヴィニヨンブランやシラーにはヴィオニエが入っており花の様な香りの特徴が良く出ております。カベルネは94年以来の出来と言われ素晴らしい余韻を楽しむ事ができ、今すぐに飲める画期的な味わいです。生産量が少なく完全割り当てワインでなかなか買えないワインです。

 

91年がファーストリリースでワインメーカーのトニーソータの名前は一躍スターダムにのし上がりました。9192とソータが造り、93からはフランソワーズ ピションという助手をしていた人がメーキングしています。トニーソータは97までコンサルタントを行い、その後ミッシェル ローランにバトンタッチしました。トニーソータの代表作としては他にはスポッツウッドやヴィアディア、ルービコンなどあり、その名を決定つけたのはダラヴァレーのマヤです。93年までハイジバレットでしたが94年からトニーソータに変わりました。

97年で全てのコンサルタントを降り、エチュード(ピノ)に力を注ぎましたがこの程、エチュードは売却してコンサルタントのみ続け今はソッターというワイナリーを持っています。

5

カリフォルニアワインについて

最近、カリフォルニアが高くなってきたと言う声が多いので一言。高くなってきたというよりは高いワインがどんどん出てきたというのが正しいのだと思います。スクリーミングやグレース、マヤ等カルトワインがぞくぞく出てきて毎年僕の知らない100ドル以上のワインがいっぱい出ています。日本の小売価格にすると当然2万円以上のワインで実際飲んでその価値を感じ取れるのは少ないと思います。しかも最近造りが変わってきた様に感じられます。

 

@90年代前半のカリフォルニアの白はバターリック&クリーミー、赤はスモーキー&ターニックで強い渋みを濃い果実味でガツンと飲ますタイプが多くフランスの熟成香と酸味、渋みのバランスで繊細さと奥の深さが売りのボルドーに対して対極的な楽しみができました。味わいの売りの違いから寝かせないで単純に美味しいと思えるカリフォルニアが自分に向いていると思っていたのですが・・・

Aスモークの風味は押さえられたものが多くボルドーを濃くした様なカリフォルニアが増えてきています。

B堅いワインは何をやっても空けたのがもったいないと思えるほど堅く、ポテンシャルが高くなってきたとも言えるのですが・・・

20年後の記念日ワインにはやりやすくなりましたが・・)

99年は全体に濃くて柔らかいワインになっています。

6

おせちに合うワインはなんですか?

アイテム別に言うと

1,刺し身や魚卵系の料理は生臭くなりがちなので、ここで押さえるポイントは

  @冷やして飲むワイン  シャンパンor白or甘みが強くて渋みが少ない赤(ジンファンデル)

  A香りが華やかなタイプ

  Bアルコール度数は高いほどベター

2,煮物や焼きエビなどは常温で食べる事が前提になっているのでここで押さえるポイントは

  @骨格がしっかりしたフルボディのワイン

  A渋みが強くないタイプ

後はお好みが最優先です。

  ※総合的にまとめると

      @シャンパンで乾杯

      A樽が効いたシャルドネか華やかなヴィオニエ

      B濃いめのピノノワール

      Cなめらかなメルロ

理想的な順番です!

 

7

今、南アフリカやニュージーランドなどニューワールドのワインが珍しくなくなって来ましたが価格別のおすすめ赤ワインは?

あまりにもいろいろあって、ちょっと大雑把に言わせてもらうと・・お薦めは

1,小売で1,500円以下のワイン:チリ,南アフリカ,アルゼンチン

2,小売で1,500円から3,000円のワイン:オーストラリア

3,小売で3,000円から5,000円のワイン:カリフォルニア

8

ワイングラスはいろいろありすぎて良くわかりませんが味が変わるものでしょうか?

まず味ですが、明らかに違います!

大きなグラスでグルグル回していると空気に触れてデキャンティング効果も出て来ますので、基本的には

@香りが広がりいろいろな香りが楽しめる

A酸味、渋みが穏やかになりまろやかな味になる

B全体的に味の調和が取れてくる

  ※安価なワインでもグラスはでかい方が美味しいです。

9

家庭で飲むときは高級なグラスだとすぐ割れそうでつい小さなグラスを使ってしまいますが何かお薦めは?

グラスの選び方ですが普通の家庭では要は美味しく飲めれば良いので

@最初は白・赤が兼用できるちょっと大きめのボルドーグラスがお薦めです。

Aガラスは薄い方が美味しいのですが割れ易いです。

Bクリスタルかセミクリスタルは透明感がしっかりあって高級感もあります。

トータルで見るとリーデルが理想的ですが、やや高価ですし割れ易いのでお薦めはアルクかシュピゲラウが良いでしょう。

洗い方:

@ワインを飲んだ日は水だけ入れて洗わない(シラフの時に洗う)

A足と本体の接合部分がポキッと行くケースが一番多いので洗うときも拭くときも足の底を持たないでグラスのボディの下を持つ

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父の還暦にワインをプレゼントしたいと思って探したのですが高くて手が出ません。お手頃価格で品質のリスクが少ないのは無理な話ですか?

まず、生まれ年という事でしょうが、1943年産となるとダメージリスクも大きいし何より高価です。そこでお薦めは働き始めた年ではいかがでしょう?

そう考えると61年から66年位だと思うのですが、これなら探し方によっては、多少液面は減っていても元気なワインが残っています。ボルドーだと高価なワインが多いのでここは信頼の置けるワイナリーでスペインかフランスをお薦め致します。

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あるレストランで大きなワイングラスの膨らんだところを持って飲んでいたら注意されました。

足のところを持たなければいけなかったみたいです。何故ですか?

状況にもよりますが一般的には

@ボディを持つ事によりソムリエがこの温度が美味しいと思ってワインセラーの温度やデカンタージュによる温度管理が台なしになる為

A見ていて不自然、危なっかしい。

B薄手のグラスが何かの弾みで割れたらお客様がけがをする。

・・・等の理由によると思います。

ただ・・・

僕自身経験があるのですが温度が低すぎる、白や赤ワインがサービスされて来たとき、特に冷蔵庫から出してきた赤ワインは両手で包み込む様にそっと暖めることはまれにあります。

その時は手で暖めながら飲まないで一旦テーブルに置いて足を持って飲む様にしたら良いと思います。ワインは嗜好品なので自分の好きな温度で飲むべきです。レストランにもよりますがソムリエに温度の変更を依頼する事はマナー違反ではありません!(その雰囲気がない飲食店で言うと嫌みになるので注意)

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ワインのアルコール度数は何%まであるのですか?

アルコールは糖分が酵母菌の働きでアルコールと炭酸ガスに変わるものですが、基本的にはアルコール度数は15%を上限として酵母菌が死んでしまい後は甘さが残ります。ところがカリフォルニアのジンファンデル種は15%を越えるワインをまれに見ます。ターリーなど17%を超えます。

ではなぜアルコール度数が高いと喜ばれるかというとアルコールの高さとボディは正比例するために、生臭い料理や辛さなど   香辛料が効いた料理に負けなくなるためで、生牡蛎とシャブリより日本酒の方が、相性が良いのはそのためです。

ではどうやってアルコールを高くするのかというと、そこはワインメーカーの秘伝との事です。・・・夢広がりますね。

僕の認識では15%を超えるワインはジンファンデルしか知らなかったのですが、ありました。ピノノワールで15.4%!!

サファイアヒル ピノノワール ルシアンリバー’00

今を時めくフラワーのワインメーカーをしていた人が造っています。 あなたが知らないピノの世界が広がるでしょう。

 

生産国を問わず、安くて美味しいワインが大好きですが、たまには日本のワインでもと思い買いますが・・・

国産ワインについて教えて下さい。

国産ワインはアメリカ系のぶどう品種が多く(ナイアガラ・コーコンドー、等)昔はフォクシー臭(きつね臭い)があると言われてワインには不向きとされていましたが最近ではそこそこ美味しくなりました。

個人的にはヴィニフェラ系(シャルドネ、カベルネ)が好きですが、甘さをしっかり残して冷やして飲むのが好きな方には受けが良いようです。

ソムリエ協会の研修ツアーで勝沼のワイナリーにドミナスのスタッフで勉強に行った事がありますが、その時甲州(白ワイン)の畑で質問したのですが1本のブドウの樹から4本から5本のワインを作ると聞いて驚きました。カリフォルニアで同じ質問をフロッグスリープでしたときは4本から5本のブドウの樹から1本を作ると聞いていたからです。フランスでは1本から1本が標準とされています。

比べると薄いのも妙に納得した次第です。

ワイナリー自体は土地代と人件費の高さと国の政策なども含めてカリフォルニアとあまりの条件の違いの中、非常に頑張っていました。そんな中でも観光地化されていて見て回ってとても楽しかったです。国産ワインがレストランのワインリストに普通に書いてあるのを見るのはもう少し時間がかかりそうですが温かく見守りたいものです。

ドミナスもオープンして、もうすぐ6年になりますが価格と品質のバランスでOKを出せリストに乗せたことが1度だけありました。(大塚のシベール甲州だけでしたが生産中止)

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ワインの味わいに伴うグラス形状の違いの選び方を教えて下さい。

ワインはグラスで本当に味が変わります。

例えば、リーデルではワインに合わせて67種類もあります。かといって全部揃えてもしょうがないので特にお薦めをご案内致します。レストラン ドミナスでは以下の様に使い分け致します。

 

1,フルートグラス

  シャンパン・スパークリング用、泡が縦に続き見た目がきれいで先が細いので泡が長持ちします。

2,ボルドーグラス(縦に大きいグラス)

   酸味が穏やかなシャルドネ(白)、渋み豊かなカベルネ(赤)など白赤問わず一番用途が広いグラスです。

   ☆キーポイントは酸味が弱めで渋み、苦みが強い場合

3,ブルゴーニュグラス(横に大きいグラス)

   酸味が豊かな白ワイン、赤ワイン、

   ☆キーポイントは酸味が強めで渋み、苦みが弱い場合

4,テイスティンググラス(ソムリエグラス)

   品質をきっちりみたい場合、ビールも美味しく飲めます

   ☆キーポイントは少量ずついろいろ飲みたい時

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シャンパンが美味しい季節ですね。いろいろなスタイルのシャンパンを飲んでみたいのですが・・・

シャンパンは産地名でいろいろ規制があります。

それ以外はスパークリングと呼びますが国によって呼び方が変わります。

造り方やぶどうの品種によって味わいが大きく変わります。

 

《美味しく飲むコツ》

@値段で温度の目安をつける

 基本的には1,000円から3,000円位のスパークリングはキンキンに冷やして(ビールと同様)それ以上の値段はやや温度高めが美味しい。(8℃位)

A高いシャンパンを買ったときに酸味やピリピリした様な味わいの時は迷わずデカンタージュ(ゆっくり)します。

よくある事ですが、これによりグッと美味しくなり、高級シャンパンは1回くらいのデカンタージュでは泡の勢いもそんなに落ちません。

B安いスパークリングを買って、はずしたと思った時はフルーツ、カシスリキュール等を入れてフルーツポンチに!

C基本的には安価なのは泡の切れが早く高価なのは泡が長持ちします。泡の切れが早いのは大勢で一気に飲むのに適しており、遅いのは食事を通して楽しめます。

Dなんだかんだ言ってやっぱり泡が長持ちして香りが良いのはやっぱりシャンパンだと思います。

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先日、テレビを見ていたらレストランでソムリエがグラスにワインを注いだ後にすぐグラスを回したらマナー違反と言っていましたが何故ですか?

多分それはグラスを回す前のトップノーズを確認して香りを覚えて、その後回して香りの変化を楽しんでくださいという事だと思いますがマナー違反にはならないと思います。

 

@マナー違反とはその人の行為によって同席、回りの席、お店の人に迷惑や不快な感情を抱かせるものです。

Aソムリエはグラスに注ぐ前にソムリエテイスティングをします。デカンタージュの角度、高さスピード、供出温度などをキャリアと感性で調整をしてある程度香りの開いた状態にします。そういう意味では「せっかく頑張っているのだからいきなり回すなよ」というのは本音の部分だと思います。

Bそうは思う反面、僕がワインバーやレストランに行ったら特に若いヴィンテージはいきなり回します。

C基本的に美味しければ良しと思うので単純にお楽しみで行っている時はオールドヴィンテージでもなければ品質の評価をしようと思わないからです。

D当然、そんな事もソムリエならわかっているはずなので気にしなくて良いと思います。

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お中元の時期です。お世話になった方にワインを送りたいのですが選び方のコツを教えてください?

結局のところ送られる方の嗜好なのですが・・・

@オリがないものを選ぶ

 (余程の通の方にあり余る予算があれば別ですが基本的にはなるべく手間がかからないものを)

A濃い重系が好きな人にはカベルネ。 スムーズ系が好きな人にはピノノワール

B見栄えも考えて白・赤セットで送る

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白ワインを飲むときいつも思うのですがソーヴィニヨンブラン種は色が薄くてシャルドネは濃いのは何故ですか?

一般にソーヴィニヨンブランは樽をあまり使いません。シャルドネはしっかり樽を使います。それが色に反映して色の濃さが変わります。色が薄い方がスッキリして濃い方がこってりします。

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ルパンをどうしても飲んでみたいと思ってネットでいろいろ探していると同じ年でも7万円から18万円以上のもあってバラバラです。

オークションとかでみると安いのですが、高い買い物ですので慎重にやりたいのですがアドバイスをお願いします。

へたな書き方をすると又、営業妨害とか文句言われちゃうのですが、あくまでも独り言でしたら・・・(笑)

@オークション物は手をださない

 (購入時はせめて名前の通った酒屋さん。保管とルートが心配なので個人は避ける)

A信用の於ける業者さんから引いたワインを売っている信用の於ける酒屋さんから買う

Bこのクラスのワインの場合、仮に10万円安くてもドブに捨てる事を考えたら高くても重要

 

 一番リスクが少ない買い方

@新しいヴィンテージは上記に注意すれば大丈夫

A古いヴィンテージは出来れば酒屋さんで保管されてない物つまり、酒屋さん経由で頼んで代理店から直送が望ましい

  (ワインがわからないで単純にビジネスとして売っている酒屋がどれだけ多い事か!)

B蔵出しワインで尚且つ入荷スパンが短いものを狙う

 

※某有名レストランでラツールの70年代を箱で買ったらコルクが真っ白だった話をごく最近聞きました。

  代理店は、「中身は正しい」とか言っていたそうですが、フザケンなって事で全部返品したそうです。気をつけないとね!

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オリは何故でるのですか?出た方が良いのですか?

答えから言うと作り手の考え方と飲み手の好みによります。

@オリは瓶内熟成による沈殿物です。

Aオリが出る事により酸味、渋みはまろやかになります。

Bワインによって飲み頃は全て微妙に違います。オリの多少によって味がどうだとは言えません

Cワイン通の中にはオリが好きという人もいます。

 

 ・・・という訳で、オリが多いワインと美味しいワインはイコールではありません。オリが多いから飲み頃とも限りません。

    オリに固執する必要は全くなく、あればデカンタにオリ引きをして飲むのが一般的です。

    従って、オリにこだわる必要は何もありません。

20

ネットでワインを探していると同じワインでも値段が全然違うのですが何故、あれほど開きがあるのでしょうか?

この質問はお店でもよくあります。実際、有名所のショッピングモールなどでワインを検索すると安い順にズラーと並びます。

 

答えとしては以下があります。

@薄利多売で良心的販売

Aキレモノの酒屋さんで撤退する代理店やメーカー交渉がうまい

B酒屋さんサイドでの保管はいいかげんでさっさと売りたい

C輸入コストを徹底的に削減、リーファーやドライは使わず 『今』しか飲めないワインか一見客用のパチモン!

  (このスタイルは前回、ドミナスに持ち込んだカレラジェンセンの話しとカブリます)

 

問題は以下の様になります

@輸入元はどこか?(ディーラーか並行か)

A酒屋さんでの保管は、温度と湿度が管理されているか?

Bその酒屋さんはワインを熟知しているか?

Cその酒屋さんはワインを好きで売っているのか、単純にビジネスとして売っているのか?

※上記の様な情報が出ないで単に安い順に並んでも意味はないので当社ではそういうナンセンスなショッピングモールにワインは出店しません!だってまじめに大事に育てられたワインがかわいそうでしょ・・・

 

21

自宅でワインを飲むとき瓶の底にある澱が上手に取れません!

何かコツはあるのですか?

これは難しいというか、面倒臭いです。

例えばドミナスに持ち込まれる方は大体2週間位前に預かり、以下の作業を行います。

@16℃のワインセラーに45日立てて保管(これにより澱を垂直に瓶底に沈めます)

A15℃のワインセラーに横にして1週間位保管(これにより瓶底のへこんでいる部分に斜めに溜まる)

  ※自宅でも同じで最初から横にして保管すると澱引きは能率が悪く、上記との差は僕がやっても多いときは50cc位の差

   が飲む量にでます。

B飲む1時間前位にデカンタージュ

  ※古いワインを激しく移し変えたり、ハクション大魔王みたいな(ウルトラ デキャンタ)瓶に入れると骨格がくずれてその場でワインが駄目になりますので、注意が必要です。

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私はワインが大好きなのですが、あまり量が飲めません。コースのお食事中、1杯で十分です。白ワインと赤ワイン両方とも好きですが、どっちを飲むとお食事をより美味しくいただく事ができますか?

白です。条件としては

@きれいなしっかりした酸味を持つ

(人間の舌はどんな人でもその日の最初の一口目のワインは酸っぱく感じます。酸味を持つワインによって舌がフラットになり、その後の食事も美味しくなりますし食欲も上がります)

A香りが華やかで長持ちする。

(やはり、ワインは大きなグラスに入れて香りを楽しみながら食事をしたいものです)

B余韻が長くて噛みごたえがあるワイン(一口飲み終わった後もまだ飲んでいる様な、満足感があると1杯のワインの充実感が広がります)

Cメインディッシュのお肉を食べながらでも負けないパワー(果実の凝縮感が強いものを)

D温度が上がってきてもベタベタしない(一見Cと矛盾していますが要は濃くてエレガントなものを)

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夏を前にしてワインセラーを買うかすごく迷っています。

景気も悪いので高いのはもちろん買えないのですが、購入の判断基準はどうとらえたらいいですか?

売り手側がこんなことを言うのもなんですが・・・

日常ワインが悪くなるか否かで言えばセラーは必要ありません。

@よく、夏が越せないと言いますがこれは『ワインが吹く』と言う現象で『吹いた』からといって即駄目になる訳ではなく2カ月位の間に飲めば大した問題ではありません!

A『吹く』見分け方はワインの先のキャップシールが回るか否かで判断します。判断されたら困るインポーターのワインは回せない様の初めから代理店シールをキャップに張り付けています。こんなセコイ、インポーターのワインは買いません!

Bセラーがないと夏場で必ず『吹く』のかというとそうとも限りません。押し入れの中に発砲スチロールのお部屋を作って濡れた新聞紙をいれておくだけでも結構夏が越せるものです。

Cただし、熟成のスピードは大きく変わります。飲みごろの判断基準は該当しないのでグランヴァンはやはりセラーがないと難しいです。

D注意点としてクーラーを入れ放しの状態でワインを放置しておくと、『吹き』はしないのですが空気が乾燥してコルクに隙間ができてしまいます。 バケツに水を入れて置いても湿気が循環しないので押し入れの方がはるかにましです!

E従って極論から言うと買った方が良い人は以下の様になります。

  a,デイリーワインをすぐに飲み頃の温度で飲みたい人(なくても氷水で調節すればOK!)

  b,結婚記念日や子供の誕生日などアニバーサリーワインを持っている人、早めに買ってワインを育てたい人、

  c,知人や上司に記念にとグランヴァンをもらった人

(せっかくもらってもすぐに飲むにはもったいないインで待たなくてはいけない場合)

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旅行の記念に頑張って高いワインを買いました。女房の誕生日に飲ませてあげたいのですが、ちょっと古いワインなので上手の飲ませてあげる自信がありません。

ましてやそのワインに合う料理を用意することなどはっきりいって無理です。持ち込みが出来るレストランを探していますがルールは何かありますか?

持ち込みは断るレストランが多いのですがそういう事情の方の為に持ち込みOKにしているレストランも結構あります。

荻窪のレストラン ドミナスもその一つですが・・・

当店では以下の様に受け取っています。

 

(オールドヴィンテージの持ち込みを受ける場合)

@ 預かって1週間位 16℃ 70%のセラーで立てて保管(澱を沈殿させる為

A さらに1週間位   15℃ 75%のセラーで横にして保管(沈殿した澱を横にして瓶の底の斜めに溜めるため)

Bワインを見て抜栓時間とデカンタージュの有無を決める

C予約の時間に合わせて調節

D料理の予算に合わせてマリアージュの料理を決める

 

従って、ルールとしては年、品種などの内容にもよりますが2週間前には事前に持ち込みたいものです。

この位はやってくれるレストランでないと持ち込みをする意味はありません。

レストランによっては以下の理由でも持ち込みを受ける場合があります。

A,料理のみの自信でワインの品揃えが少なく、お客のニーズに対応できない場合

B,パーティー スタイルで予算の削減のため

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カレラ ジェンセン’94を飲みました。完全に逝ってしまって、非常に残念な味でした。ちゃんと管理していたつもりだったのですが・・

カリフォルニアを代表するピノノワールなのにとても残念な事です。94年は良い年なので劣化する訳もなく考えられる理由は

@並行物で輸入コストを下げる為に粗末な扱いで輸入された。(裏のシールはディーラー物ではなかった)

A購入後の管理に問題があった

 

並行物はとても危険です。実際購入当時もディーラーの市販価格よりも4割近く安かったらしいのですが、その時すぐ飲めば大して差は感じなくても寝かせる事により大きく差がでて来ます。だからワインは値段だけで追いかけるとお金を無駄にするだけではなく、美味しくなれと寝かせて育てただけ、悲しい思いをします。

26

私たちは毎年お花見に行くメンバーが決まっていて、いつも、ケンタッキーやマクドナルド、コンビニで食料を買って桜の下で昼食会をします。その手の食事に合うワインで尚且つ外で気軽に飲めるワインのお薦めは何ですか?

フライドチキンによく合うのは樽が効いて燻製の煙りの香りや杉の香りがするナッティでバターリック&クリーミーのオイリーなコッテリしたシャルドネです。

ハンバーガーにドンピシャなのはやはり、ホワイトジンファンデル、これは軽い甘口のロゼで色もピンクで桜にピッタリです。

 

 

 

 

 

27

お花見のシーズンです。外で飲んで美味しいワインのお薦めは何ですか?

シチュエーションや天候にもよりますが・・・

色々楽しめる様にワインカクテルパーティーはいかがですか?

もちろん、ワインだけ飲んでも絶対に美味しいのを選んだ上で・・

 

 a,ピンクのスパークリング

   《桜 シャンパン》

   桜の花びらを23枚グラスに入れて、小粋に楽しみましょう!

   《ストロベリー シャンパン》

   一緒にイチゴを持って行きましょう!グラスに一個入れてイチゴのフレーバーを楽しむ・・

 

 b,白のスパークリング

   《シャンパン カクテル パーティー》

   キール ロワイヤル・・・カシスのリキュール+スパークリング

   キール アンペリアル・・フランボワーズのリキュール+スパークリング

   ミモザ・・・オレンジジュース+スパークリング

   ベリーニ・・ピーチネクター+スパークリング

   ※リキュールは小瓶でも見かけます。桜の下で簡単カクテルもとってもおしゃれ!

 

 c,白ワイン・・・シャンパンを一緒に持って行くならこの場合は樽が効いたバターリック&クリーミーのしっかりタイプ

   ※キール・・カシスリキュール+白ワイン

 d,赤ワイン・・・澱があるのは不適なのでこの場合は若いヴィンテージで濃厚で重くてフルーティー。

外で飲むときはインパクトが強くて吉!

   ※キティ・・・ジンジャーエール+赤ワイン

     カルディナール・・カシス+赤ワイン(本当はボジョレ)

28

レストラン ドミナスで飲んだ時、とても美味しいと思って買って家で飲んだらとても及ばない味でした!

どうやったら美味しく飲めるのですか?

詳しくはドミナスのQAにとても長く載っておりますが

簡単に説明すると

@温度・・白ワインは冷蔵庫で冷やせばOKですが赤ワインそうは行かず、目安としてピノノワールは16℃、カベルネ、メルロは20℃位で楽しむと宜しいでしょう。簡単な温度設定の方法はワインを置いてある部屋の温度(アバウトで良い)を考えて氷り水に入れて1分間に1℃下がります。

Aグラス・・なるべく大きなグラスでゆっくり回しながら飲みましょう。

Bデカンタ・・酸味や渋みが強いと感じる時は、デカンタやなければワインの空き瓶でも良いので移し替えます。1回やると温度が2℃くらい上昇します

C料理・・合わせる料理によって全然味が変わります。最初はセオリーを押さえて、でも魚=白、肉=赤という事は全くありません。

D気持ち・・ワインに対する思いとその場のシチエーション

29

レストランやカフェに行くと、よくでこぼこで形が不揃いな白と茶色の     角砂糖をみます。実際に使ってみると全部溶かすと甘すぎます。

ファミリーレストランにある様なサラサラの調節できるタイプじゃない     場合、どうやったらいいのですか?

@確かにホテルやレストランではこの砂糖をよく使います。

  レストラン ドミナスでもこれですが、ペルーシュといってサトウキビ100%から作られる100年以上の歴史があるフランスの砂糖です。茶色はカラメルにして(焦がして)色と香ばしさを付けています。

Aたまに外人さんが食べる時、パキッといとも簡単に割ってコーヒーに入れるのを見ますがか弱い僕には今一つスマートに出来ません。

B僕の場合、まずミルクを入れて掻き混ぜた後、砂糖を手前から普通にスッと取ってチャポンとコーヒーに入れます。

  軽く掻き混ぜてスプーンで砂糖が全部溶ける前に取り出してコーヒーカップの手前に置きます。

砂糖はスプーンの上に乗ったままです。

  ※ミルクと砂糖はどっちが先とよく聞かれますが、ミルクが先だと温度が下がるから砂糖が先だとよく言いますがちゃんと溶けるから大丈夫ですよ!

30

レストランで塩こしょうをくださいと言ったら嫌な顔をされました。

良くないことですか?

ちょっと昔はテーブルの上に置いてあったものです。昔僕が働いていた福岡の花の木というところはかなり高級なフレンチで、純銀製の親指程の塩こしょういれがありましたが、支配人は本当は置きたくないのだが、まだそんな時代となげいていたのを覚えています。だったら、磨くのが大変だから置かなきゃいいのにと思ったのを覚えています。(当時はそんな事を考えていたんだ〜笑)

 

 @料理に自信のあるレストランはこの料理をこの味でという思い込みが強いものです。

 A特にコースを主体とした場合は全体の流れの中で味が緻密に計算されています。

 B塩をかけられると自分の味が壊されたと怒る料理人は少なくありません。

     ・・・という訳で嫌な顔をされたと思います。

 ただ・・・

 C言ってしまえば嗜好の世界なので本人が一番美味しいと思う塩加減で食べるべきです。

 D飲んでいるワイン例えば軽い赤ワインを飲んでいてペペロンチーノスパゲティを食べるとしょっぱく感じますが冷たい白ワインを飲んでいるとしょっぱく感じません。日本酒はもっと塩気を欲しがります。

 Eレストランがお客の飲んでいるものを考えて塩気を調整する事はほとんどありません。(出来たら素晴らしい事だと思いますが現実にはかなり難しい)

 Fそこで皿全体の4分の1位を食べたうえで塩コショウを要求すると良いと思います。

G逆に塩気がきつすぎる料理人も多いです。本場の味とか言って要は味を決め過ぎちゃうんですが、思い込みが激しすぎるのと大酒飲みは塩気がきつくなりがちです。そういう店に僕は行きません!

31

パスタを食べる時にスプーンを使うのはマナー違反?

 

違うと思います。

@確かにフォークだけで食べるとスマートに見えますが要は本人にとって食べ易いか否かで食べている姿が自然であればOKだと思います。

Aパスタにかかっているソースの状態にもよると思います。緩めのソースであればソースをからませて食べるのにスプーンがあった方が美味しく食べられます

Bよく言われるのはぶきっちょな某国の方の為にあった風習が日本に来たと言われフォークだけで食べるのが通の様に言われます

  C個人的にはソースの濃度で判断するのと、後は時間!仕事中のまかないの様に5分で食べる時はフォークだけでゆっくり食事する時はスプーンも使います。

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レストランで食事をする時パン屑をちらかすのですが、きれいに食べるのに何かコツはありますか

まず、パン屑をちらかすのはマナー違反ではありません。

  @本来パンはソースをつけて食べるとされています。

  A中がふっくらして回りが堅いのはその為で持ち易くてソースをつけ易いことからそうなったと思われます。

  B散らかさない様にパンをちぎるとどうしてもつぶれてしまいますよね

   従ってパン屑を散らかしてOK!むしろ散らかしてこそソースを吸い易いので良いマナーだと言えます。

 Cとは言え(一番多いのはバケットと思いますが)スマートの食べるにはちょっとコツがあって裏側を向けて割る様に裂くとつぶれないで飛び散らないで良いと思います。

  Dまあ、堅いことは言わないで回りの人も含めて美味しく食べるのがテーブルマナーの大原則ですから・・・

   散らかしても良いからこそダストパンというテーブルの上を片付ける道具があるのです。

  Eクロスが張っていないお店はダストパンがかけられません。

    カジュアルなスタイルを売りにしているお店なので気にせず散らかしましょう。

 

  ※余談ですが、ではバターがあるのは何の為かというと調理の味付けが軽い時に薄くパンに塗って調節するためと僕は解釈しています。

    (バターを塗ってソースを重くすると濃いシャルドネや重い赤ワインにも相性度はUPします)

    だから塩気のない無塩バターを出します。柔らかいバターだとパンに染み込んでしまうので固めの状態でテーブルの上に置きます。

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シャンパンクーラーが欲しいのですが選び方を教えてください。 

ニーズによりますが基本的な目的としては

 @冷蔵庫から出したシャンパンや白ワインをテーブル上で冷やす

 Aテーブル上で温度が上がり過ぎた赤ワインを少し温度を下げる

 B来客時や記念日のディスプレイ

   ・・・こんなとこでしょうか?

 

  であれば、一般的な家庭としては

   a,そこそこおしゃれ

   b,なるべく安価

   c,落としても割れない

 

  ※素材は純銀やステンレス、厚手のガラスは高いのでアルミかアクリル樹脂で十分だと思います。

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部屋に置いていたワインが吹いてしまいました。

ワインは何故、吹くのですか?

吹いたらどうなるのですか?

《ワインが吹くという現象》

ボトルのコルクの隙間からワインが漏れてきて内容量が減る事を言います。

《原因》

温度と気圧の変化により、中身のワインが膨張して隙間から漏れてくる為ですが、ワインの品種や残留糖度によって吹き易いのとそうでないのがあります。

  (個人的に思うこと)

  1,ボトルの型は

   ボルドー型(いかり肩)よりブルゴーニュ型(なで肩)の方が吹き易い

  2,果実の甘みが残っている方が吹き易いジンファンデル、シラー等

  3,少しずつ温度が上がれば35度を越えても物によっては大丈夫(急激な変化に弱い)

《吹くとどうなる》

  1,吹いたと気づくことが重要、吹いても新しめで3ヶ月位、古いのでもすぐ品質が劣化することは有り得ない

  2,熟成が極端に早くなる

  3,酸味や渋みが穏やかになってデカンタージュした様になる ※吹くイコールもう飲めないでは決してありません!

《吹いたかどうかチェック》

 1,シールキャップが回るか?

 2,液面が減ってないか?

 3,ボトルはベタベタしてないか?

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ワインセラーを持っていませんが夏を乗り切る方法を教えてください。

吹いても1ヶ月から3ヶ月位は大丈夫なので涼しめの所に置いて吹いたら早めに飲む・・・で普段飲みはOKです。

 

大事なワインは

1、ワインを新聞紙で包んで霧吹きをかける(ラベルがボロボロになるのが嫌な人はラップをする)

2、蓋のしまる発泡スチロールに入れて保冷剤を入れる(2日に一回位入れ替える)

3、ガムテープできっちり閉める

  4、押し入れの中や涼しくて日の当たらない所に置く

  9月位まで頑張れば来年の6月位まで大丈夫です。 普通は30度を越えなければ吹きません。

 

 《注意》

1、上記の保管方法は吹かない事を目的としています。

  2、湿度や温度が一定ではないので熟成のスピードや飲み頃の時期を外す可能性があります

  3、シャンパンを横に保管してはいけません。立てます。

  4、白ワインは冷蔵庫に入れっぱなしだと石がでて美味しくなくなります。まだ、吹く方がましです。

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冷蔵庫でワインセラーの変わりはできませんか?

以下の条件がかなえば可能です。

1、    12℃以上16℃以下の温度設定

(10℃以下の保管で1週間から2週間位で酒石が出て酸味がなくなって間の抜けた味になります)

2、湿度の補充

a.ワインに新聞紙を巻く

b.3日に一回位霧吹きで水をかける

c.受け皿に水か飲み残しのワインを入れて常に補充する

☆通常の冷蔵庫はサービス用であって保管用ではない

☆白ワインやシャンパンは冷やして飲むからと冷蔵庫に入れて何日間も保管するのは大間違い。飲む前日に入れる

☆赤ワインの保管も冷蔵庫か室温30℃の暑い部屋のどっちが良いかと選択した場合は室温30℃です。

(吹いたら早めに飲みましょう)

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高い白ワインを買いました。

2001年のピュリニーモンラッシェでしたが、空けたてはピリピリした感じで香りも立たなかったので、ドミナスのワイン会で言われた様にデカンタージュしましたが今一つ美味しくならず飲み残してしまいました。

翌日飲むと不思議な事にネットリとしてとても美味しかったです。

最初からその美味しさで飲む事は出来ないでしょうか?

 

全く同じという訳には行きませんが近づける事は出来ます。
1
,デカンタージュ

白ワインやシャンパンでもデカンタージュは行います。

判断基準としては、

a,香りがとぼしい
b,ピリピリした刺す様な感じがする
c,飲み終わった後に喉にカーッとくるアルコール分を感じる
 (香りがとぼしくて、味わいが美味しい場合)
 泡が立たない様に斜めからソッとデカンタージュ
 (香りがとぼしくて、ピリピリした刺す様な感じがして飲み終わった後に喉にカーッとくる)
 高い所から勢い良くゴボゴボとデカンタージュ
・・・これだけで大分変わります。
高価なワインは普通に3回くらいまではデカンタージュをして大丈夫ですが目安として「飲み終わった後に喉にカーッとくるアルコール分を感じる・・・」が強い程勢い良くデカンタージュすべきです。

2,温度
 冷やし過ぎていませんか?冷蔵庫の温度だと冷え過ぎている場合が多いです。
 10℃以上が美味しい場合はザラで場合によっては12℃以上が美味しい場合もあります。

3,料理

合わせる料理によって味わいは全然違います。
白ワインは魚、赤ワインは肉・・20年前は良く言われていましたが、実際濃厚なシャルドネだとチキンや豚肉、もつ鍋など相性は抜群です。 高価な白ワインの場合、トローとしたチーズなどで合わせると味わいの違いがはっきりします。

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ワインセラーが壊れました。庫内温度が29℃になってしまい、大事なワインが吹いてしまいました。

メーカーの補償はきくのでしょうか?

ケースバイケースでいちがいにこれといった答えはありませんが大体以下の流れになります。

 

1、     家電製品なので壊れた内容や気づいた日、保証期間の有無などによって異なります。

つまり、家庭用の冷蔵庫が壊れた場合、冷蔵庫の修理はしてくれても中身のメロン代の弁償は・・・と考えた場合と同じ事が言えます。

2、     ワインの場合、特に古いヴィンテージのものは価格があやふやですし、何時吹いたかを判別する事は非常に難しい。

名古屋の方で訴訟になっていまだに片付かない裁判ざたというのも聞いた事があります。

☆大事な事は特に夏場は温度計位は一日に一回位はチェックをする事です。

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暑い夏はどうも食欲がなくワインも進みません。私は元々アルコールに弱い方で日本酒や焼酎など殆ど飲めず唯一ワインを1杯だけ・・・ワインはとても好きなのですが何かおすすめはありませんか?

果実の凝縮感がいっぱい濃厚コッテコテ、重―いシャルドネなど良いかと思います。酸がしっかりしていて香りが華やかだったら濃すぎて飲めない事もないし何よりブドウの栄養いっぱいで元気になる気がしますよ。

 

参考までに体を冷やす食材を簡単に・・・

トマトやレタス等葉っぱ類、豆腐、ビール、コーヒー、豚肉

体を暖める食材は・・・

たまねぎ、カボチャ、海草、魚介、紅茶、鳥肉、チーズ

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白ワインは早飲みで赤ワインは長期熟成ができるのは何故ですか?

結論から言うと長期熟成できる白ワインもあります。
例えばDRCのモンラッシェなどは飲み頃まで最低15年と言われます。ただしやはり特殊な物で極めて高価です。

一般的に言うと
白ワインは酸味と果実味のバランスでフレッシュな味わいが美味しさの秘訣です。飲み頃が多少早くても白ワインの
場合は開く時間も早いです。

赤ワインは酸味、渋み、果実味、のバランスなので飲み頃が早いと酸っぱすぎたり、渋すぎたりします。
寝かせる事により酸味と渋みを穏やかにして飲み口をスムーズにする事が長期熟成の答えとなります。

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ワインのビン差というのはなんですか?どうして起こるのですか?

ワインメーカー、生産年、ワイン名が全く同じで味わいが違うのがビン差です。

僕自身過去の経験で幾度も体験しました。理由は以下の様になると思います。

 

1:インポーター(代理店)の違い

同じワインでも複数のインポーターがついている場合があります。特にボルドーのクリュクラスなど銘酒辞典を見てもらえれば分かりやすいのですが値段も全然違います。値段の違いは条件や運賃のかけかた、企業論理の違いなど様々ですが特に運送方法は途中の保管も含めて古くなればなるほど味に大きく差がでます

 

2:ワインメーカーによる瓶詰時における樽の違い

通常はあまり無いことですがいわゆるレア物は樽別に瓶詰する事もある様です。若い内は気づかなくても、年を追う毎に差が出てきます。

 

3:保管の違い

a,ワイナリーに於ける保管場所

b,インポーターに於ける保管場所と方法

c,ユーザーに於ける保管場所と方法

本当にワインが好きでやっている酒屋さんで買えばa,bの問題は無視して良いと思いますが(とは言ってもなかなか少ないのが現状です)一番重要なのはcです。

個人で購入してもある程度自分で保管した後飲む場合は保管条件によって全く異なります。

ワインセラーに入れてあるといっても振動、上段と下段の温度差や湿度が75%以上取れないワインセラーなど僕の目から見て使えないセラーは市場に氾濫しております。 特に小売価格と販売価格の値下げ幅が作戦上大きいセラー等レストランのお客様や同業者と話をしているととんでもない声を良く聞きます。

 

セラーを買うときは行き着けのレストランのソムリエに相談するのが最もお薦めです。特に長期保存ワインのビン差の怖さを一番知っているからです。酒屋さんではどうしても若いワイン(今のリリース)を中心に販売する為、古いワインを飲む機会が少ないからです。しかも販売する度に試飲はしませんが、ソムリエはお客様に販売する度にテイスティングを必ず行うのでそういう舌も必然

的に肥えてきます。

★過去の経験から言って一番よく、遭遇するビン差はシャルドネとピノノワールで古ければ古いほどよくあります。

デリケートで繊細なタイプほど多い様です。

 

★従って重要なワインのテイスティングは1回飲んだだけで判断しません。

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カリフォルニアで買うと50ドルのワインが日本で買うと1万円弱くらいになります。どういう流れなのですか?

非常に深い質問です。表現一つでインポーターからクレームがつきそうなので、サラリと読んでください。

以下はアバウトな数字です。ご参考程度に止めておいてください。

 

1:カリフォルニアでのリテールプライス

日本でいう小売価格の事です。蔵出し価格と捉えてもOKです。

ワイナリーで付けた値付けでワイナリーでのお土産価格やいわゆる定価販売のデパート価格に当たります。

 

2:日本のディーラー(正規取り扱い)の仕入れ

当然、様々な条件によりますが大体55%位で仕入れます。ただし間にブローカー(紹介者)が入るとプラス5%位高くなります。

従って、50ドルを27.5~30ドルで仕入れます。

 

3: 経費

輸送、途中ストックの倉庫、税金、等で諸経費はアバウトに400円/本かかります。リーファー(温度管理)で輸入すると500円/本。次に一回のコンテナ、つまり船に積む為の最小量として800cs(9,600本)が単位になりますのでそれを自社で保管する為の倉庫料金が発生致します。一回の輸入量が多いので回転するまでの期間を3ヶ月位に見込んで経費にのせます。

 

4: 試算(1ドルを120円として)

50ドルのリテール             6,000

インポーターの仕入れ         3,600

輸入経費                    500

回転経費、販促費              100

合計                     4,200円(原価)

酒屋への販売価格            6,000

利益                     1,800円/本

(小売価格の設定 10,000円にするとインポーターから酒屋さんにおろすのが6070%です)

 

上記はディーラー物の考え方で平行物は問題有りの商品はずっと安く、カルトワインはずっと高くなります。

(インポーター の仕入れで50ドルが4060ドル)

 

従って、50ドルのワインを10,000円に小売価格を設定するインポーターは普通に良心的なインポーターです。

今回は長くなりますの次回に続く・・・

次回は値付けの落とし穴!自由競争の名を借りたボッタクリ定価の設定の話をします。

 

前回の質問の続きです。主旨から少し外れていますがワインの小売価格の設定では避けられないので追記します。

すごいアバウトに簡単に書いていますのでご参考程度にしてください。

 

ワインの小売価格

銘酒辞典を見てもらうとわかると思いますが、例えば同じシャトーラツールの97年でも、26,000円から35,000円まで代理店別に4アイテムのっています。これはどういうことかというと代理店のその時に仕入れた、ユーロや条件等の違いでまちまちな為です。では安い方がと思うのも早計でいつ飲むかとかちょんと考えるといちがいには言えません。

少し前にこのコーナーでカレラ ジェンセンの94年が安かったので大喜びで買って大事に寝かせていたらダメージしていてがっかりした話をしましたが、買ってその時だったらクレームはつけられても3年も4年も経過しては無理です。このケースは多分流通コストを押さえた為と思われますがさだかではありません。

では銘酒辞典の安いのは全部そうかというと全く違って本当にきっちりやっていてたまたま安く入ったケースもあるから難しいのです。

 

以下は私が5年程前に実際に体験した話です。ドミナスの近くの駅前に120席位のカフェがあって料理を充実してカジュアルイタリアン風にするという事でワインを探しており、たまたまワインの営業が来るということで立ち会いを頼まれました。

ソムリエバッジを外してだまって座って聞いていたら、

『このワインは小売で5,000円の白ワインです。このワインを店に置くだけで店の格が上がります。この店がレストランに形態を変え、成功するお手伝いをするために特別に1,500円で卸します。』

『ワインは難しいのでよく分からないかも知れませんが、まあ飲んで見てください。とても美味しいですよ!

 

・・・飲んでラベルを見てみると普通のモーゼルのピースポーターで小売1,500円、仕入れ1,000円位のワインでした。

当然、ふざけるな!という事になって追い帰したのは言うまでも有りません。残念ながら、こういう代理店も存在します。

その業者の引いているワインに罪はないのでどうしても欲しいワインは違う業者から仕入れています。

 

・・・つまり、小売価格は代理店が勝手に値付けしていいので小売価格にまどわされない様にしないといけません。いくら10,000円のワインを3,000円と言っても15ドルのワインだと洒落になりません。ワインセラーも同じ事が言えて値引き率が大きいからそれを買うと

いうのは間違いで実際、ドミナスでデモ機で使ったり、他のレストランに見聞きしてうちでは商品価値なしと判断したワインセラーはいろいろあります。

 

ここは前回の続きです。

試算(1ドルを120円として)

50ドルのリテール             6,000

インポーターの仕入れ         3,600

輸入経費                  500

回転経費、販促費             100

合計                    4,200円(原価)

 

(小売価格の設定           10,000)

酒屋への販売価格           6,000

利益                    1,800円/本

酒屋の仕入れ                6,000(から7,000)

レストランに卸す場合          7,000(から7,500円)

酒屋さんの利益              1,000/

 

・・・これが業界の流れですが、前回の話にさかのぼって、輸送コストはリテールにかかわらず1本単位で発生します。

リーファーで大体500円/本ですが、では11,500円の小売価格のワインに置き換えると・・・

 

インポーター の仕入れ          100

輸入経費                   400円(常温)a

回転経費、販促費              100    

合計                           600円(原価)c

(小売価格の設定               1,500)

 

そこで今出回っている500円以下のワインというのは徹底的a,bを削減している訳です。デイリーワインとして早く飲む分にはこれはこれは有りだとも思います。

 

☆ワインをTPOに合わせて美味しく楽しく飲む為にはある程度の知識は要求されます。

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最近ワインに凝り出したのですが、バキュバンを使うと美味しくなくなる様な気がするのは単純に日にちが立つからですか?

前にも書いたと思いますが、僕はバキュバン絶対反対派でレストランのソムリエですら使っている店があるから驚きです。

(こんな奴がいるからバッチを2万円で買うとか言う人が出てくる)

バキュバンを使うとスコスコやっているうちにどんどん良い香りがしてくる事が有ると思います。

要は瓶の中の空気を抜いている訳ですからあたりまえなのですが・・・

これを行うとワインの香りがどんどん失せて行きます。

 

個人的には自然主義というか?

1、飲み残しワインは抜いたコルクの液面に触れていた方を下にして強引にひねりながらねじり込みます。

2、必ず立てます、横にするとそれだけ空気に触れる面積が多くなるので痛みが早くなります。

セラーを持っている方は立てて置けるスペースを確保してシャンパンと一緒に保管しましょう!

3、一晩でボトルが空かない事が想定される場合はなるべく翌日も美味しく飲めるのを空けます。

条件的には濃いワインで酸味や渋みがしっかりしていてフルーティーな香りがするのが長持ちし易いです。

これはレストランでのグラスワインの選び方の目安です。

割高ですが窒素ガスを使う方法もあります。

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シャンパンが大好きなのですが自宅では白ワインばかり飲んでいます。なぜかと言うと空けられないのです。ポンとか音がしそうですし重いし、蓋は堅いし・・・

上手に空けるコツはあるのですか?

正しい空け方(これなら怖くない!)

1、始めにシャンパンは立てます。片手にふきんを用意します。

2、針金のグリグリをゆるめたらすかさず、ふきんをかぶせます。針金は全部はずすとたまに外している最中に空くので怖いです

だからゆるめるだけにします。(厚すぎるとやりにくいので3~4枚の厚さになるくらいに折ります)

3、片手でふきんごとコルクを持って片手は瓶の底をわしづかみします。

4、瓶を斜めにして持ちます。(斜めにすると音が鳴りにくい)

5、コルクを持っている方の手と瓶を持っている方の手の回し方を逆に回す様にします。

コツは、この時、瓶の方に力を入れます(太い方を回すとちょっとの力で空きます)

6、コルクが持ち上がってきたらコルクをゆっくりと斜めにして引き抜きます。

7、プスーと音を立てて抜く様に心掛けます。

 

☆レストランではポンと音を立てて抜く事は厳禁です。失敗したら決まり文句は『お祝いの席ですから・・』

☆買ったその日は飲むのは止めましょう! せめて一日二日は間を開けてください。状態を安定させるためです。

☆保管は立てて置きましょう! 冷蔵庫で冷やす時は立てても横にしてもどっちでもいいです。

スティルワインの空け方は写真付きでドミナスのホームページにのっています。6年前の井手です(念のため・・・)

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主人が大のワイン好きで食べ物にもうるさくてわがままです。秋の味覚の食事とワインの組み合わせを簡単に教えて下さい?

代表的な食事

松茸の炭火焼き

こってりタイプのシャルドネ(白)樽が効いた方がベター

きのことにんにくのバター焼き

こってりタイプのシャルドネ(白)

冷やしぎみのジンファンデル(赤)

栗ボイル

ソーヴィニヨンブラン()

鮭ときのこのホイール焼き : ピノノワール()・重い白

さんまの塩焼き 大根おろしに醤油 : フルーティーなシラー(赤)

マグロ(終盤ですが)軽くあぶってワサビ醤油 : 濃いピノノワール・メルロ(赤)

さばの塩焼き マヨネーズとポン酢 : 渋みしっかりカベルネソーヴィニヨン(赤)

鴨鍋(寄せ鍋風に) : ピノノワール・きんきんに冷やした白ワイン

鴨の焼き肉 (焼き肉のたれにコアントローを少々) : ピノノワール・かぐわしい香りのシラー

ギンナンの乾煎り : ヴィオニエ(白)

 

・・・こんな感じでしょうか?

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この前デパートでフォイラーというワインの注ぎ口につけるだけで味が変わるすごいグッズを見つけました。

効果的な方法を教えてください

 

ソムリエ的には不可です!

言い換えると全てのワインを泡が立つほど勢いよくデカンタージュするに等しく、骨格がくずれて危険性を持っています。

つまり、ワインを抜栓してソムリエテイスティング後のデカンタージュの流れは

1、そっとグラスに注いだらスワリング(グラスを回す)しないで香りを嗅ぎます。ここで香りがしなかったらデカンタージュ。

2、軽くグラスを回して香りの立ち上がりをみます。やっぱり、香りがしなかったら勢いよくデカンタージュしたいなーと思い、香りが立ち上がったらゆっくりでもいいかなーとか思います。(いろいろな事を考えます)

3、味をみます

飲み終わった後の喉越しがカーッときてアルコールを強く感じる場合はデカンタージュします

其の際、酸味・渋みが強くて濃い場合は激しく、逆はゆっくりします。

・・・こういう風にワインに対して大事にしてあげるとワインも答えてくれて美味しく飲ませてくれるものです。

 

効果的な使い方としては味をみて、飲み終わった後の喉越しがカーッときてアルコールを強く感じ、酸味・渋みが強くて濃い

場合に使用したら良いと思います

 

☆従って僕はハクション大魔王の様なウルトラデカンターは大嫌いです。

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ワインの造り方を教えてください。

ドミナスがオープンして7年目になりますが初めての要望です。可愛い奴なのでドミナスで実際に造らせてみました

注:このアルコールは言わば密造酒なので販売はおろかサービスもできませんのでお店でご注文してもありません。

 

このメールを読んでいるソムリエさんは特に造ってください最終段階のブランデーまで造るとワインやアルコールに対する勉強になるだけではなく、醸造家の方の気持ちがほんの少しだけ解った様な気になるので、いとしさとせつなさが沸いてきて今後のワインに対する気持ちが少し優しくなれます。そうするとワインも応えてくれて、より美味しく飲ませてくれる事でしょう。

 

《ワインの造り方 井手オリジナル》

ステップ1:簡単ミード(蜂蜜酒)を造る 工程的には10分で終わります。

 

用意する物

蜂蜜250g、紅茶のティーパック(出来れば1回使用したでがらしを5パック=こちらの方が柔らかいタンニンが楽しめます)

レモン 1個、水1ℓ、ドライイースト、空の一升瓶、マッチ、ビニールホース(金魚鉢に使う感じで1mくらい)

 

造り方

1、一升瓶をよく洗って自然乾燥させます。マッチ棒に割り箸を結び付けて火を付け一升瓶の中に入れてゆすって火を消します。
(
これは殺菌する為でいわゆる酸化防止剤です)

2、一升瓶はあらかじめ水を1L入れてマジックで線を引いておきます。

3、水200ccに蜂蜜を入れて火にかけて一煮立ちさせ溶かします

4、残りの水800ccに紅茶のパックを入れて煮立たせ弱火でしばらく煮込み、渋い!と思うくらいで常温で冷まします。

5、常温になった、3の蜂蜜水を一升瓶に入れます。

6、紅茶を1Lのラインまで入れます。

ポイント:この時の甘さを覚えておいてください。ステップ2で必要になります。

7、ドライイーストをティースプーン1杯入れます

8、一升瓶にコップを逆さにして蓋にします。

注意:きっちり蓋やラップをすると炭酸ガスがたまって爆発します

9、翌日位からブクブクと泡が出て安いスパークリングの香りが始まります。

101週間位で大体発酵が終わるのでビニールホースを一升瓶の中に入れて吸ってボールに移します。

注意:瓶の下にたまっている、白いドロドロにホースの先がふれない様に

11、ボールに入れたミードを味見します。

12、酸味が欲しいのでレモンの絞り汁をお好みの量、入れます。(個人的には1個分)

13、お好みで蜂蜜を溶かして、甘みを足します。(個人的には甘みは強めです。)

14、ワインの空き瓶に移して出来上がり。 (すぐ飲み終わってしまう方は、二酸化硫黄は必要ありません)

感覚的にはアルコール度数は5%から8%くらいだと思います。 デザートワインと同じで酸味と糖分のバランスが決め手です

氷を入れても美味しいです。僕はデザートワイン風に仕上げますが元々甘口のワインが好きな方は最後の蜂蜜は控えめにして食前・食中酒としても美味しいです。

応用:このミードにローズマリーやお好みのハーブを入れるとエリザベス ミードと呼びグレードが上がります。

15、ミードだけでもとっても美味しいのですが、瓶の底にたまった白いドロドロが今回の目的です。タッパに移して冷蔵庫に保管します。これを元種(モトダネ)と呼びます。

発酵は室温が低くても(15℃以下)高くても(25℃以上)うまく行きません。毛布を巻いたり、いろいろ方法はあるのですが、この時期はほったらかしでOKなのでお勧めです。

 

次回は元種を利用したワイン造りです。

八百屋さんに安いぶどうを頼んでいたら1(2.4K)1,000円の甲州が手に入りました。・・・次回に続く

ステップ2はワイン造り

ステップ3はフィーヌ(ブランデー)造りです。

 

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ワインの造り方を教えてください。

PART 2

前回の続きです。いよいよワイン造りに入ります。

みとちゃん日記(若泉君が造った時の日記です)

 

1010(1日目)

八百屋さんから買って来たぶどう(2.4Kgで千円)をつぶして、網で漉してブドウジュースを造った。 ガムシロを足してミードの元ダネの瓶に入れた。うまく発酵してくれるだろうか?

 

1011(2日目)

朝来たら水面が泡立っていた。 うまく発酵しているみたいだ、後でオーナーにぶどうの皮も入れておかないと渋みが出ないと言われた。

少し心配だ・・

 

1014(5日目)

連休が明けて瓶を見たら泡立っていなかった。 オーナーに聞いてみると目に見える発酵が終わったとの事だった。 試しに飲んでみるとアルコールの香りが強く味は薄めだった。 コンビニで買った安いヌーボーの様な味だが、確かにワインだ!

これから味が変化して行くらしい。楽しみだ。 アルコール度数を上げる為にシロップを加えた。

 

1015(6日目)

やはり今日も目に見える変化はない。 しかし飲んでみると昨日よりもアルコールの香りが弱くなった感じがした。

日々変化しているのがなんか、嬉しかった!

 

1016(7日目)

今日で1週間がたった。もう少しで発酵が終わる。 味もアルコールの香りが消えてきて、こなれた感じになって来た。 目に見えないところでの変化は凄いと思った。

 

1017(8日目)

今日も飲んでみたが、変化が少なくなってきた。 このままで落ち着きそうだ。1週間でここまで変わると思わなかったので改めてワインはすごいと思った。

 

ちょっと小学生みたいですが、おもしろかったので、そのままのせてみました。

この状態から瓶内熟成でかなりこなれて来ます。

そこまで行われる方は、瓶詰めする瓶はミードの時の様に瓶の中をマッチで消毒しなくてはいけません。

今回は熟成が目的ではないのでマッチは使っておりません。

注:このアルコールは言わば密造酒なので販売はおろかサービスもできませんのでお店でご注文してもありません。

 

発酵は室温が低くても(15℃以下)高くても(25℃度以上)。 うまく行きません。毛布を巻いたり、いろいろ方法はあるのですが、この時期はほったらかしでOKなのでお勧めです。

 

次回は自家製ワインを利用したブランデー造りです。

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ワインの造り方を教えてください。

PART2 説明版

今回はフィーヌ(ブランデー)造りの予定でしたが、前回は日記形式になっていた為にわかりにくいとのご指摘をたくさんいただきました。申し訳ありませんでした。従って、具体的な作り方を書きます。

 

ワインの作り方

2Kg位のブドウで出来上がりは1Kg弱になります。

1、八百屋さんで買ってきたぶどうをつぶします。

大きなボールか鍋に入れてポテトつぶしか何かでとにかくグチャグチャにつぶします。

2、ある程度つぶれたら、更に手でつぶします。

3、ミードの時に出来たオリ(元ダネ)をガラス瓶(出来れば梅酒作りの口の大きな瓶が望ましい)に入れてつぶしたブドウを瓶の中に入れます。

4、砂糖50gを水50ccでよく溶いて瓶の中に入れます

5、ガラス瓶はきっちり蓋をすると爆発するのでアルミホイールで蓋を作って軽くかぶせておきます

62日位で発酵が始まり勢い良く水面が上がってきます

71週間位して落ち着いてきたら30gを30ccの水で良く溶いて加糖します

8、さらに5日〜1週間位寝かせておいたら出来上がりです

9、ワインは網で漉して瓶は良く洗ってよく拭きます

10、一日くらい置いて、翌日ホースで吸って濾過します。

11、ワインの空き瓶に移してコルクを根元まで差し込んで1週間位寝かせると美味しくいただけます。

 

☆購入するぶどうで甘さは全然違うので最初の発酵時点では加糖は控えめにして徐々に足して行くと失敗がないです

☆イーストの時の発酵と違って元ダネがありますのであまりきっちり計らなくても大丈夫です

発酵は室温が低くても(15℃以下)高くても(25℃以上)うまく行きません。毛布を巻いたり、いろいろ方法はあるので

すが、この時期はほったらかしでOKなのでお勧めです。

次回はフィーヌ(ブランデー)造りです

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ワインの造り方を教えてください。

PART3 説明版

今回はフィーヌ(ブランデー)造りです。

 

フィーヌの作り方

☆フィーヌはワインを蒸留して造るブランデーです。

ご家庭でもとても簡単に出来ますので、1度試してみてはいかがですか?

前回のワイン造りで出来たワインを蒸留します。

 

1、大きな鍋にワインを入れて、1回り小さなボールを浮かべます。

2、鍋の口をサランラップで3重位に厚く張ります。

3、ラップの上になるべくピッタリのボールを置いて中に氷水を入れます。塩を大匙2杯位入れます。

4、弱火にかけて、中のワインがなくなるまでコトコトと沸騰させます。途中、氷が溶けたら水を捨て氷を入れます。

5、鍋を軽くゆすってボールの音がしなくなったら出来上がり。途中、氷のボールを外して見ても構いません。

 

☆ドミナスで造った時は750ccのワインから200cc位が出来てアルコール分は感覚的には30度位でした。

アルコール分を高めたい時は同じやり方を繰り返しすれば、どんどん高くなります。

     味的には安いグラッパを飲んでいるみたいでしたが、まあ、いけました。フレッシュの香草を浸けて風味付けをします。

 

次回はマール(粕取りブランデー)造りです

 

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ワインの造り方を教えてください。

PART4 説明版

今回はマール(ブランデー)造りです。

 

ミードからマールまでの造り方は、ワイナリーに研修に行ったり、プロのお酒造りの方に聞いた訳ではなく、あくまでも僕の個人の趣味で本を読んだり、旨いビールの元とか缶詰で売っているのを造ったりして少しずつ形になったオリジナルですので、この方法が全て正しいとは思いませんので軽く受け止めてください。

 

マールの作り方

☆マールはワインを蒸留して造るブランデーです。

ご家庭でも、とても簡単に出来ますので、1度試してみてはいかがですか?

前々回のワイン造りで出来たワインを再利用して蒸留します。

 

1、ワインが出来た時のかすのぶどうの皮や種をガラス瓶に入れます

2、ブドウのかすと同量位の水を入れて果糖します。砂糖の量は水の量に比例して加減しますが、1ℓに対して50gが目安です。

(イーストは入れなくてもブドウのかすの酵母菌で問題なく発酵します)

3、翌日からすぐコポコポと発酵が始まります。1週間位して発酵がおさまってきたら更に50gくらいの砂糖を同量の水で良く溶いて加えます。

41週間位して発酵がおさまってきたら裏ごしして蒸留します。

5、蒸留の方法

 

前回のフィーヌと同じです。

1、大きな鍋にワインを入れて、1回り小さなボールを浮かべます。

2、鍋の口をサランラップを3重位に厚く張ります。

3、ラップの上になるべくピッタリのボールを置いて中に氷水を入れます。塩を大匙2杯位入れます。

4、弱火にかけて、中のワインがなくなるまでコトコトと沸騰させます。途中、氷が溶けたら水を捨て氷を入れます。

5、鍋を軽くゆすってボールの音がしなくなったら出来上がり。途中、氷のボールを外して見ても構いません。

 

☆アルコール分を高めたい時は同じやり方を繰り返しすれば、どんどん高くなります。

☆味的にはフィーヌよりあらあらしい味わいでこのままでは、ピリピリしてあまり美味しくありません。そこで本来は樽に入れて寝かせるのでしょうが、樽の入手は困難なので、今月ドミナスで樽ヌーボーを出しますので空になった樽に寝かせてみようかと思っています。

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ヌーボーの季節ですね。今年は随分出来が良いとの事ですが家庭で楽しむ時に相性の良い料理を教えてください。

スーパーで普通に売っている食品で考えると

生ハム (柿やパパイヤなどを巻いて)

牡蛎   (マカロニグラタンでチーズをたっぷりかけて)

地鶏   (塩コショウだけでシンプルに網焼き)

ツブガイ(きのことバター炒め)

秋鮭    (ホイール焼き)

まぐろ  (レアグリル)

カマンベールチーズ (アルミを敷き上を削ぎ切りにしてオーブントースターで簡単フォンデュ)

 

・・・等がお手軽ですが要はピノノワールのフレッシュで軽いのをイメージしてもらい合わせると大丈夫です。

弊社でも取り扱いのある鴨のコンフィなどは抜群の相性です

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ヌーボーをけっこういろいろ飲みましたが全然違います。

何故ですか?又どうやったら美味しく飲めますか?

ドミナスでも最も多かった質問です。

まず味の違いは同じシャブリでもたくさんのメーカーが造っていて樽を使うメーカーや使わないメーカー、濃いところやあっさりした所がある様にヌーボーも造り方の違いと価格の違いによるものです。

次に美味しく飲むコツというか約束事は

 

1、温度

全ての赤ワインの中で最も低い温度で飲みます。

通常は12℃から13℃とされています。今年は濃くて酸味が少ないのでドミナスでは16℃で出しました。

室温の25℃は明らかに高く、せっかくの味わいがボケてしまいます。樽ヌーボーをカウンターに置いて赤ワインは常温とか言って平気で出しているレストランや酒屋さんが多いのは残念な限りでワインを文化と捉えて、美味しく出そうとするソムリエは皆心を痛めています。

2、グラス

大きなグラスでたっぷりの香りを嗅ぎながらガブガブ飲みます。一つの売りである香りはイチゴの香りが広がる良さがあります。小さなグラスではテーブル中に広がるフレッシュな香りは楽しめません。

 

3、料理

基本的に軽い料理を合わせます。

 

4、抜栓キャパシティー

空けてへたる時間がとても早いです。空けたら即飲んでしまいましょう。翌日に持ち越してより美味しくなるタイプではありません。ヌーボーの種類によって温度や料理はしっかり変わります。あまりにも差があるからですが、例えば話題のドミニクローラン

のヌーボーはクリュボジョレーのモルゴンの様なしっかりした味わいで、飲食業界に入って随分長くなりますがこんなヌーボーを飲んだ事は生まれて初めてで驚きました。

 

最後にヌーボーの出来が良いといっても9月の終わりから10月に収穫したブドウを1カ月で飲ませる訳ですからあくまでもお祭り的な要素が強く極端にありがたるのもどうかと思います。

でも僕らの世界では1杯目を乾杯する時にヌーボーおめでとうと共に今年も外れビンを引きませんようにとお祈りします。

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今年(2003)のヌーボーは美味しかったので大事に1本取っておりますが、いつ頃まで飲めるのでしょうか

原則的にはレストランでは11月一杯、遅くとも12月上旬まで売り切り、クリスマスまで持ち越さない習わしです。

基本的には新酒のお祝いなので早めに飲みましょう!

例えばドミニクローランのヌーボーは酸化防止剤が一切入っておりません。これは早飲みを前提とされて造られており長持ちできるとも思えません。 ちょっと前まで酒屋さんのワゴンセールで春先にヌーボーが大安売りとか置いてあってチリのヌーボーかなと思ってよく見るとボジョレーだったりしてビックリした事もありますがさすがに、最近では見なくなりました。

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今年のヌーボーは100年来の出来とか言っていましたがフランスの2003年産は全て当たり年と言うことですか?

 

微妙です!確かに過去に比べて突出して美味しかったのはまちがいありませんが、美味しい要因が

1、例年に比べて果実味が豊かで濃い

2、酸味が控えめで飲み易い

 

・・・という事なので逆に言うと酸味が少ないという事は長期熟成に向かない、早飲みのスタイルという事になります。

長期熟成の基本は強い酸味と渋みが時間をかけて穏やかになり、しっかりしたアルコールがまろやかになる訳ですから、酸味が少ないのは長持ちしません。

 

情報では今年のフランスはとにかく暑く、夜も例年に比べて暑かったそうです。

加えて雨が少なかったのでぶどうが薄くならず濃く出来上がった様です。従って、飲んでみないとはっきりとした事は言えず、プリムールでの購入(予約販売)は危険な気がします。

 

レストラン ドミナスでは1120日にスタートして9日間で完売(6c/s120本分)しましたがその間のお客様の声はその後も含めて他のレストランで有名なヌーボーを飲んだりコンビニで買って飲んだけど美味しくなかったとか、なぜ同じヌーボーなのにこんなに味が違うのとか聞かれましたが、それと同じで同じワインで同じ品種でも造り手によって全然味が違います。

今年のヌーボーは美味しくなかったという人は価値観にもよりますが、特にヌーボーは当たり外れが激しくてしかも飲む温度設定が最も難しい赤ワインなのでちゃんとワインを美味しく飲ませようと頑張っているソムリエさんの店で飲んで言って欲しいというのは我々の切なる願いです。

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ドミニクローラン(Dominique Laurent)のちょっと詳しい説明

 

★ドミニクローラン

19561013日、スイス国境近くのフランシュ・コンテ地方生まれ、実家の菓子職人として跡取り息子として経営参加し

ていたが、1978年から友人のベルギー人ワイン愛好家に依頼されて美味しいブルゴーニュワインを発掘、紹介する様になり、よいワインを求めてブルゴーニュを通ううちに自分の納得する品質があまりに少ない事に気づき自分で造ることになり、1989年にネゴシアンとして活動スタート。

彼が目指したワインは192040年代のブルゴーニュ黄金時代のワインで骨格のしっかりした香り高い果実味豊かな赤ワイン、当時は家のお菓子屋のガレージの開業だったが、間もなくニュイサンジョルジュに移り本格的な活動が始まる。

1993年のヴィンテージから話題になり初めて、1995年のワインでロバートパーカーの高評価によって大ブレーク!(当時のア

メリカのインポーターはジェフリーデイヴィス)今日4つのカーブに樽総数500樽年間生産量15万本のブルゴーニュを代表する造り手となる。

 

★ドミニクローランのワイン造り

老名人から学んだブルゴーニュ黄金時代の基礎として、独自の醸造方法を確立、実践しています。 キーワードは4つで

1、ヴィエーユヴィーニュの使用

樹齢30年以上のブドウの樹、手摘み収穫、除梗は50%まで

 

2、新樽200%とシュールリー

樽で買い付けたワインを即座に新樽に移し替え、約半年後にもう1度新樽に移し替える方法。「ワインスペクテイター」誌で200% NEW OAKと称された事がきっかけでこの呼び方が定着しました。彼が新樽の使用にこだわるのは樽香をつけるためではなくワインに自然な酸素をゆっくりと供給し澱との相互作用によってワインを生き生きとした状態に保つためです。

したがって樽を選ぶ基準は内面の焼き具合ではなく目の細かさ等になります。

1999年ヴィンテージから「マジック カスク」と呼ばれるドミニク特製の樽を導入、彼自身がトロンセの森に出向き樹齢200300年の木の中から選択、暗闇の夜に伐採し乾燥させ削り、樽に仕上げたものです。彼は樽から樽へワインを移し替える際に澱引きをせず、シュール リー(澱の上発酵)によって澱と共に18カ月熟成。澱の主成分であるワイン酵母と新樽の相互作用によって樽香はあまり強くないより味わい深いワインが生まれます。

 

3、最小限のSO2(二酸化イオウ=亜硫酸ガス)使用

ドミニクローランによればSO2はワインのボディを低下させワインの生命力、弾力性を奪うために使用は必要最小限の量に厳しく制限されています。

 

4、ノンフィルター

酒石酸を取り除くための冷却処理、濾過は一切行わない。 樽中でのシュール リーの作用によってワインを清澄させそのまま手作業で11本ビン詰めする事によってボディや豊かな香りをワインにぎっしりと閉じ込めています。

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白ワインは冷やして赤ワインは常温とかよく言われますがドミナスで飲ませてもらった白ワインは普段よりぬるく、赤ワインは冷たく感じました。すごく美味しかったのですがどういう温度なのですか?

 

答えを詳しく書くととても長くなるので簡単に書きます。

要は物によって違うということで、この場合の白ワインはルペのコルトンシャルルマーニュ'99で、グランヴァンなので8℃で保管しているワインをゆっくりデカンタージュして10℃にしました。その後シュピゲラウのブルゴーニュグラスに注いで12℃をスタート温度にしました。10分位で1℃上がるので30分後に大体15℃位になりネットリとして美味しくなったという訳です。

料理をワインに合わせたのは勿論ですが、白だからと言って冷やせば良いと言う訳ではありません。

個人的にはもっと高い温度が好きです。

 

赤ワインも同じ事が言えて、酸味のしっかりした料理や塩味が濃い場合はボトルごと氷り水に浸けて冷やします。

ワインの状態の瓶差、状態、お客様の味のお好みや料理、ワインの出す順番、ボトル1本を何人で飲むか等によって、温度、

グラスの形状、デカンタージュの有無、回数、スピード、高さ等常に変わりますのでいちがいには言えません。

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レストランでは子連れのお客はお断りという事が多く、ドミナスでは子連れOKなので助かっています、家の子供はおとなしいのに他のレストランでは何故だめと言われるのですか?

だめと言われる理由は簡単で親が子供に対するキャパと店が他のお客に対して感じる、うるささのキャパが違うからです。

ドミナスの子連れのお客様は普通にマナーを持っている方が中心でグズッたり泣いたり、店内を走りだすとすかさず親が外に連れて言い聞かせてくれます。それでもうるさい時はコースの途中でも帰ってくれますので他のお客様に迷惑が、かからないので店側としても断る理由がなかったのです。

ただ、そういう最低限のマナーを知らない若い親が出てきたのはなげかわしい限りでランチはまだしもディナーは注意せざるを得ないとミーティングしたばかりです。

ドミナスでは18時オープンなので子連れの方は17時から予約を受けているのも子連れだからとむげに断りたくないからです。当店でも子供が泣いてファミレスと変わらないじゃないかとお叱りを受けた事があって、オープン以来初めての事でさすがに泣けてきました。他のレストランも同じで皆、けっこう悩んでいます。子連れに係わらずマナーを大事にしたいですね!

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おせちにワインを合わせようといろいろ空けたのですがどうも美味しくありません。

何かコツはあるのですか?

 

まず生ガキや魚卵系など臭みの強いものは白ワインより日本酒の方が生臭くなくて良く合います。これはアルコール度数でカバーすることが出来、アルコール度数が高ければ高い程、白ワインでも対応出来ます。カリフォルニアのサファイアヒルなど15%を越える白ワインもいろいろ出てきました。

 

一番無難なのはピンクシャンパンで泡があってコクがあるので何でも良く合います。個人的には赤ワインが好きなので僕は度数の高めのピノノワールを合わせます。温度はやや控えめが日中は美味しいですよ。

かずのこだけは何を飲んでも美味しくなく唯一、デザートワインの冷やすタイプ、レイトハーベストとかだったら微妙に美味しかったです。

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よく飲食店のまえに書いてあるブラッセリーやレストランなど肩書がいろいろありますがどういう位置付けにあるのですか?

 

一言で書くと誤解と語弊がある様な気もしますが、ある程度の目安として捉えてください。

フランスやアメリカの捉え方とも微妙に違いますが、以下は日本の現場のソムリエとしての認識です。

 

まず、僕らの業界の見方ですが4つに別れます。

 

1、グランメゾン系・・・70席以上、プラス個室2個以上、ウエイティングバーがあって装飾品、調度品にお金をかけて料理は最高のものを目指します。当然食事代も高価です。

 

2、プチメゾン系・・・コースは2種類以上、カルトでも頼めます。

(レストラン)   コースの基本はトロワ(冷製オードブル・温製

(オーベルジュ) オードブル又はパスタ系・メインディッシュ)

(リストランテ) 料理やサービスのレベルはグランメゾンを目指し、設備が伴わない店です。単価も少し安くなりカジュアルな雰囲気もあります。 オーベルジュは宿付きです。

3、ビストロ系  ・・・手の込んだ家庭料理の店です。カルト中心です。(トラットリアがコースもあります。

ブラッセリー・・・ビストロよりちょっと安価になります。基本的にはドゥープラ(オードブル・メイン)

ロテスリー  ・・・鶏や豚肉などの焼き放しがディスプレイされています。

 

4、ワインバー  ・・・ワインが基本の飲み屋、グラスワイン10種類以上、ボトルアイテム50種類以上

バー(カフェ)系・飲み屋、喫茶店

パブ        ・・・食事があるバー

グリヤード  ・・・グリル(網焼き)料理のバー

サロンドテ  ・・・ケーキを売っていてイートインできる。 基本的にお酒は置いてない。

 

23の違いは微妙で価格も3の方が高い場合も良くあります。ドミナスはワインレストランなのでワインバーの条件を押さえ

てレストラン、2に属します。このジャンル分けは食事・ドリンク・サービスのカテゴリー分けで目的意識が違う店、例えばきれいなおねえさんが大きなオムネをさらけだし、ワインを注ぐ様なバーは違う業界の人なのでそこから後ろは分かりません。

 

この業界にいる人ならば誰もが1度はグランメゾンを憧れますが現実は莫大な資金が必要なのと回収が難しいのでつぶれて行く店が多いです。

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寒い日が続く中、夕飯時に鍋物が多くなりましたがワインの合わせるコツを教えてください。

 

ポイントは素材と味付け、たれにあります。以下、一般的なマリアージュです。

 

【素材】

・魚貝・・白ワイン全般、フルーティーでスムーズな赤ワイン:シャルドネ・ヴィオニエ・ピノノワール

・鶏・・・白ワイン全般、飲み口スムーズな赤ワイン:シャルドネ・ヴィオニエ・ピノノワール

・豚・・・濃厚な白ワイン、飲み口スムーズな赤ワイン:シャルドネ・ヴィオニエ・ピノノワール・プチシラー

・子羊・・・スパイシーな白、赤ワイン:ゲヴェルツ・ジンファンデル・シラー

・牛・・・赤ワイン全般:カベルネ・メルロ

【味付け】

・魚ダシ・・・白ワイン全般、フルーティーな赤ワイン

・みそ ・・・濃厚な白ワイン、濃い赤ワイン

・醤油・・・赤ワイン全般

・キムチ・・・スパイシーで濃い白、甘口ロゼ

※辛くなるにつれて、より供出温度は低くなります。

【タレ】

・ポン酢・・・酸味のしっかりした白・赤

ゴマ・・・濃厚な白ワイン、フルーティーな赤ワイン

 

要は軽い肉には軽いワイン、酸味のあるタレには酸味のあるワイン・濃度のあるタレにはこってりしたワインを合わせます。

でも本来の意味でのマリアージュは本人の志向に伴う一番美味しい組み合わせです。

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ワインは大好きなんですが、お酒が弱くて1杯飲むと真っ赤になってしまいます。最も美味しく飲むコツは何かありますか?                

要はあまり飲めないけど、ワインが好きなんですね?

ワインを飲むパターンを2つに分けてみます。

a: (レストラン )

まず、何を食べたいか決めます。やっぱりメインディッシュですが、出来れば通して飲めるワインを選びたいものです。

白ワインが好きな方ですと、シャルドネがお薦めで温度が上がっても美味しいのはフランスのブルゴーニュの南の方のしっかりしたタイプがお薦めです。

赤ワインが好きな方はカリフォルニアの濃厚なタイプがお薦めです。酸味や渋みが少ないドッシリして柔らかいのをゆっくり飲まれると良いでしょう。

 

b:自宅

この場合は温度が上がって美味しいワイン選びよりも、抜栓して何日間美味しく飲めるかが重要になります。

ドミナスのグラスワインで選んでいるワインは基本的に3日間以上もつ(仏のブルゴーニュは除く)のを選んでおりますのでご参考にしてください。

 

抜栓して長持ちするワインの選び方

1、ワインの涙・レッグが厚い

2、色調  エッジは明るく中心は黒に近い紫

3、香り  果実の感じが強く、熟成香があまり出てない

4、味わい 果実の凝縮感がたっぷりの濃い味わい

5、余韻  飲み終わった後も喉の奥に飲んでいる感じが続く様な尾を引くタイプ

6、価格    値段にはとらわれない!

7、産地    カリフォルニア・オーストラリア

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ワインを通信販売で買ったらセメダインとゴムが交じった香りでとて

も飲めたものではありません。どうしたら良いですか?

これは先日、弊社からワインをお買い戴いたお客様から実際にあった話です。早速、返品してもらって試飲後、代理店に送りました。

 

ワイン名:サンスーペリー カベルネソーヴィニヨン ナパ’99

代理店名:カリフォルニアワイントレーディング

 

試飲情報:まさしくセメダインとゴムの異臭、子供の頃5円位で買ったアルミのチューブに入って短いストローにつけて膨らます風船の香りです。異常に酸っぱくて飲めません。

状態推測: 代理店の人とも話しましたが、あくまでも推測ですがまず、ブショネではなく、保管状態が悪い訳でもなく、瓶詰めの状態での問題と思います。瓶の洗浄、殺菌が不十分だったとか・・

商品情報:ドミナスでもグラス売りした事もあり、月間4ケース以上毎日空けていたけど1度もこういう状況はなく、若いヴィンテージでしかもちゃんとしたワイナリー、代理店での事例は本当に稀なケースです。

対応    :お客様には丁重に謝り、代理店より直送で代替えの商品と粗品を送りました。

 

《 酒屋さんでワインを買って異常を感じた場合 》

 

1、ボトルに残ったワインはそれ以上飲まないで直ぐにコルクを閉め直して買った酒屋さんになるべく早く連絡

2、その後の対応は酒屋さん次第ですが普通は返金か代替えをしてくれます。

注意   レストランのホストテイスティングと同じで品質異常と美味しくないは、かなり違っていてクレームには十分に注意してください。

 

30年以上古いワイン等の古酒と呼ばれるものはある程度の覚悟をして買います。ケースバイケースですが返品してくれない事がほとんどです。例えば、1959年のドンペリニョンのエノテーク(プラチナラベル)を12万円で飲んだとします。香りはシェリーの様にお日様に干したふとんの香りと酸っぱい香りがしました。これをどう捉えるかで、僕らはそんなものだし、そこが良いと思いますが人によっては正しい白ワインの香りではない、痛んでいると言います。

この場合は返品されません。つまり、主観と認知されている状態は違う場合があるという事です

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よくパスタを家で作るのですが、ワインを飲みながらゆっくり食べていると、いつも伸びているとか言われ、上手に作れません。何かコツはありますか?

ワインがらみの原理原則だけ簡単に書きます。

1、基本的にスパゲティは出来たら直ぐに食べます。

2、ワインを飲みながらおつまみっぽく食べるのであればショートパスタがお薦めです。ペンネだと比較的どこでも買えます。

3、パスタに限りませんがお皿は温めていますか?冷たいお皿に盛り付けると冷えるだけではなく温度差によってより伸び易くなる様な気がします電子レンジに使用分の全てのお皿を重ねてチンとやるだけで全然変わりますよ。持てないくらい熱くして盛り付けましょう。

4、ワインに合わせる時のセオリー

オイル系(ペペロンチーノ等)・・・よく冷えた白ワイン

トマト系(ペスカトーレ等・・・濃厚な白か軽めの赤

クリーム系(ベーコンスパ等)・・・濃厚な白か

チーズをかけるならしっかりした赤

☆軽いワインに軽い味付け、酸味の効いたワインに酸味がある味付け

濃厚なワインにはチーズを溶かすか、かけます。

 

《隠し味とワインのマリアージュ》

出来上がったパスタと今飲んでいるワインが合わないと思ったら以下の調味料で試して見てください。

 

a,しょうがとソーヴィニヨンブラン

b,レモン汁とシャルドネ

c,バルサミコとグルナッシュ、サンジョベーゼ

c,ブラックペッパーとシラー

d,にんにくとジンファンデル

e,削りカツオとピノノワール

f,醤油とカベルネソーヴィニヨン

 

☆最後の手段としてどうしても合わない場合はグラタン皿に入れてミックスチーズをかけてオーブントースターで焼きます。

ショートパスタだったらどんな味付けでも結構何とかなるものです。

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レストランに行くと白ワインばかり飲みます。赤ワインも好きなのですが冷やして飲むのが好きなので、頼むとお店の人に嫌な顔をされるので、何か良い方法はありませんか?

☆これは2月末にドミナスで実際に言われた話です。

 

対応:冷やしても美味しい赤ワインを提供(たまたま、コールセッコのモンテプチアーノをグラスに使っていたのでデカンタージュに入れて冷やしました。)

 

レストランのスタイルにもよりますが、普通に冷やして美味しい赤ワインと注文すれば良いと思います。ボトル買いになるでしょうが、ソムリエのいる店なら当然そういうワインを持ってきてくれます。

 

《ソムリエの立場として》

悲しいのは、お客様が頼まれたワインで特にグランヴァンの時に氷りを入れてと言われるとその価格・品質ゆえの香りや味が大きく損なって、何かワインに申し訳ないような気がします。

それならば先に冷やして赤ワインを飲みたいと言ってくださればいいのですが・・・

 

《お客の立場として》

違う意味で、従業員と居酒屋さんに飲みに行った時でも、温度が高いと思えば冷やしてとお願いします。

ワインバーやレストランでも言うことはありますが、悲しいのは特に若いソムリエさんに多いのですが、このワインはこうして飲んでくださいとか決めつけられて美味しくない場合は腹が立ちます。

品種の説明とかソムリエの教本通りの事を偉そうに言われて、しかも的外れな事が多いですし、何より客を馬鹿にしているような態度のソムリエには何度もお目にかかりました。気をつけたいものです。

 

★家庭で飲むとき用、冷やして美味しい、赤ワインの買い方

 

香り :果実の凝縮感を感じる。ジャムの香りがベスト(なめし革や腐葉土の熟成香は不向き)

酸味 :しっかりしている

渋み :ない

ボディ:軽くても重くてもこの場合は関係ない

品種  :もちろん造りにもよりますが・・・

ジンファンデル、ピノノワール、グルナッシュ、サンジョベーゼ、プチシラー、ピノノワール、オーストラリアのタランゴ等

 

以上の条件が重なる程、冷やして美味しい赤ワインです

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カリフォルニアワインは元々カジュアルさが売りだったのに近頃は随分高くなってカジュアルでなくなった気がします。むしろフランスの方が安くて美味しい気がしますが、プロの目から見てどうなんですか?

カジュアルという言葉を価格で捉えるか、飲み方で捉えるかで答え方も変わります。

 

( 価格 )

メジャー所は確かに高くなりました。特にスクリーミング、ハーランやブライアントなどカルトワインと呼ばれる500ドル以上のワインは高すぎて最近だんだん買う気がなくなってきたのも事実です。ただ、それとは違う路線で安価なワインもアメリカではいっぱい出ています。2ドルのチャックが良い例ですが簡単に流れを書くと以下の様になります。

 

1, 90年代後半になってカリフォルニアではブドウの栽培農家の人が増えました。ワインブームの流れとカリフォルニアのワインの評価が世界的に高まって有名メーカーが生産量を増やす為に桶買いを増やし始めたからです

 

2, これはこれで問題があって96年から97年になって生産量が増えて年が良かったのに味がダメになったワインはオーパスワンなど一杯あります。

 

3, 2000年頃からワインブームも落ち着き、皆が飲み慣れて来て、とりあえず高くても飲んでみようと言う人が一回りしてメジャーだから売れるという事はなくなってきました(高価でも味はそんなにという時にこのワインは日本のギンザでしか売れないよと言うジョークをアメリカ人に聞いた事があります)

 

4, 2001年を境にカリフォルニアの造りはまた一つ変わると言われています。

実際、2001年のカベルネの高価なラインはまだそんなに出てないので飲んでみないとよく分かりませんがドミナスやオーパスが美味しくなればいいなと心から願うばかりです。

 

5, 可哀想なのはブドウの栽培農家で2001年・2002年はブドウがたくさん取れてしかも買ってくれるワイナリーのアテが外れてどうしようかと言うことになります。

 

6, そこで登場したのがバルク買いで買い叩いたワインを混ぜてオリジナルワインとして売ったのが2ドルのチャックで値段が値段ですからバカ当たりしたみたいです。日本では輸送費や関税の問題で仮に2ドルのワインを1ドルで引いても仕入れ価格が600円近くなるのでそれをいくらで売るんだとなるので、そんな馬鹿な業者はいないので買えません。

 

7, 現地では2ドルワインが馬鹿当たりしたので当然柳の下の2匹目を探すことになり5ドルベースのワインがたくさん出ているようです。個人で出す人や大手ワイナリーも名前を変えて出しています。

モンダビのPAPIOやブエナビスタのTULA VISTAフェッツアーFIVE HILLSなどいっぱいあるみたいです。

 

8, 20012年とブドウがたくさん取れたのでこうなったけど2003年は少なめなのでこのスタイルは今後どうなるかは疑問です

 

以上の流れから多分今後はいかに安くて美味しいワインを探せるかという時代になると思います。最近僕の頭の中を占めているのはドミナスのレストラン売りで3000円台で出せるもので一杯になってしまっています。

 

(飲み方)

飲み方で考えるとやっぱりカリフォルニアはカジュアルな気がします。

実際自分で飲んでいてもそうだしレストランで長いこと見てきたお客でも同じ事が言えますがフランスのグランヴァンを飲んでると会話は極端に減ります。だまりこんで香りを楽しんだり、ひたすらグラスを回してなめるように飲みます。カリフォルニアは会話もはずみワインも進みます。

よくよく考えてみるとスタイルの違いにあってフランスの方がデリケートでエレガントなのに対してカリフォルニアは悪く言うと大雑把、良く言うとやっぱりカジュアルという事になるのではないでしょうか?

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カリフォルニアワインの2003年の出来はどうなんですか?

 

 

手元にある資料によると、9194年に匹敵すると書いてあります。

ただ、ヌーボーがいい例なのですが、毎年当たり年、当たり年と大騒ぎする割りには後からやっぱり今一つとか言われる年もあるので個人的には鵜呑みにはしません。ヌーボーの場合は造りの問題なのもありますがやっぱり飲まないとわかりませんよね。ちなみに飲む時期によってかなり状態も変わります。

収穫量は前年の白ワインは1%増、赤ワインは10%減でトータルは前年比5%減だそうです。ちなみに10年前に比べると白は2%減、赤は68%増でトータルは28%増になっています。赤はバルベラやグリナッシュが減ってメルロとシラーが飛躍的に伸びています。白はシャルドネの天下でシュナンブランは半分になっています。

まとめると白はシャルドネ、赤は カベルネ・ジンファンデル・メルロの順でシラーが追いかけてるって感じです。

 

(今飲むカリフォルニアの赤ワインの私見)

80年代   買いません! 状態の良いのは極めて稀です。ドミナスの83年とか保存さえしっかりしていれば素晴らしいですが・・・ 一般的にはボルドーの赤を買った方がお薦めです。

90     買いません!いい年ですがへこたれているのが殆どです

91     買います!僕が思うにカリフォルニア最良の年です。物によっては後20年位楽しめます(ハーランとか)

92     買いません! 微妙です。

93     絶対買いません!出はなから良くない年でした。

94     買います!ただしコストパフォーマンスは良くないですよ。

95     買いません!出はなはかなり良い年でしたが・・・

96     買いません!柔らかくなりやすい年なゆえに・・・

97     買います!出はなカチカチだったグランヴァンはとても良い状態

98年    買いません!出はなから何か薄くて良く言えばデリケートでボルドーチックなのですが・・・

99年                     買います!ただし出はなは果実が濃くてとても良かったのに最近思うにへこたれ始めているのが多いです。

長熟には向かないみたい・・

 

00年と01年が現在の主流です。01年の方が圧倒的に良い年です。ただ、00の方が柔らかくて(99より薄くて98より濃い)万人向です。01はまだ飲むには早すぎるのがゴロゴロしてますからご用心!

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カリフォルニアワインを買ったらコルクの裏(液面に触れていた部分)にオリのようなザラザラした異物がいっぱい付いていました。

これは何ですか? 悪くなっている訳ではないですか?

オリです! カリフォルニアワインの場合、ワインメーカーの保管がフランスと違って生産性を重要視して、合理化を図る為にこのような事がよくあります。

 

1、出荷の基本はダンボール箱に入れる

2、小さなスペースでもたくさん置けるようにこれでもか積み上げる

3、コルクの乾燥を防ぐために逆さまに置く

(逆さまに置くとふきにくいという利点もあるようです)

 

従って、カベルネソーヴィニヨンを中心としたボルドー品種の場合は特にオリが出易いのでビンの口のオリが集まるのでこういう事例が起こります。

 

もちろん、オリなので品質には何も問題はありません。僕もカリフォルニアワインにドップリと浸かり出した94年頃不思議に思っいて95年に初めてカリフォルニアのワイナリーに招待されたときに聞いた事があって、『どうやって飲んだらいいですか』って言ったら『ボトルをシェイクしたらノープロブレム』って言われて唖然とした事がありましたが今ではすっかり慣れました。

(いいかげんというかカジュアルというかお国柄が出ている気がして笑えます)

 

ではどうやって美味しく飲むかというと

 

1、基本通り抜栓しますがなるべくゆっくり空けます

2、ふきんで先を細めてかきだすようにゆっくりと丁寧に拭きます

3、味にもよりますがデカンタージュします。この場合ソムリエ試験じゃないので右手に持ったボトルはグルグル回しながらボトルに澱をへばりつかせて一滴でもたくさん入れます。(ホテルではまず見ることが出来ない街場のソムリエの裏技です。ドミナスのデカンタージュの基本でもあり、うちのスタッフは全員できます。簡単なのでやってみてください)

 

注意:ボトルを振ってオリを下に沈めてデカンタージュする場合は状態を安定させる為に1週間位は飲まないでください。

実際シェイクしてワインを飲むとよくわかりますが腰砕けになって美味しくなくなる事がほとんどです。

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先日チーズフォンデュをしました。それなりに美味しく食べられました

が、すぐに美味しいのに食べられなくなりました。そんなに量は取ってないのですが、チーズフォンデュは主食で食べるものではないのですか?

僕も78年前までは好んで食べていましたが年齢のせいか最近食べたいと思いません。ピザですら敬遠ぎみです。・・・歳のせい?()  要は食べ方の問題で重いのだと思います。

 

1,チーズをつける素材に野菜はいっぱいありますか?

特にプチトマトなど酸味をもったものは軽くなります。

2,ドリンクは何を飲んでいますか?
水でフォンデュを食べると最悪で胃の中で固まってズッシリと重くなります。ワインか炭酸ガスの入った飲み物だとこなれてくれます。どうしても水が飲みたい方はペリエ等ガス入りの水がお薦めです。

ピザにコーラが合うというのはシャブリと生ガキが合うというのと同じで食事しながらの相性が良いというよりは体に優しくという伝統文化だと言えます。

 

(チーズフォンデュにワインを合わせる時のコツ)

1、基本は白ワイン

(赤ワインが飲みたくなったらカベルネにはブルーチーズを、ピノノワールにはウオッシュを入れると良い)

 

2、素材()とチーズの配合によってワインの重さは変えられる

(基本的には家であまった古くなったチーズはなんでも入れるが臭い

ウオッシュやブルーは最後の方に足して行く)

 

3、チーズが煮詰まってきたら飲んでいるワインでのばす

 

※ドミナスでもオープン当時チーズフォンデュを出していて何でやめたかというと小さな店なので香りが充満して食べている近くの席で臭いというクレームが多かったのと、働いてもらっている料理人が嫌がったからです

チーズフォンデュは職人気質のコックのプライドに反するようです。そういう意味でも家庭向きと言えます。

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ドミナスでは21種類のグラスを出していますが何日位同じワインを出していますか?

25席の小さな店なのでいつまでも同じワインを出していると思ったのでしょうね。わかる気がします・・・

僕の選んだワインは基本的に3日以上はもつワインを選んでいます。

フランスだと絶対不可能な芸当ですがカリフォルニアはこれが出来るから、雑損を考えて原価計算をしなくて済むので安く提供できるし、選び方さえ間違えなければたくさんのアイテムをグラスで出す事が出来るのです。 ドミナスで抜栓したワインは全て試飲しますが、翌日に持ち越したワインも必ず品質チェックします。 チェックに引っ掛かったワインは品種別に料理のソースやドレッシングに使います。

ドミナスのグラスワインには自信とプライドを持っていますので安心してお召し上がりください。

 

家庭で飲む時も同じことが言えて、安価なカリフォルニアワインでも3日間位は余裕で楽しむ事ができますし高価なものになると1週間以上平気なのもザラにあります。

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レストランで取り分けするときに使うスプーンとフォークはどうやって使うのですか?

お店の人が片手で器用に取り分けるのを見たことがあります。

 

スプーンとフォークのセットでサーバー(サービスの為の=供給する)と呼びます。通常はイタリアンとかでは少し大きいのが出てきます。

 

1、右利きの人は左手にスプーン、右手にフォークを持ちます。 両手で丁寧に盛り付けます。 ソースも忘れずにかけてあげましょう。 パスタの時はスプーンの上でクルクルと巻いてソースがたれないように

 

2、片手で持つときは業界用語でカニ手(ヨーロピアンスタイル)とジャポン(お箸を持つように)と2スタイルあります。ホテルによってはカニ手を禁止しているところもあります。

僕が高校生で配膳組合の出向パーティーのアルバイトをしていた頃、練習してカニ手が出来るようになったら、ニューオータニでは良くて全日空ではだめと言われてガッカリした事があります。

かなり古い話なので今はどうなっているか分かりませんが・・・

 

3、片手で持つスタイルの根本的な考え方はパーティーでは片手にお皿、片手にサーバーを持つ為にスマートの見せるためにやむを得ず使用します。

最近あまり見なくなりましたが昔は結婚式の披露宴のフレンチの食事はプラッター(銀の大きな盛り付け皿)にカットしてあるガルニやメインを座ったお客様の目の前で盛り付けるスタイルでした。

 

4、その流れでサーバーの技術があるわけですが、高校時代のアルバイトの時、サーバーが出来るようになったら時給がいきなり70円位上がった記憶があります。

当時ラーメン屋のバイトの友人が時給330円の頃僕は690円もらっていてうらやましがられました。あの頃はホテルも景気が良かったのですが・・・

 

5、話が飛びましたがサーバーは片手しか使えない時というのが前提になっています。従ってお客の立場で座って回りに取り分ける時は両手の方がきれいだし、確実ですし、片手を遊ばした状態で片手で盛り付けるのはマナー的にも良くなく、『両手が使えるのだから、ずぼらしないで片手でやるな!』という事になります。

 

6、ドミナスでも片手で器用に盛り付けるお客もいますがスパゲティ等を片手で持つとどうしても高く手を上げなければならず、結果ベチャとした盛り付けになるしソースが回りに跳びはねてしまいます。

 

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テーブルに座るときよく握りこぶし一つ空けて背筋を伸ばして座りましょうと言われますが狭すぎるような気がします。これは昔のテーブルマナーですか?

物事には全て表と裏、本音と立て前があります。レストラン業界に長く居るといろいろな話を聞きます。ここは整理して書いてみましょう。

(表の意味合い)

お客様側から見た場合:きちっとして見えますのでそれは正しいです。

レストラン側から:同じラインが並ぶので全体できれいに見えるので店内の雰囲気が良いです

 

(裏の意味合い)

お客様側から見た場合:テーブルクロスを引いてあればその位置に座ることにより足を広げても回りの誰にも気づかれないのでリラックスして食べられます

レストラン側から:前の方に座ってもらえると後ろのスペースが空いてサービスしやすい

 

・・・基本的にレストランのテーブルマナーや備品など女性のお客様の為に存在する様な気がします。

 

テーブルクロス

女性が足元を多少崩しても、ばれない様に薄暗い照明で料理をスポットライトで照らす

女性が酔って顔が赤くなったり時間の経過と共に落ちて来た化粧をカバーして美しく見せます

 

シャンパンの泡抜き機

女性のゲップを予防します

 

・・・等などそういう話がいっぱいあります。

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古いワインを抜栓しようとしたら、ちょっと触った瞬間にボトルの中に落ちてしまいました。こんな時にはどうやって空けるのですか?

 

古酒のワインを空ける時にはよくあることで、ユルユルになっていたのですね。抜栓が難しい2つのパターンのうち1つです。

 

〈コルクが落ちたとき〉

1、コルクキャッチャーで拾い上げる

2、ワインロートを使いデカンタージュする。

・・・いずれかの方法が簡単です。

 

〈A 一般家庭用・簡単な抜栓方法〉

用意する物 :パニエ・千枚通し(先の尖った堅い物)

GITANOコルク抜き(588)

1、パニエに静かにワインを移す

2、シールキャップをゆっくりと全部切りはがして濡れぶきんでよく拭く3、瓶を寝かせた状態で下方向(テーブル)へ慎重にコルクに千枚通しを刺すように押し付ける

※瓶のガラスの口部分の下方向に押し付けるととりあえずコルクは瓶口に密着した状態で安定します

3、そっとコルク抜きを差し込み、ゆっくりと抜く

 

※この時、千枚通しを押す力が弱いと中に入ってしまいます

 

〈B プロ用・何が何でもソムリエナイフで抜きたい人用〉

用意する物:パニエ・鉄串(あまり太くなくて簡単に手で曲がってなおかつしっかりしたもの)2本・ソムリエナイフ

1、パニエに静かにワインを移す

2、シールキャップをゆっくりと全部切りはがして濡れぶきんでよく拭く

3、瓶を寝かせた状態でコルクを触った瞬間にヤバイと思ったらまず鉄串1本をAの要領でコルクに押し付け安定させた後もう1本を口の上方向のすきまに差し込みます。

4、差し込んだ鉄串を下に押し付けながらもう1本の鉄串を左の隙間に差し込みます

53の鉄串をジワーとずらして右横にもって来ます

(瓶口の正面から見ると左右に鉄串が平行に入った状態になります)

6、コルクを鉄串2本でしっかり握った状態で鉄串を折り曲げてソムリエナイフで抜栓します。

 

※普通に引っこ抜けばいいような気もしますがお客様の目の前でオールドヴィンテージを空けるのに色気がないのもどうかと思うのでドミナスではこのようにして空けるよう指導しています。

 

次回はもう一つのパターンのコルクが瓶にへばり付いて且つ中身がボロボロでソムリエナイフを入れても真ん中に穴が空くだけのどうしようも無いときのテクニックをそっと教えます!

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古いワインを抜栓しようとしたらコルクの中身がボロボロでソムリエナイフのスクリューを差し込んでもスカスカになっていて、中央に穴が空くだけでコルクの回りは瓶にこびりついています。

こんな時にはどうやって空けるのですか?

古酒のワインを空ける時にはよくあることでコルクが乾燥して中身がボロボロになっていたのですね。抜栓が難しい2つのパターンのうち1つです。

こんなにボロボロでもワインの状態は素晴らしい時もあります。あきらめないで頑張りましょう!

 

〈A 一般家庭用・簡単な抜栓方法〉

用意する物 :パニエ・ソムリエナイフ・デカンター・(ワインロート)

 

1、パニエに静かにワインを移す

2、シールキャップをゆっくりと全部切りはがして濡れぶきんでよく拭く

3、瓶を寝かせた状態でソムリエナイフをゆっくり差し込みボロボロのコルクのまま、何度もコルクスクリューの部分を入れて中身だけほじくる。ソムリエナイフを抜く度にきれいにコルクを拭く

4、穴が空いた所にコルクスクリューを差し込み瓶の中に落ちないように慎重にかき出す。

5、コルクの屑が多少入ってしまうのでワインロートを使いデカンタージュする。

 

〈B プロ用

基本的にAと同じですが、以下を注意します。

1、極力、中にコルクの屑を落とさないこと

2、ワインロートを使いデカンタージュすると品質が微妙に変わるのでワインロート(漉し器)は使えません。

3、デカンタージュはゆっくりして、浮いたコルクをデカンターのガラスの上の部分にへばり付かせるようにしてくっついてない部分からグラスに注ぎます。

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吹いたワインは飲めるのですか?

吹いたワインは買ってはいけないのではないですか?

なぜ、吹くのですか?

吹いてすぐならOKならばいつまでOKなのですか?

普通に書くとすごく長くなるので簡潔に書きます。

 

『吹く』・・温度変化・気圧変化により中身が膨張して水分の分子は酸素より小さい為にワインの中の水分がコルクとガラス瓶の接触面から漏れたもの。

吹く事によりコルクにバイパスが発生して密閉されていない状態になるために、酸化・熟成が進み劣化していく。

従ってバイパスの大きさ、ワインの酸味、渋み、アルコール度数によって飲めなくなるまでの時期は千差万別だが吹いた直後

に悪くなる事はあり得ない。

(僕が過去吹いたワインに関わった事例)

 

1、代理店から大急ぎで取り寄せた時、航空便を使って1ケース全部吹いていた(気圧が変わると吹きやすくなる)

2、ランチタイムが終わった後、節約の為に冷房を切って休憩中にクール宅急便でワインが納品されて、休憩が終わって(30分)片付けようとしたら吹いていた。リーファー便15度以下配送)ならOKだった。

(何度に上がったら吹くというより温度差によって吹きやすくなる)

これと同じような話でカリフォルニアをレンタカーで旅行中にワイナリー巡りの間、車のトランクに入れていたら、ちょっとの間に吹いていたという話はよく聞きます。

3、梅雨どきに少しずつ温度が上がるのならある程度大丈夫だと思ってドミナスの棚に常温で並べていたら連休中に吹いたのと吹いてないのがあった。

(残留糖度が高いワインや濃度の濃いワインは吹きやすい。ジンファンデル、デザートワインなどより注意が必要。ボルドーワインとブルゴーニュを比べるとブルゴーニュの方が吹きやすい)

470年代のワインを空けていてシールキャップの裏にちょっとだけ吹いた形跡があったけど美味しかった

(いつ吹いたのかはわからないけど乾いていたので相当前と推測されるが、吹く量によっても劣化のスピードは異なる)

550年代や60年代の古いワインで液面がすごく減っていても(肩口)吹いた跡がないのも多い

(量が少ないから吹いていると決めるのは早合点)

6、同じように古いワインを空けていて黒ずんだワインは漏れた跡があることが、多いが漏れた形跡がないのもある。

(黒ずんでいるという事はバクテリアに犯されているという事でその場合、そのコルクを薄切りにすると、どこかの面にワインの筋が入っている)

(吹いてなくても黒ずんだワインという事はバイパスができており、虫が食べた場合や長年の時間のなかで少しずつ出来た場合、初めからある場合が考えられ、吹いてないから大丈夫とは限らない)

7、持ち込みワインで同じボルドーワインを2本空けた時、1本は吹いていてもう1本は正常だったが、吹いている方が香り、味わい共にはるかに美味しかった

(吹いて飲み頃が早く迎えられたと推測されます)

似たような話でイタリアのレストランでワインの温度管理を変えて、吹く寸前まで膨張させて意図的に熟成を早め飲み頃を早くするという話を聞いた事があります。フランスでは聞きませんが・・・・ワインにとって、善し悪しは別として今を少しでも美味しく飲ませたいというお店の気持ちは街場のソムリエに通じるものがあってちょっとだけ共感できます。(恐れ多い気もしますが・・)

 

以上をまとめると、『吹いたワイン』だから商品価値はない!というのは、違っていると思います。それよりもちょっとした事で吹くのだから、割り切って『吹いたものはしょうがない、少しでも美味しいうちに飲まなくっちゃ』と思わないとワインが可哀想だと思います。

 

従って購入目的によっては『吹いたワイン』はアリだと思います。

重要な事は素性がはっきりしているかという事が問題です。

 

『吹いたワイン』の見分け方

a,キャップシールはクルクル回るか?

b,液面は減っていないか?

c,ワインは濁っていないか?

d,ラベルにたれた跡はないか?

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ワインセラーは持っていますが正しい管理方法を教えてください。

かなり難しい質問ですが、業界の友人・知人からの情報と過去のキャリアの中で培ってきた現場のソムリエしての意見を書きます。

 

1、長期熟成を目的としたワインにとって理想的な環境

温度:13 (ワインの仕上がりにもよりますが、目安として普通は35℃位から吹きます)

湿度:80%(コルクの質にもよりますが、目安として50%を下回ると乾燥してショボショボのコルクに変わって行きます。 当然、空気のバイパスが出来て酸化して行きます。高い分には良いみたいですが、ラベルがボロボロになるから、何とかならないかと聞いた事があります。)

振動: 無し (振動はワインの大敵で特にデリケートなブルゴーニュワインは1年で完全に味が変わっていたと聞いた事が

あります)

光り: 無し  (暗ければ暗い程良いようです)

 

2、自分のワインセラーでの対応方法

 

1、温湿計で全ての棚のデータを取ります。

2、理想的環境により近い場所順に長期熟成順に置きます。 同じ条件だったら上にボルドー、下にブルゴーニュを置いてください。

3、夏場と冬場では当然、湿度が変わって来ますから霧吹きに水を入れて定期的に全体に噴いてあげます。

4、特に大事なワインは色付きの和紙で巻いてあげます。 霧吹きをかける時は和紙に吹き付けます。

5、空けた時にラベルを取りたい方はラベルにラベルコレクターのシールの部分を貼って、口元を除いて瓶の回りにサランラップをかけます。 ダイヤラップのようにちょっと厚めの方が良いです。

(これをしないとラベルがボロボロになる事があります。直接ラップをかけるとラップをはがした時にラベルの字がついて来る事があります)

 

3、ワインを育む

ここまでやるとワインが本当に可愛くなってきます。科学的な根拠はなにもないけど、そうすることにより、瓶差や輸送差のはずれも引きにくくなって、熟成もより美味しく順調に進むような気がします。例えば、銀・金婚式用の乾杯ワインや子供の成人式のお祝い用など大事なワインは込められた思いがワインを育てるような気がします。

 

4、ワインセラーのお薦め

予算・スペース・使用目的・設置場所によってなんとも言えません。

レアワインハウスではセラーの品質がお薦め出来るものしか、おいていませんので、うちで取り扱ってないのメーカーのもたくさんあります。  やっぱり大事なのはワインに対する愛情ですよね!

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2004年ですが、ワインショップで売っているワインは白が大体2002年で、赤が2000年か2001年ですが、何故そんなに古くなるのですか?

最近、プロレベルの質問が多かったのでこの手の質問はホッとします。

簡単に書くと

1、まずブドウの収穫時期は白ブドウが9月で黒ブドウが10月位です。

2、そこから圧搾から醸造まで1ヶ月から2ヶ月以上かかります。

3、この時点で既に年が変わっていることが多いです。

4、そこから熟成に入ります。一般に濃くて重いワインは白も赤も樽熟成を長くします。

5、赤の方が長く、多いものでは24ヶ月熟成もザラです。

6、従って2000年に収穫されたブドウは2004年の始めまで熟成され今度は瓶に移されて瓶内熟成を経て出荷されます。

7、要は出荷時期の違いは樽熟成と瓶内熟成の期間の違い、それと決定的な事はワインメーカーがそのワインを何時出すかという判断基準によります。

 

     ワインは古ければ良いというものでも、新しければ良いというものでもありません。

品種・造り・保管などなど条件によって何とも言えません。

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暑い時期になって来てワインの配送には気を使います。

この時期はやっぱりクール宅急便を指定しないといけないのですか?

なにげに難しい質問です。レストランでもよく、同じ質問を受けるので少し詳しく書きます。これはあくまでも個人的私見です。

 

1,クール宅急便の必要性

目的は吹かない状態でワインを受け取るためです。

 

2,吹くとワインの変化は

a,バイパス(空気の通り道)が出来て熟成・劣化が進みます。

(保存目的で購入した場合、飲み頃の判断基準がつきません)

b,飲む量が減ります。

c,一度吹いたワインはより吹き易くなります。

 

3,クール宅急便の注意点

a,不在配達表で何日も運送会社に預けたままにすると冷蔵庫に入りっ放しになるので早いものでは1週間立たずに酒石がでて品質が大きく変わるだけでなく、酸が落ちて熟成に耐えれなくなります。特に白ワインのグランヴァンは危険です。

b,ワインは温度差に弱いです。ゆっくり温度が上がれば室温30℃を越えても吹くとは限りませんが冷蔵されて届いたワインが30分で吹いて悲しい思いをしたことがレストランで何度かあります。

クール宅急便で届いたら

1、ワインセラーにすぐ入れるか、

2、冷房の効いた部屋に置くか、

3、氷水に浸けて氷が溶けて水温が常温になるまでほって置くか、

4、夜間指定にして、なるべく涼しい部屋に置くか

・・・この4つのいずれかです。

c,ラベルがベコベコになる事があります。

レストランでインポーターから引く時はリーファー便(15℃)が多いのでそんな事はないのですがクール宅急便だと温度差でこうなる事もあります。

対策としては届いたらすぐにラベルを拭く、セラーに入れたら半日くらいしてまた拭く、これだけで大分回復すると思います。どうしても、ラベルをきれいにという方はレストランまで取りに来て戴ければそこで渡す事も可能です。

 

TPOで配送方法は選ぶ)

a,保存目的で購入する場合

クール宅急便で購入して上記注意点をクリアーする。

b,デイリーワイン(普段飲み)

12カ月で飲み切る場合はクール宅急便の必要性は感じません。

普通便とはいえ、炎天下に外で放置される事はまずないですし、通常ダンボールに入ってますので吹かない事も多分にあります。又、吹いたところであまり気にしなくていいです。

もっと大事な事は美味しい温度で飲んであげることです。

c,贈答用

外を長時間歩いたり、車中に置いていて吹く事があります。

大事な事は基本的に30℃を越えないように気を使ってあげる事と極端な温度差はタブーだという事です。

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野外キャンプが好きな私には楽しみな夏がやってきました。

キャンプ場で楽しむワインの選び方と飲み方を教えてください?

白はカリフォルニアのシャルドネの樽が効いたタイプ、赤は濃厚なジンファンデルが圧倒的にお薦めです。

 

〈カリフォルニアを選ぶ理由〉

1、気取らずに難しい事を考えずにガブガブ飲める

2、バーベキューと焼きそばに相性が良い

3、温度管理(美味しい温度)が楽

4、仏ワインに比べて頑丈なので多少揺らしてもリスクが少ない

 

〈シャルドネ〉

1、とにかくキンキンに冷やしてOK

(仏の上質なシャルドネだと10~12℃と通常より高めでデリケートなので野外だと難しい)

2、特に樽が効いたスモークの香や濃厚な果実味がバーベキューの炭火焼きにピッタリ!スモークチップを入れるとよりピッタリ!

 

お手頃なお薦めワイン

コスタデオロ シャルドネ '02           2520

ケイマス コンドラム '02               2940

ネイヤーズ シャルドネ ナパ '01       3360

メルソレイユ シャルドネ '01           4788

 

〈ジンファンデル〉

1、アルコール度数15%を越えるワインがたくさんあり、アルコール度数が高いと比例してパワフルで炭火焼きの肉料理にも負けない

2、全てのワイン品種の中で果実の濃縮感が最も強く万人向3、濃くてアルコール度数が高いので氷を入れて飲んでも美味しく、ワイ ン好きからアルコールの苦手な方までキャパが広い

 

お手頃なお薦めワイン

ラビットリッジ ジンファンデル '00       1596

マットリンチ ジンファンデル '01        2520

キュベソン ジンファンデル '00         3360

フロッグスリープ ジンファンデル '01    3696

 

・・・楽しいキャンプになるといいですね。

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レストランに行く時は大体主人と2人で行きますが、ボトル1本で丁度良い量なので初めから最後までボトル1本で通します。

料理によってはワインと相性が良いのも合わないのもあります。

どうやって頼むとスムーズに運べて相性も楽しめますか?

レストランの場合2つのパターンが想定されます。

 

a,アラカルトやプリフィックスコース、つまり自分で食べたい料理を頼む場合(内容で選ぶ)

この場合はワインを先に決めて相性の良い料理をソムリエに聞いてお薦めされた料理の中から選びます。

食べたい料理が先に決まっている場合はグラスワインにしてソムリエに相談すると良いと思います。

b,決まった内容のコースを頼む場合(価格・スムーズさで選ぶ)

この場合は通常の(ワインを愛する)レストランであれば事前に想定された料理構成になっています。

大体フルコースであれば1杯目をグラスでシャンパンか白ワインを飲んで(1皿目に合わせる)その後赤ワインをボトルで1本(2皿目以降)でチーズまで行く事が想定されているのです。

従って、コースを頼んでおまかせの赤ワイン1本と言えば相性の良いワインをある程度価格別にお薦めしてくれるのがソムリエの仕事で言い換えるとその店のレベルを見ることになります。

料理がいくら美味しくても一緒に飲んでいるワインに合わなければどっちも可哀想なのでレストランに於いていかにソムリエの存在が重要かという事ですね。

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レアワインハウスで買ったので同じワインの筈ですが、ドミナスで飲むワインの味と自宅で飲む味が違うのは何故ですか?

これは先日、レストランでお客様に言われた事です。

 

1、温度

ドミナスでは保管温度を微妙に変えております。料理によってはデカンタージュによって温度を調整します。

2〜3度でもつぼにはまると随分味わいが変わります

 

2、料理

例えば、ビネガーが効いたサラダを食べながら白ワインを飲むと白ワインの果実味が浮き出ます。

お薦めの中から選んで戴けるとマリアージュが楽しめる構成になっています。

 

3、グラス

品種や味わいによって形状が変わります。基本的にデカイ方が旨いです

 

4、雰囲気

まあ、これもあるでしょう。

 

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夏バテなのか、食欲はわかず、アルコールもビールばかりです。

夏場に美味しいワインのチョイスは?

個人的にも夏はやっぱり白ワインが美味しいです。それもキンキンに冷やして香りが立つような、カリフォルニアの白ですね。 (シャルドネ)

香り:トップノーズ(グラスを回す前の香り)は蜂蜜レモンのような爽やかな香り、グラスを回すと南国フルーツの香り(パイナップル、パッションフルーツ等)と燻製の煙りの樽の香りがベストです。

味わい:食べる料理にもよりますが、あっさり食べる時は軽目のワイン焼き肉などスタミナを付けたい時はしっかりした重目のワインを選びます。

価格:安くて十分美味しいのがごろごろしています。

 

或いは、軽い甘さが残る、ゲヴェルツトラミネール種はライチの華やかな香りで疲れた時やストレスが溜まった時に落ち着きます。

 

又はヴィオニエ種、キンモクセイの爽やかな香りも良いです。最初の香りがアリナミンのようなビタミンの香りがする時はグラスをガンガン回してその香りが飛んでから美味しくなります。

 

赤ワインはそれこそ嗜好と食べる料理によりますが、若いグランヴァンは敬遠します。僕は軽い甘みのあるジンファンデルか濃いけど後まで続かないシラー種を好みます。酸味が好きな方はサンジョベーゼ種やミディアムボディのカベルネ系が宜しいと思います。従って記念日は夏こそオールドヴィンテージという考えはありです。アルコールも弱くなっているし、なによりスムーズで深いです。

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卵とワインは相性が悪いと書いてあったのですが何故ですか?

普通に食べていてそれなりに美味しいのですが・・・

多分卵は卵でも魚卵だと思います。かずのこやいくらなどは生臭みが強くなるのでアルコール度数の低いワインは合わないのです。

特にフランスの11.5℃〜12.5℃位の端麗な例えばシャブリのようなワインは確かに鼻につきます。

対応策としては

1、サファイアヒル シャルドネのような、ALC 15.4%とか度数の高いワインを飲む

2、レイトハーベストなどコッテリ甘口のデザートワインを飲む

3、スパークリングワイン、特に発泡が強いのが相性が良いです

4、魚卵料理を生臭くないように調理する。

例えば、ペペロンチーノ スパゲティにいくらを使う場合上に乗せるの

ではなく、パスタをからめる時に少し(霜降り程度)に火を入れる

 

☆普通の考えるとやっぱりシャンパンですよね。赤ワインには合いません

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暑いですね。外食する気力もなく、ワインと言えばもっぱら自宅で白ワインを飲んでいます。
夏バテ防止にお肉と白ワインを楽しみたいのですが、美味しい組み合わせのセオリーはありますか?

肉料理と白ワインの基本(スーパーで売っているものを基本に考えます)

 

a,サラダ(ボイルやソテーをあっさりサラダに和えた)

ワインに合わせてドレッシングを選びます

基本は1に酸味です。酸がしっかりしたもの、ソーヴィニヨンブランや軽いタッチのシャルドネなどはあっさりビネガー系、ワインにコクが加わるとゴマドレやマヨネーズ系に適します。

鶏肉のさいたものや豚肉の冷シャブなどは何にでも良く合います。

 

b,たたき(地鶏、牛)

ポン酢だと酸味のしっかりしたワインをわさび醤油だとコクのある重めのワインを。

定番はシャルドネやヴィオニエの重めです。

 

c,パスタ

ペペロンチーノ・・酸味しっかりドライな軽やかなタイプ

クリームソース・・コクのあるドッシリしたタイプ

和風醤油ベース・・酸味のきれいな飲み口がスムーズなタイプ

 

コツはニンニクには酸味、香草にはスパイシーな品種(ゲヴェルツやヴィオニエ)、粘度にはねばりけのある濃厚なワインで合わせます。

 

d,網焼き・ソテー・煮込み

素材とソースによります。酸味のあるソースには酸味のあるワイン、重いソースには重いワイン、というように味わいでかぶる部分で合わせるか全く反対の路線で合わせます。
例えばピリ辛料理に軽い甘口や苦瓜に端麗辛口で特徴がないスッキリしたワイン等

 

鶏/豚・・・元々、赤ワインより白ワインの方が相性が良いとされています。コクのあるシャルドネは定番です。

    ・・・シンプルな調理方法、グリルで脂を落としてわさび醤油であっさり食べる等が濃いシャルドネには良く合います。

子羊  ・・・羊肉はクセがあるのでクセがある個性的且つコクがあるワインが相性が良いです。ヴィオニエや南仏の
マルサンヌ等

    ・・・鴨も個性がはっきりしたワインが良いです。

個人的にはゲヴェルツがお薦めです。

 

あと23カ月は暑い日が続くでしょうから、食生活には本当に気をつけないといけないなあとつくづく思います。

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ハワイの知人の家に遊びに行ったときワインを急に冷やせて便利なも

のを見つけ、空港で30$位で買った記憶があるのですが東京に戻って探しても見つかりません。だから探して!

見つけました!こんな商品です。

ラピットアイス ワインクーラー 定価 1500(だいぶ、安く上がりました)

(使用方法)

1,冷凍庫に入れて冷やしておく

2,冷やしたいワインやビールにカパッとかぶせる

3,5分で冷える

 

(検証)

1,室温28℃に置いていたロゼワイン(ソコールブロッサー ピノノワール)にラビットアイスを24時間冷凍庫に入れて被せました

2,5分で12℃位まで下がり10分で10℃を割る位になりました

3,それ以降は下がりませんでした。でも温度が上がりもしなかったです。

24時間では足りない!もう少しガチガチに冷やす

☆もう1個あればOK?

 

(Bestな使い方)

1,ワインセラーに保管してある白ワインを急に飲みたい時

☆ワインクーラーの準備がいらないし片付けも楽

☆水をふき取る作業がいらない

 

2,常温で保管している赤ワインを適温に冷やす、この時期でも510分位で美味しく飲めます

 

3,テーブル上で温度が上がりすぎて困る飲み物に使えます。

☆ワイン・ビール・ジュースなど

 

2個あればスペアも含めて十分だと思います。野外でのバーベキューなどもガチガチに冷やして保冷剤とともにクーラーボックスに入れて持って行くかなり重宝だと思います。

 

白ワインは、冷蔵庫保管出来ない(石がでて酸味がなくなって美味しくなくなるから)と常々言っておりましたがこれなら飲みたい時に飲めるから便利ですね。勉強になりました。教えて戴いてありがとうございました

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レアワインハウスで買ったラピットアイスは大変重宝しております。

食欲が出ないので夕飯にそうめんと白ワインであっさり済ます事が多

いのでそうめんのダシを造って1Lのペットボトルに入れてラピットアイスで冷やして食べます。不思議なことに自宅で造った方がちょっと高価な出来合いのダシを買うより子供たちも喜んで食べます。

ワインに合うダシの造り方があれば教えてください。

なにげに深い質問です。自宅で造った方が子供たちが喜ぶのは多分、いわゆる『おふくろの味』です。分解すると基本的調味料の慣れ親しんだ味、つまりこの場合は醤油の味だと思います。今時はスーパーでも三杯酢や天だし、そうめんだし等何でも出来上がっているものが売ってあって手軽なのですが、メーカー別に味噌や醤油、ミリンなど使っているものが当然違います。だから今度のタレはこれで次回はコレとか買っているとおふくろの味はニュアンスの違うものになると思います。

昔はそんなのは売っているはずもなく、どの家庭も醤油や味噌はこのメーカーと決めていたのでその材料で造る料理は一貫性があったのです。便利になった反面すたれていく文化のような気がしてちょっと寂しいすね。

 

ワインに合うダシはともかく昔、和食で板場をやっている頃覚えた基本

のダシを教えます。簡単なので造ってみてください。

 

1,基本はシッピンピン(411)

これはダシ汁(お湯に本だしを入れても可)4に対して濃い口1、ミリン1を一煮立ちさせたものです。おたまで計って入れます。

適応:そうめん、天だし、丼物のだしと何でも使えます。

 

2,美味しいそうめんだし

干しシイタケをぬるま湯で戻しておきます。戻したシイタケは細く切って鍋に入れます。戻したぬるま湯を上記のダシの変わりに使用して(本だしは入れた方が良い)濃い口醤油とミリン、しいたけをまとめて一煮立ちさせれば出来上がりです。

 

福岡では味付けはかなり甘口になります。丼のときは更に砂糖を1入れます

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レストランでコースを頼むとお魚料理の時に赤ワインを飲んでいるので今一つ合いません。どうやったら良いですか?

一番手っ取り早いのは事前にお店の人に言うことです。

「お魚料理の時にも赤ワインを飲みたいのですが、この料理で大丈夫ですか?」と聞けば以下のような答えが返ってくると思います。

 

,大丈夫ですよ。この料理は白にも赤にも合うように工夫されていますから・・

,では、赤ワインにも合うようにソースを変えましょう。どんなワインを飲みますか?

c,そのワインだと料理自体に無理がありますよね。シェフにおまかせで宜しければ変更いたしましょう。

 

ドミナスではこんな感じでお答えしています。大切なお客様をご招待するような時は事前予約の時に予算と飲むワインも決めておくとスマートに行きます。

マリアージュの基本の魚料理とワインの相性は次のようになります。

 

ピノノワール・サンジョベーゼ:鯛や甲殻類に良く合います。ポイントはワインの酸  味と濃さで酸味のしっかりしたワインの場合は軽い酸味があるソースでも良いですが果実味の濃いワインには合いません。

 

メルロ・カベルネ:淡泊な味わいのスズキやあいよりなどは合いません。ソースも酸味を抑えた赤ワインソースやエビのソースなどしっかりしたソースに相性が良いです。イカスミのソースは結構万能ソースです。

 

もう一つのポイントは渋みの強くて濃いワインほど塩味をきつく感じる傾向があります。

ご自宅でのマリアージュの参考になれば幸いです。

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家庭に於ける飲み方でフランスワインとニューワールドのワインの違いを教えて下さい

まず、カリフォルニアワインをニューワールドと捉えるとして違いを整理してみましょう。

 

☆白ワインの違い(シャルドネ)

フランス

色調 ・・・・一部ブルゴーニュやロワールの樽がしっかり効いたタイプを除いて全般的に透明感が強く澄んでいる、美しい

香り  ・・・・複雑で香りの変化も楽しめる

味わい・・・・繊細・デリケート・上品・酸味がきれいで果実味とのバランスが良い、濃い薄いに係わらず飲み口がスッキリ

アルコール度数・・11%〜12.5%位が多い

供出温度・・・8℃〜10℃ 上級のコルトンシャルルマーニュ等になると18℃位で最も美味しいのも多い

料理・・・・・ワインのレベルにもよるが料理は相性がより重要になる。デリケートなワインにデリケートな料理など

 

カリフォルニア

色調  ・・・・濃い、ゴールド

香り  ・・・・樽、バニラ、燻製の煙りなどインパクトが強い

味わい・・・・パワフル、濃い、バターリック&クリーミー

アルコール度数・・13%〜14.5% フランスに比較するとかなり高めでものによっては15%を越えるものもある。

アルコール度数がたった1の違いでも飲んだ時のインパクトはかなり違います

供出温度・・・5℃〜8℃ かなり高価なワインでも10℃を越えて美味しいのは稀、普通温度が上がるに従ってベタベタしてきます。

料理・・・・・あまりこだわらないでセオリーに準じていればなんでもいける。焼き肉、すき焼き、バーベキュー何でも来い

 

☆赤ワインの違い(カベルネソーヴィニヨン)

フランス

色調  ・・・・飲み頃を追いかけると茶褐色のワインや色の薄いのが多い、若いタイプのワインで濃いタイプのワインでも透明

感があり、きれいな濃いルビー色が多い

香り  ・・・・熟成してなんぼという考え方も出来て、腐葉土や苔むした香り、若いタイプはピーマンの香りやほこりっぽい

味わい・・・・繊細、デリケート、上品、酸味と渋みと果実のバランスが重要視される。濃くてパワフルなタイプでも傾向は同じで、飲み終わる最後の一口が一番美味しいのはよくある話でデカンタージュなどしても堅くてどうしようもない事が多い

アルコール度数・・1213%位が多い

供出温度・・・18℃〜20℃位で20℃を越えて美味しいのは稀(酸味に起因すると思います)

料理・・・・・白ワイン同様、やっぱり気を使ってあげないと真価は発揮できない。料理が強すぎるとワインが負けてもの足りない印象を持つ事がある

 

 

カリフォルニア

色調・・・・・上級クラスは特に黒に近い、光りを通さないほどの濃い紫という表現が多い

香り・・・・・スモーク(99年以降、若干スモークの香りの傾向は弱くなっている、聞いた話ではスモークの香りが強いとヘタクソと言われる風潮があるようです)ジャムのような濃縮した果実の香りやチョコレートの残り香がする

味わい・・・・ターニック(元々、カリフォルニアのスタイルは渋みが強くてアルコール度数も高いのを濃い果実味でガンガン飲ませる)濃い、重い、パワフル

アルコール度数・・13.5%〜14.8%が多く15%を越えるものもある。フランスワインで15%を越えたワインはまだお目にかかった事がありません

供出温度・・・18℃〜22℃、キャバシティが広く22℃を越えても美味しいのがゴロゴロしている

料理・・・・・白ワイン同様あまりこだわらない

 

以上を家庭の飲み方でまとまると、

(シチュエーション)

A,家庭で(2人だけで)とっておきの記念日。 じっくり飲みたい、ゆっくり飲みたい、乾いた関係で話す事は少ないが記念日は重要

フランスワイン・・・ワインの話で場が盛り上がります

 

B,ワインだけ、せいぜいつまみはチーズ位という場合 

フランスワインの上級

 

C,カジュアルにパーティー・お客様を招いて、お話しに熱中したい、好きなものをバリバリ食べたい、食べながら楽しみたい方

カリフォルニアワイン

・・・・という事になります。

※Cをフランスワインで追いかける時は南仏がお薦めです。

リーズナブルで濃くて分かりやすい、ストレートな味わいが多いです。

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結婚した年が1999年で娘が生まれたのが2001年です。99年物の25年、50年後に飲むワインを探しています。結婚が遅かったので金婚式の時は90歳になっています。どのようなワインを買ったら良いですか?

まず、90歳で生きているかどうかも微妙ですが、20年前の寿命と今の寿命が大きく伸びた事を考えると45年後は普通に食事を楽しんでいるかも知れませんよね?

普通味覚は65歳を過ぎた頃から変わってきて、だんだん甘いものが美味しいと思うようになって来るそうです。味覚に限らず幼児化して来ると聞いています。

そこで今お薦めするなら、貴腐ワイン!これならきちんと選べば50年位はゆっくりと持つでしょうし、甘さが抜けていっても甘みは残っていて美味しく飲めると思いますよ。

銀婚式の2024年に飲むワインであれば普通にグランヴァンを買えばまず大丈夫でしょう。カリフォルニアよりフランスの方がお薦めでカリフォルニアは果実味が濃い年で今飲むには最高ですが、酸味が控えめなのでその頃飲むとぼけた味のワインが多いように思います。

狙い目はボルドーだとポムロル、ブルゴーニュの赤、ローヌの赤は特にお薦めです。

2001年ヴィンテージの飲む時期は娘の20歳の誕生日、成人式結婚式の前夜の3本がメインという事でしょうが、誕生日と成人式は普通に20年後が飲み頃のワインを探せば良いので結構何でもOKだと思います。

ボルドーやブルゴーニュのメジャー所で十分美味しく飲めると思います。フランスの2001年はそういう意味では最高の年で2000年程当たり年ではないけど、2002年ほど、弱くない。値段もお手頃で20年後と考えると最高の年です。

例えば2000年のシャトーラトゥールだと年が良すぎて20年の熟成で飲むにはもったいないと言う考え方が一般です。

結婚式の前夜の年は微妙で結婚が遅いかもしれない事を考えると極めて長持ちするワインと25年から30年持つワインの2本を隠し持ち(内緒で)結婚式の年に併せてさりげなく飲ませるのがお洒落です。

まさか、結婚しないと思って50年持つワインを買っておいたよとは言えないので・・・

そう考えるとカリフォルニアのカベルネのグランヴァンやボルドーで普通に結婚する用に押さえておいて、結婚しない時に40歳か50歳で空けるワインを1本押さえておけば良いと思います。自分の味覚の限界を感じたら空けましょう。となるとやっぱり、貴腐ワインかな

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最近、ヴィオデナミというワインを酒屋さんでよく見かけますが普通のワインとどう違うのですか?

とても難しくややこしい質問なので僕の主観のみでヴィオデナミ=バイオダイナミック細かく分解するとさらに理論的有機栽培とかいろいろあります。

要は体に優しく、本来の味わいを楽しむ事を目的としており、亜硫酸ガスや二酸化イオウなどを微量にしたり入れなかったりして、ブドウの栽培方法や農薬を使わない、収穫に至っては月の満ち欠けに合わせて満月の夜明けに収穫するとかいろいろあるようです。

僕らが飲んでどう違うかは微妙で造り手の意志や品質は何となく伝わるのですが・・・

 

先日、ヴィオデナミ特集の有料試飲会があって店長と2人で行った時の印象は

1、全体的にたくあんやぬか漬けのトップノーズ、回すと薄らいでいく

2、味わいは繊細できれいな造り

3、品質レベルと価格はついていってなくて高い

4、食事をしながら飲むワインというより、ワインのみを楽しむ

5、インパクトは弱く、奥深いものがある

6、主張が表面に出にくいワインで多分高級な和食に合わせると良い

 

こうやって書くとつまらないじゃないと思う方もいると思いますが、決してそうではなく、要は価値観の問題で、エスティマの様なワンボックスカーを愛する人もいれば、2シーターの古いイギリス車を好きな人もいると言うことで、ワインの文化も次世代に入り出した感覚さえ受けます。

 

とは言え、じゃあドミナスで使うかというと答えはNOで、カリフォルニア好きの僕の好みとは全くもって逆路線です。

その試飲会の案内役の竹下氏は10年以上の付き合いで『井手さんもそろそろこっちの世界においで』というニュアンスでしたがそっちに行くにはまだちょっと早い(若い?)かなー。

 

ちなみに僕が大好きなバイオダイナミックでナパのフロッグスリープというワイナリーがありますが、これはパワーがあってフードワインとして楽しめるので試飲会で飲んだフランス物とは一味違います。パカラなど確かに旨いのですが、高かったし・・・まあ、いろいろある訳です。

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僕は肉が好きで特に牛肉のステーキをおろし大根やわさびと醤油だけでシンプルに食べるのが好きです。でもワインは白ワインが好きです。

赤ワインが合うのは知っていますが白では合わないのですか?

レストランで頼むとソムリエに変な顔をされる時もあります。

マナー違反ですか?

そんな事はありませんよ!

ちなみに先月、娘の19歳の誕生お祝いに家族5人で原宿にあるバルバッコアというブラジル料理(牛肉メインのフリーフードの串焼き)に行ったときに僕が頼んだワインはアルザス(ヒューゲル)のゲベルツトラミネールでした。ボトルでこれしか飲んでないのですが牛肉も含めて全ての料理が美味しく戴けましたよ。

能書きばかりで偉そうな若いソムリエが鼻につくと言われるのはとても残念な事です。でもまあいろいろな人がいますから・・・気にしないで自分の好きなものを頼みましょう!

 

(牛肉に白ワインを合わせるコツ)

☆お薦めはゲヴェルツトラミネール種かヴィオニエ種です。

ゲヴェルツはライチの香りが特徴でわりと甘さが残っているのが多いのですが辛口好みの僕も妙に落ち着きます。何より香りが強いので肉臭いのを緩和してくれます。

ヴィオニエはキンモクセイの香りが特徴で甘口から辛口までいろいろありますがしっかりしたワインが多く牛肉にも力負けしません。

 

☆シャルドネ好きの方はフランスよりカリフォリニアがお薦めです。

フランスの特徴であるきれいな酸味と繊細でエレガントな造りは和食の赤身肉の料理とかでも微妙で焼きっぱなしのシンプル(野蛮?)料理には今一つ無理があります。

カリフォルニアの燻製の煙りと樽の香り、バターリック&クリーミーでキンキンに冷やさないとベタベタしつこいような味わいのパワフルなシャルドネが適していると思います。

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ワインを注文してソムリエさんがお味見をどうぞと言って少しだけグラスに入れてくれるのですが、どの店に行っても男性に注ぎます。

男性は女性()におごちそうしてくれる為にレストランに来ているのですから私に味見させるべきだと思うのですが?

私にワインが注がれて飲んだときにこんな味を望んではいなかったと言っても交換してもらえないのでしょ?

ちょっと『ミモフタモナイ』って感じはしますが・・・

まず、少しだけお味見をするのをホストテイスティングと言います。

 

目的は、

1,品質の劣化(ダメージ・ブショネ)
2,
お好みの温度(一般的な温度で供出される為に、もう少し冷えてた方が良いとか)

3,デカンタージュの有無(香りが閉じているとか、温度が低いとか)

・・・の確認をする、つまりお毒味役という訳です。

 

実際はホストテイスティングの前にソムリエがソムリエテイスティングする訳ですから1はありえない事なので23が対象になります。

従って基本的にはお金を払う人がお味見をするのでホストテイスティングと言う訳です

 

だから、ワインを選んだ時点で品質の劣化以外でワインを取り替える事はありません。
お好みの味じゃなかったからと言ってワインを取り替える場合は伝票にワイン代はしっかり加算されるのが普通です。

 

ホテルや街場のレストランに行ってワインリストを見たとき商品説明が書いてなくて産地と品名と価格しか書いてない事が多いのはその為でお客様によって味の捉え方が嗜好によって異なる為にヘタに書くと『こんな味だと書いてあったから注文したのに違うから取り替えて』とか言われるトラブルを避ける為でもあります。

ですから、ワインの説明がしっかり書いてあるワインリストのお店は、自信があるというより、少しでも分かりやすくしたいという気持ちの現れだと思うのでご配慮いただけたらと思います

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シラー種のワインが好きで良く飲みますがフランスとカリフォルニアとオーストラリアのシラーの違いはなんですか?

シラーは安くても美味しいのが多いです。簡単に書くと

 

フランス

品種・・シラーに別の品種も混ぜる事が多いです(グリナッシュ等)

色調・・薄いのから濃いのまでさまざまです

味わい・濃くても仕上がりが上品です。

臭い(かぐわしい)のが美味しいです。

 

カリフォルニア

品種・・シラー単一が多いです。シラーに別の品種も混ぜる事も多いけど比率は少ないです

色調・・光りを通さないほど黒に近くて濃い色が多いです

味わい・土っぽい香りでジャミーな味わいが多く熟成感を楽しめるタイプは少ないです。フルーティーでパワフルです。

 

オーストラリア

品種・・シラー単一が多いです。シラーに別の品種も混ぜる事も多いけど比率は少ないです\\

色調・・安くても濃いのが多いです

味わい・カリフォルニアに似た感じですが、よりリーズナブルでブラックペッパーの香りが強いのが多いです。
甘みが残ったワインが多いです。

オーストラリアといえばシラーです。安くてもおいしいのが多く、安いシラーはカリフルォニアのジンファンデルの価格帯
と何かかぶります。

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古いワインを購入する時の適正な値付けの見方を教えてください?

非常にシビアで難しいです。どんな買い方をしてもリスクゼロはあり得ない事で簡単な目安とコツだけ書いておきます。

 

 

直近リリースの価格との比較。 買いたいワインの今、売っている生産年の小売価格との比較です。

例えば

シャトー ムートンロートシルトを銘酒辞典で調べると

90年代の当たり年で  45,000円〜50,000円位

あまり良くない年で   30,000円〜35,000円位です。

 

僕が古いワインの判断基準をする時は信頼度などから海外酒販のリストを参考にしますが、

60年代の当たり年(6166)で 10万円〜12万円位

外れ年(6469)で           4万円〜 8万円位

 

普通はこんな感じで40年〜60年位が飲める限界みたいなところがあって味というよりロマンの価値観が高いのは言うまでもありませんが、まあ直近リリース価格の倍から2.5倍位が妥当だと思います。

 

ただ、代理店によって、善し悪しは別としていろいろな考え方があります

例えば

シャトー・ル・ピュイ の資料が手元にあります。

これは先日、ソムリエ協会経由で招待された時のもので何と以下のワインを垂直でフリーテイスティングするというものです。

随分勉強になりました。()は参考上代つまり小売価格です。

 

2002(5,000)20016,000)/20007,000

1999(6,400)/19987,600)/19969,000)/199514,500)/199021,000

1989( 30,000)198423,000)/1982(70,000)

1978( 34,000)1975(40,000) 1970(88,000)

1967( 70,000)1961(200,000)

1959(100,000)1955240,000

1949(196,000)1944(320,000)

1936360,000

 

これを見るとややこしいですがワインの値段の付け方の旧態然としたスタイルをかいま見る事ができます。

つまり小売5,000円のワインが36万円まで跳ね上がる訳です。72倍に上がるなどという事はオークションの世界で一般小売だとあまり見ません。3万円のムートンが216万円にはならないでしょう。じゃあ、この代理店が悪い代理店なのかというといちがいにそうとは言えず希少価値などを含めた価値観の問題が多くワイナリーの思い入れなどもあるように思います。

ここで我々が考えるべき事は古いワインを購入するときのシチエーョンを考え何とか生きている(飲める)、ワインを適正価格で買うことなので、事細かに相談できる酒屋さん(ワインを大好きで良く知っていてキャリアが長い)が必要になってきます。一番、リスクが少ないのは行きつけのレストランのソムリエに聞いて外れにくいワインの銘柄・生産年・代理店を聞いてそれと同じワインを酒屋さんに頼む事です。

 

ちなみに直近リリースと古酒の価格差が一番少ないのはロマネコンティです。

78年などは突出していますが、大体40万円から60万円位で70倍なんてのはありません。

・・・まあもともとが高いし飲める時期が25年以上寝かせてなんぼというように限られていますから・・・。

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先日、働いているレストランで常連さんからインシグニア99(3万円)

のご注文を受けました。お客様の要望は氷水に付けて冷やして飲みたいという事でしたので以下のように答えました。

「恐れ入ります。こちらのワインは大変濃くて渋みもしっかりしたワインになりますのでセラーから出した温度のままが美味しいと思いますが・・・」

すると、「では、こちらをください」と言ってフェッツアーのメルロ(5千円)をご注文になり冷やしてお飲みになりました。以来、定期的に来店はいただけるのですが、ワインは頼まれなくなりました。井手さんだったらどう答えますか?

これは今年のソムリエ試験合格者の男性からあった質問です。

実は僕もドミナスのオープン時に似たような事を言われてお客様を何度も逃がしています。若いソムリエ(古いソムリエも)には非常にありがちな大きな勘違いです。

 

答えは「かしこまりました」と言ってワインクーラーとデカンターを2個、ハロゲンライトをもって行きます。パニエに入れた方が良いでしょう。

 

1、インシグニアの99年だと間違いなくデカンタージュが必要です。

泡が立たない程度に普通にデカンタージュします。

以下の様なコメントで確認を取ります。

「こちらのインシグニアはカリフォルニアでもトップクラスのグランヴァンなので非常にしっかりしており、99年は果実の濃い出来上がりの当たり年ですので、5年前のワインとは言え、デカンタージュをお薦めいたしますが・・・」

 

2、もう一つのデカンターにもう一度半分のみデカンタージュします。以下の様なコメントで確認を取ります。

「お客様のお好みでお冷やしになりたいとの事なので、すぐに冷えるようにするのと今直ぐ美味しく飲めるように半分だけもう一度デカンタージュしましょう。」

 

(ここで温度を振り返ります。)

まず、セラーから出して15℃、デカンタージュ1回に付き2UPするからプラス4℃で19℃、冷やして飲みたいとは言ってもキンキンにする必要はこの時点ではない訳ですから12℃位で供出したい!

氷水に塩を入れたワインクーラーにデカンターを首まで浸けて1分間に1℃下がるので、約10分浸けて9℃、お客様のグラスに注いでプラス2℃、これで大体12℃である程度開いた状態でサービスできます。

 

310分間の場つなぎにはシャンパンを薦めます。

 

4、これで冷えたインシグニアが2.5杯分、常温(20℃)のインシグニアが2.5杯分になります。

 

5、普通このような手の込んだやり方をすると、お客様は喜んでくれますし、大体冷やしてない方も飲み比べます。

ここからが一番重要でさりげなく、会話の中で、お客様の一番美味しい温度を確認できたらしめた物です。

きっちり覚えて次ぎのご来店時の美味しいワインをお約束しましょう。

グラスに注いだ状態で15分間に1℃ずつ上がります。

 

6、注意点としては、しゃべりすぎない、あくまでもさりげなく! です。

 

ワインも食事も結局のところは嗜好品なのでお客様の好みを最優先する必要があると思います。

冷やすと渋くて美味しくなくなるというのは自分の考え方です。より渋いワインが好きな方がいるかも知れません。

言い方にもよるのでしょが、知識や教養はひけらかす事によりソムリエ御前と言われ、生意気に映ります。

お客様にどうやって飲んだら美味しいですか?と聞かれたのであればそれで良いのですが、冷やしてくれと言ったら冷やさないといけません。例えば、この赤ワインに氷を入れてと言われたらそれはアリです。なぜかと言うと、濃すぎて重いので氷を入れたいと思うことも有るでしょう。実際10年以上前にカリフォルニアのジンファンデルを飲んでいる時は普通に氷を入れていました。

同じ理由で料理の皿チェンジ・シェアもアリです。

例えばペペロンチーノを食べているお客様に粉チーズと言われたらもって行きます。エスプレッソにミルクといわれても同じです。

 

食文化をお客様に啓蒙という反論もあるでしょうが、それはとても微妙で大きなお世話に映ることが非常に多いです。

また、これだけ情報が氾濫している時代なので年長者に若輩ソムリエが啓蒙などとおこごましいと思ってください。

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贈答用にワインや食品をデパートで買うと、万一の事(食中毒や異物混入)があっても保険に入っているから大丈夫ですよ、とデパートの人に言われて定価で買っていました。お宅のお店で買った場合は安いのは分かるのですがもし、万一の事があった場合はどうなるのですか?

デパートと全く同じです。

PL法に基づくPL保険というのがあり、基本的に輸入商品に関してディーラーが保険に入っており、エンドユーザーに対する保証というのがあります。

 

例えば、レアワインハウスで言えば、グッズはグローバルという代理店の保険で対応しております。

例えばソムリエナイフを使っていたらいきなり壊れて手をケガしたという場合は、普通に使っていて壊れた事が判明したら補償が出ます。

 

食品はアルカンですがこれも個人保障で1億円までの保険で、品質管理課というのがあり、専門のクレーム対応の者がフリーダイヤルで対応します。

 

ワインも同じで各インポーターがその保険に入っています。

もちろん、小売店もその責任がない訳ではありませんので窓口は買ったところになりますが、通常小売店はその保険には入らずインポーターまかせになります。食品やワインのラベルの後ろに輸入元のシールが貼ってあるのはそのためです。

 

デパートが独自で入っているのはお総菜や自社製品の事故の場合のためです。

 

従って、ディーラー物を取り扱っているうちみたいなところでお買い求めになる分は問題はありません。但し、老舗デパートの包み紙にこだわるお客様にはしょうがないのかなと思っています。

その分専門性や誠意を持つ事しかないのかなと思っていますが・・・

 

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ワインセラーの振動・音とワインの関係について教えて下さい

答えを先に書くとまだはっきりとわかっていません。

 

1、    老舗と言われる機能性が売りのフォルスターですら18年の歴史しかなくてデータ不足です。
フォルスターには諸澤さんという僕と同じ年の知人がいますが、彼が言うにはフォルスターのセラーは振動があることを認めた上で『創業以来チェックしているがオリが舞わないレベルでの振動はワインに影響を与えない』と言っています。

 

2、    静かさが売りのドメティックは『ワインには大敵の振動が全くありません』とうたっています。

ただし、振動がどう悪いのかというデータはありません。

 

僕の友人で原宿の某 ブラジル料理の支配人がいて、僕と同時にカリフォルニアのオリビエレーンというピノノワール96年を6年位前に購入して2年前位に飲んだのですが、僕のはしっかり熟成感が出ていてそれはそれは美味しかったのですが、彼のはややヴィネガー化していて飲めたものではありませんでした。

僕のはデンソートヨタの144本セラーで彼のは某メーカーの24本でした。
こう書くとやっぱり小さいのはだめか?と思いますがこのワインの瓶差かも知れないし、はっきりした事は言えません!

自宅で使っている19本セラーはまだそういうことは一度もありません。

 

振動はあるよりもない方がいいですし音もそうです。
ところが最近出て来ている、小さくて安価のセラーですが音も静かで振動も少ないと思いきや落とし穴があって室温に応じての内部温度差という問題が発生します。

つまり寒いときは13度で良いのですが今年みたいに猛暑だと20度を上回ってしまいます。
吹きはしないのですが熟成のスピードが違って予測ができません。飲み頃と思って空けると劣化していたというケースになりやすいので気を付けてください。セラーに入れているからとなまじ安心するだけに僕としてはそっちのほうが怖いです。

 

セラーの会社の人にもいろんなスタイルがあって、この前ソムリエ協会経由でワインのセミナーと試飲会があったときに某セラーが展示してありました。これまで良い評判を聞かなかったのでうちでは売っていなかったのですが、モデルチェンジしているしドミナスの常連のお客様でも使っている方が多いので、一度デモ機を借りて自分なりにチェック出来ないかと思い相談してみました。するととても残念な事にこんな答えでした。

『弊社のセラーは機種によって振動が激しくクレームがよくつきます。

リビングに置いていてフローリングの床が振動して落ち着かないとたまに言われます。デモ機はOKですがその部分に触れないで売ってください。クレームは弊社で対応します!』

なんとひどいコメントでしょう!この話はなかった事になりました。

(フォルスターと並ぶ老舗のセラー代理店で真実です)

 

7年前に知人の大型喫茶店に頼まれてワインの営業の人に言われた『このドイツワインは1本、普通5,000円はしますが御社がハウスワインで使うなら11,500円で卸します。』と言われてボトルをみると、いわゆる普通のピースポーターで小売1500円、 仕入れで1,000円位のワインでぶち切れた事を思い出しました。

(昔は訪問販売で随分稼いだと聞きました。ここも老舗の代理店で真実です。)

 

ワイン業界は歴史が浅いので、代理店・飲食店の人はもちろん、お客様も含めて皆で正しい情報を共有しないとこんなに美味しいワインがかわいそうな気がします。

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ジビエをレストランで食べました。骨付きがどうも、うまく食べられません。手は使っていいのですか?それをレストランの人に聞いてもい

いのですか?
そもそもジビエとは何ですか?

個人的な私見も入りますが・・・

 

ジビエ・・・冬に食べるものです。

つまり寒くなって脂が乗って来て美味しくなります。

代表的なところでは鹿・鴨・いのしし・うずら・きじ・うさぎなどです。鴨やうずらなど年中、飼育物が輸入されていますが本来は

ソバージュ(野生)のものを指します。最近ではエルバージュ(半野生)というのがいろいろあります。

分かりやすく言うと6月のアユの季節に養殖物だと大体1150円位で仕入れます。天然物だと1,000円近くするものもあります。客単価の低いレストランではとても使えません。

そこで養殖物がある程度育った時点で、囲いで仕切った川に離してやります。

そうすると自然の川で育ちますから、あごがとんがってきて身も細く締まり天然っぽくなります。250円位で仕入れます。

 

マナー・・・手は是非使ってください。

骨付きは手を使わないと上手に食べられません。

一番美味しい部分なので女性の方も手を使って食べるべきです。

レストランのスタイル・・・キーワードはフィンガーボウル(指先をちょこちょこと洗うボウル、ぬるま湯、ウーロン茶、レモンの皮いりお水などいろいろあります。)です。

料理が出た時点で持って来てくれる店と、お客様が手を使い始めた時点で持ってくる店と、言わないと持って来てくれない店と言っても持って来てくれない店とあります。
基本的にはどの店でも手を使ってOKです。

 

マナーの事をレストランの人に聞くのは当然OKですが、誰に迷惑をかけてる訳でもなく料理を美味しく食べるのであればむしろ、料理人に対する良いマナーなのですから聞く必要もないと思います。

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ボジョレーヌーボー飲みました。季節感もあってとても美味しかったです。このワインは寝かせて美味しくなるものですか?

というより賞味期限みたいなものはあるのですか?

いろいろです。例えば、サッポロビールに松本さんというシニアソムリエがいますが、彼と話しているときに、『いやー、去年の

ヌーボーを倉庫で見つけて飲んだらこれがうまくてさ』という事もあれば、飲み忘れて2年位たって空けたら酸っぱかったという話しも聞きます。要はワイナリーやワインの濃さ、保管やなにより運もあるのでしょう!

ドミニクローランの説明文には「このワインは最小限度のSO2しか添加していないのでなるべく早く少なくとも年が空けたらすぐ飲み終えてください」というような事が書いてありました。

 

マルセルラピエールの説明文は、「このワインにSO2は添加されていません、ヴィオディナミによる純粋なワインでそれゆえに長く楽しめるでしょう、しかしヌーボーは早め」にみたいな感じでした。

メーカーによって酸化防止剤の捕らえ方が違うのがよくわかります。

 

レストランでは、ヌーボーは昔から11月中に売り切る商品で12月はクリスマスの雰囲気に全力を出さなくてはいけない1年で一番忙しい重要な時期です。ここでこけたら明日はありません!したがってクリスマスでヌーボーを売るという事は聞いた事はありません。7、8年前は2月頃、酒屋さんの店頭のワゴンにヌーボー大売り出しとかディスプレイされていましたが最近ではそういう事もないようです。
個人的な私見ですが・・・やっぱり季節ものなので寝かせる事は考えず早めに飲みましょう!

 

ワインの賞味期限という話しになるとすごく長くなるので最近気になっている事を書きます。

ヴィオディナミのワインは酸化防止剤のSO2など添加物が入っていないのでこれまで日本に来る事はありませんでした。

最近急にブームになっていますが、これについては長持ちの秘訣は満月パワーという話しがあります。

この前ボルドーの試飲会に言ったときに『満月の日に収穫して満月の日に瓶詰すると長持ちすると言われました』『水晶のかけらを手のひら一杯分(スプーン1杯とも別の本には書いてあった)1haの畑にまくと大地が水晶を通じて月の光りをより吸収するとか・・・』試飲会のときあるソムリエが言いました『にわかには信じられない!』醸造家は言いました『疑うなら満月の日に髪を切りなさい、伸びるのが遅くて、散髪代の節約になるから貴方はハッピーになれる』そこで僕は

この前の日曜日に髪を切りました。この話しの続きは1カ月後に・・・

(昔からドラキュラや狼男の映画は大好きなので結構楽しみです)

100

ボジョレーヌーボーは何故11月の第3木曜日が解禁日なの?

実はこの質問は解禁日前に電話があったのですが、僕も答えられなくて、知り合いのソムリエに聞いたけど誰も知らない!

とても顔が広くてきれいな、友人の全日空シニアソムリエの女性に調べてもらいました(感謝!)

盲点というかほんとに素朴な疑問ですよね。

 

1.最初は1111日でした。ボジョレーの村で一番早い収穫の村に合わせたというのと、聖マルタン(お酒の神様)にちなんで聖人の日という事でした。

 

2.ところが1111日が無名戦士の日(戦争で死んだ)になったので、ワインの晴れやかなお祝いにふさわしくない!という事になりました。

 

3.仏政府によって1951年に聖アルベールの日である1115日に変わりました。

 

4.ところが実際にそうなると、日曜日に重なると流通の問題(売上が伸び悩む)等不都合が生じました。

 

5.仏政府によって1984年に11月の第3木曜日に決められました。

 

歴史的には20年位なのですね。それから数年の後、日本がバブルの時おおさわぎしている日本人をテレビで見てフランスの関係者は木曜日にして良かったと大喜びしているかどうかはさだかではありません・・・

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冷蔵庫で一回冷やしたワインはずっと冷やさないといけないのですか?

また、クール便で配送されたら直ぐに冷蔵庫に入れなければいけないのですか?

温度差で吹いたりしないのですか?

要はワインの保管方法の事ですね。ワインは卵じゃないので、一回冷蔵庫に入れたら入れ続けなければいけないということはありません。

(卵はそういう性質を持っていて、24年前に僕が和食で働き始めた頃に、箱ごと棚においてあったので何で冷蔵庫に入れないで日持ちするのだろうと質問したことがあります)

 

白ワインやシャンパンを冷蔵庫に入れたり出したりするのは問題ありません。というかむしろ、OKです。

例えばドミナスの白ワインとシャンパンは何時でもサービスできるように5℃と8℃の2温度帯で保管していますが、自然主義のワインなどは冷やし続けると10日を越える頃から酒石が出てきて、土星の輪っかみたいになります。

そうなると、味に変化が出てきて酸味が乏しくなって間の抜けた味わいになります。

そこで、13℃のセラー温度で保管しているストック用のワインとのローテーションを5日サイクルで回しています。

 

従って、クール便でワインが届いても冷蔵庫に入れる必要はなく、暖房の効いていない部屋に置くのが好ましいです。

 

温度差は確かに怖く、夏の暑いときであれば、クール便で届いたワインを室温30℃近くの部屋に置くだけで吹く事があります。今の時期はそんな心配はなくて、クール便は必要ありません。

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レストランで ボトルを頼んだら残ってしまいました。このワインは持って帰ったらマナー違反ですか?

ぜひ、持って帰りましょう!

よく、残ったら『スタッフの皆さんでお飲みください。』と言われる方がいます。これはこれで、とても粋なのですが、背景には当時ワイン事情というのがあります。

 

1、ワインは空けたらその場で飲んでしまわないといけない、翌日は飲めない。

2、高級なワインはレストランのスタッフもなかなか飲めないし、 「客が店を育てる」という観点でわざと残す習わしもあった。

3、昔は高価なワインはデカンタージュ、安いワインはそのままで飲む、と考えるソムリエもどきが多かった。デカンタージュしたワインはその場で終わりと思われていた。

 

これに対して今は

1、空けて3日目が一番美味しいほどのワインも認められているし、何より翌日には翌日の美味しさがあるという事が皆理解できて来た。

210年前と違って今は試飲会のチャンスも多く、ソムリエ協会も儲かりだして地方でもセミナーや試飲会が開催される機会が増えた。

3、例えばドミナスではデカンタージュしたワインもボトルにそっと戻して持って帰ってもらいます。

・・・という訳で、一部の特殊なワインを除き、基本的にはどんなワインも持って帰って戴いてOKです。
知り合いの一流と呼ばれるフレンチ のレストランのソムリエも同じ事を言っていました。

とは言え、お店には軽く一言ことわって持って帰りましょう!

103

ロバートモンダヴィが買収されると聞いたのですが本当ですか?

オーパスワンはどうなるのですか?情報があったら教えて下さい。

本当です!手元にある資料によりますと、

 

売り主:ロバートモンダヴィ株式会社

(ロバートモンダヴィ、オーパスワンの半分、アローウッド、バイロン、ラ・ファミグリア、ウッドブリッジ、プライベートセレク     ション+抱えていた借金32500万$)

※バイロンなどは過去モンダヴィが買収してきたワイナリーです。

 

買収価格:13億ドル

※オーストラリアのフォスターがベリンジャーを2000年に15億ドルで買収して以来の大型買収

 

買い主:コンステレーション

(元、カナンディグアでジャグワイン(安物ワイン)の有名ワイナリーで2代目からプレミアムワインの買収に乗り出した。

フランシスカン:クインテッサとメリテージレッドが有名

マウントヴィーダー:カベルネが有名

シミ:ソノマの名門、カベルネ系が有名だがいろんな品種がある

レイヴェンスウッド:3Rと呼ばれるジンファンデルの有名どころ

他のブランド:ウオッカ、ウイスキー、メキシコビール、

ジャグワイン:マルデアン、イングルヌック、テイラー、ポールマッソン、アーボーミス

 

※更にロスチャイルドとクインテッサのフニース家と提携して、シャローングループを8100万ドルで買収

 

カリフォルニアワインの走りとも言えるオーパスワンに代表される、モンダヴィが買収される訳にはいろいろな噂がありますが、要は減価償却ができなくなって2人の息子、ティムとマイケルを中心としたチームワークがうまくいかなかったからみたいです。

実際オーパスワンも出はなの50$は高いと思いつつも美味しかったし、96年までは最高でした。97年以降値段と品質のバランスで納得しなかったのでドミナスでは使用していません。だけど、オーパス、ドミナスというプレミアムワインの巨頭が流されて行くのもやはり時代の流れかなとしみじみ思います。

 

オーパスワンがなくなる事はまずないと思います。品質はとりあえず落ちるとこまで落ちていますから、どうせ買わないので逆に良くなることを期待したいな〜。

104

前回のモンダヴィの買収事件、興味深く読ませて戴きました。

あちこちでプレミアムワインを含む買収が起きているようですが、    その場合ワインの品質はどうなるのですか?

もうけ主義に走って品質が落ちるような気がして、しょうがありません。

その辺は何とも言えない所ですが、大体において落ちます。

ただ、その時の流行にも左右されるので何とも言えません。

例えば、ナパのドミナスはたしか94年を最後にフランスのムエックス家の100%資本になりました。

95・‘96と、とても土っぽくて田舎っぽい素晴らしい出来でした。‘97になって明らかに造りが変わりました。

これはこれでとても美味しいのですが一言で言うと上品になりました。

98年も同じ傾向だった為に、雨が多くて不作だった年のため一気にレベルが落ちました。

99年は濃くて上品な造りです。このワインの場合、資本が変わった為にというより、流行による造りの変化と言えると思います。

例えばバイロンの場合、モンダヴィに吸収されるまでは一言でいうと濃厚で熟成香も楽しめる癖の強いピノでした。

モンダヴィになってからはフルーティーで万人向の早飲みタイプに変わったような気がして買わなくなりました。

これは資本が変わった事によるマイナス(僕にとって)の変化です。

    

例えばソノマにジャックロンドンというワイナリーがありました。

ここは小規模生産で力強いワインを造る良いワイナリーでしたが、年によって当たり外れが激しく、品質に大きな差がありました。 

ここはケンウッドというソノマの大手に買収されました。すると品質にばらつきがなく、濃いめの優良ワイナリーへと良くなりました。その変わり良かった年のジャックロンドンには及ばなくなりました。

 

・・・このようにケースバイケースで、微妙です。

  日本の企業も同じ事が言えるかも知れませんね?

 

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ドミナスで今月の目玉 ターリーのジンファンデルを飲みました。

強烈なパワーで驚きました。私はオールドヴァインしか知らなかったのですが、オールドヴァインというのはどういう意味ですか?

ターリー以外でも見た事があります。

簡単に言うと樹齢が古いという事です。

ところが、実はこれは曲者で、きちっとした法律がありません。生産者によって20年以上といったり30年以上と言ったりまちまちです。人によっては、禁酒法時代前(1933年)のぶどうがオールドヴァインだと言う人もいます。

よく聞くのは、

 植え方・・・古いジンファンデルは株作り(1本ずつまばらにドテッと植えられている)

        新しいジンファンデルを垣根作り(きれいに整列されてきちっと管理されている)

 味わい・・・古いジンファンデルはジャミーで複雑

新しいジンファンデルは青臭くて、薄っぺらい

 

大体一般的にはカベルネなどメジャー品種の一番美味しい所は樹齢50年位だと言われていますがジンファンデルは70年以上古いのが最高と言う人もいます。

じゃあ、古けりゃ良いのかと言うとこれも問題で価格の問題もからんできます。大体株作りは能率が悪いから棚作りが主流になったのだし、イコール値段に反映します。

後は好みですが、生産者の事を知ることが大事です

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楽天の会員でいろいろ利用させていただいています。

楽天にはレストランガイドのコーナーがあるのですがドミナスさんは何故加入してないのですか?

実はきちっと調べて無理だと判断しました。

いい機会なのでレストランの利益率も含めてお答えいたします。

 

a,楽天ダイニングの支払い手数料

2種類あって 

売上の18%の手数料(+カード手数料)=22

・会員にキャッシュバック 10

・楽天にキャッシュバック  8

売上の25%の手数料(+カード手数料)=29

・会員にキャッシュバック 20

・楽天にキャッシュバック  5

 

 ※これはドミナスのレストランのカード手数料が4%と見た場合で通常は5%が多いようです。

 

b,FLコスト(フードコスト:食材+レーバーコスト:人件費)

飲食業界の考え方としてはFLの合計が売上の58%を目標に利益を追いかけます。

フレンチはフードコストが高く友人に聞いても皆35%〜40%行ってしまいます。そうするとFLに普通で65%位行ってしま  います。ドミナスもそんな感じです。

 

c,FLコストにaをプラスすると合計87%か94%になります。つまり1万円の売上で粗利益は1,300円(13%)か600円(6%)!ここから水道光熱費や家賃、食器の破損代、クリーニングやゴミ代などを引くと安い方と契約しても赤字、高い方と契約すると大赤字になります。

 

d,従って加入出来る店は

 1、儲かってしょうがないから税金対策で知名度アップの為に加入する。

 2、原価率が異常に安い冷凍物を使っているか人件費はアルバイトが多い

 3、手数料を初めから引かれる事を前提にコストを設定している。

 4、バックがあって、広告費にお金をかけるバブリーな会社

 5、ボランティアで店を出している

 

・・・という事になりますのでドミナスではどれも当てはまりません。という訳で楽天ダイニングには加入できません!

 

こんな事を書いて楽天に怒られるんじゃないか?・・・って

弊社の担当者にこんなことを書いて良いかという許可を問い合わせたらOK2つ返事で貰いました。

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マルゴー92年とムートン81年を飲み比べました。私はマルゴー    の方が好きでした。

とは言ってもムートンもこなれて何もじゃましない味わいは最高    でした。

でも時間の経過と共にムートンは急に力強さがなくなり、まるで    別のワインになりましたマルゴーはずっと美味しかったです。

何故ですか?

若い飲み頃入り立てのワイン(マルゴー)と飲み頃がMAX(ムートン)に近づいているワインの違いです。

ではコメントを見比べてみましょう。

 

シャトー マルゴー 1992

  色 調:透明感があって表面がキラキラしている濃いルビー色

  香 り:ピーマンのような青っぽさが残っており、ほこりっぽい、墨汁
時間の経過とともにカシスなどの凝縮したフルーツの香り

  味わい:酸味と渋みのバランスが良くそれぞれが成り立っている。

        まろやか、柔らかい、スーッと入ってくる感じでビロードのような喉越し

  総 評:すっかり飲み頃、力強さは際立っていないのでここ10年で飲みたい

  料 理:塩コショウだけの柔らかい肉のステーキ

 

シャトー ムートンロートシルト 1981

  色 調:やや茶色がかった黒紫、表面の色は沈んで光りを反射しない

  香 り :シダやトリュフ、腐葉土の香り、醤油

  味わい:酸味や渋みはほとんど感じず、上品な(さらっとしている)穏やかな味わい。こなれた老練な味わい

  総 評:飲み頃はMAXになっている。抜栓後静かにデカンタージュ、30分で最高の状態、1時間半を越える位からゆっくり下って行く

  料 理:強い料理、主張する料理は合わない。うずらのコンフィ、チーズのみとかでも良い。

 

・・・というように同じ系統の赤ワイン(似たような品種)でもその年の出来不出来、保管状態、流通の問題でも全然変わって来ますが、今回の様に品質には一切問題がないという事を前提に話を進めます。

 

1、熟成の状態は一般に熟成された年月よりその年の出来に左右されます。

 出来が良い年ほど飲み頃は遅い!極端な話ラツールの2000年は過去最高とも言われ最高の状態に30年以上とか言われると今買っても生きているうちに、或いは味が解るうちに最も美味しく飲めるのだろうかと思ってしまいます。従って購入のモチベーションはロマンです!!

 

 逆に外れ年は20年位でいっぱい、いっぱいになりますが飲み頃をはずさなければそれなり以上に美味しく飲めるものです。昨年飲んだムートン84年なんかが良い例です。

ところが問題はデカンタージュや温度、グラス、合わせる料理など、よほど生活習慣の中でそのようなワインを飲んでる方は別として一般のワイン好きの方は仕事が出来る(ここが重要)ソムリエがいるレストランに持ち込むとリスクはかなり減ります。

 

2、熟成するに従って以下の傾向が現れます。

 a,色  調:エッジ(端っこ)がピンク(紫)→茶色→透明

        中心の色もレンガ色から茶色になって最後には透明になります。

 

 b,香  り:フルーツの香りから熟成香に変わって行きます。
熟成香とは腐葉土やなめし革、馬小屋など一言でいうと臭い香り(かぐわしいと紙一重)に近くなります。

 

 c,味わい:酸味・渋み・果実味は年と共になくなっていきます。

        枯れた味わいとはその状態で飲み頃が終わって、ダメージ呼ばれるようになるとまた酸っぱくなってヴィネガー化

        してきます。そして最後の最後には無味無臭になります。

 

 d,力強さ:当然古くなるに従って弱くなります。これはアルコール度数と密接な関係があり、古くなるに従ってアルコール分

        は軽くなり飲みやすくなります。

 

 e,抜栓後の変化:若いうちは抜栓して少しづつ美味しくなってきて翌日の方が美味しくなるという事がよくあります。

古いワインは急に美味しくなってあっと言う間に酸っぱく感じることがあります。

つまりカーブの違いで若いと緩やか、古いと急カーブと言うことです。

10年物位のボルドーのグランヴァンを飲んでいたら飲み終わる頃にやっと美味しくなったと思ったら

飲み終わってしまったとか、逆に古いワインを頼んだらソムリエにウルトラデキャンタをされて、

ボロボロになったとか話を良く聞きます。

 

☆だからワインは奥が深くて楽しいのですが・・・難しいですよね。

 要は美味しければ良いのですから、情報として受け止めて戴ければ幸いです。

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グリューワインというのをデパートで試飲しました。
飲み残しのワインで 美味しく作る事は出来ませんか?

グリューワインというのは言わば商品名でドイツ(オーストラリアだっけ?)の方でそんな風に呼びます。

総称してヴァンショー=暖かいワインと呼びます。

 

 

(作り方)

飲み残しの赤ワインに以下の物をお好みでいれます。全部入れても良いし好きなものだけでもいいです。

 

蜂蜜、シナモンパウダー(又はシナモンスティック)、クローブ、ナツメッグ、スターアニス(八角)、生姜を入れて火にかけます。基本的には沸騰前で火を止めます。

オレンジスライス、レモンスライスはグラスに移した後でも良いし一緒に入れて火にかけてもいいです。

 

・・・以上、とっても簡単でしょ!

 

(プロのコツ)

1、出来上がったヴァンショーの香りがツンと来るのが気になる人は、火にかける時に沸騰させる。沸騰している時間に比例してツンと来る香りはなくなりますが反面アルコール分が飛びます。

 

2、赤ワインベースに白ワインを混ぜてもOKです。この場合は白ワインの酸味にもよりますが仕上がりが酸味がでますのでレモンは入れません。

 

3、白ワインを混ぜる時に始め白ワインだけ火にかけて、酸味が飛んで甘みが出るまで煮詰めたのを赤ワインに混ぜると柔らかくなって美味しいです。

 

4、本来、赤ワインで適しているタイプは

  a,アルコール分低め

  b,安いワイン

  c,渋みが少ないタイプ

  d,飲んで軽いワイン

  ・・・いろいろ、作ってオリジナルのレシピーを作りましょう!

  (娘が嫁に行く時、持たしてあげるような・・・・)

 

109

ワインを飲んでいる時に嫌な変な香りがすることがあります。

それがブショネですか?

それは微妙な表現ですね。これは駄目だと言うとき2つに別れます。

ブショネ・・・ワインを飲んでいてコルク臭がする、コルキーなという表現を使います。

この場合コルクを嗅ぐとコルク自体も生ゴミやカビ、濡れたダンボールのような香りがします。

これの発生理由は大きく分けると2つあります。

コルクからの汚染と空気中からの汚染です。

ワインの新しい、古いに関係ありません。

 

ソムリエ協会のテキストには5%位はブショネです。と書いてありますが、

実際のレストランで7年以上営業していて、現場として言えることは営業中1ヶ月に5本位あります。

ボトルの出数が400本〜500本位なので1%弱位です。

そのうち、グラスを回すと消えてしまうのもあります。

多分、運搬ルートのきちっとした代理店から引くと1%位で、安く引いて安く売る事を目的とした運搬方法の代理店だと5%を越えるという事だと思います。僕は安ければ良いとは思わないので、取引している業者さんはきちっと選びます。

 

ダメージ・・・「劣化している」とか「いってる」とか表現します。

以下の理由があります。

1、保存状態が悪い(温度・湿度・振動・光り・気圧)

2、輸入方法が悪い(赤道回り・港の倉庫にほったらかし等)

3、飲み頃を越えてそのワインのポテンシャルを越えている

 

酸っぱい香りと酸っぱい味、濁った色調、舌がピリピリ来る、などが挙げられます。

通常、古くなり過ぎた物を除いて、きちんとした酒屋さんがきちんとした代理店から引いた物を購入して、自分できちんんと保管した場合は、めったに有りません。

110

安くて美味しいスパークリングがいっぱいあるのに何故シャンパンは   あんなに高いのですか?

                                   

前にも同じような質問に答えた気がするので今回は違う見方をしてみましょう!

 

a,たてまえ

品種・製造方法・瓶内熟成期間など厳しい制限があるため非常に手間がかかり、その最たる例としては泡の持ち(時間)が圧倒的に違う。(詳しくはドミナスのHPでソムリエQ&Aのコーナーを参考にしてください。今、楽天のHPにもそのコーナーを作ろうと担当者がヒーヒー言っていますのでもう少々お待ちください)

 

b,本音

シャンパンは赤ワインの様に個性に欠ける為にそのメーカーの売り、例えばテタンジュは飲み易く20年前の日本人に最も合っていたし、ボランジェはクセがあってマニア向きとされるなど大まかにはあるものの、これがこのメーカーのらしさと一発で表現がしにくい!

そこで広告費に莫大なお金をかけて、潜在イメージを植え付け消費者に思い込みをさせる。その広告費にお金がかかるので、他のワインより高くなります。

さらにもう一つあって、シャンパンの売れ筋はやっぱりNV(ノンヴィンテージ)で、そのメーカーの味を毎年維持しようとするといろいろなヴィンテージの混ぜ用のワインが大量にいる。そのストックは、はんぱではなくその管理費にお金がかかる。

 

以上、この2点がいわゆる、業界の中での理由とされています。じゃあ、シャンパンに高いお金をかけるのは馬鹿みたいじゃないかって?そんな風に言う人はたくさんいます。でもこれはこれで大切な文化ですし何よりお祝いの席で泡があっと言う間になくなってしまっては洒落にならんでしょう!

111

先日、自宅で家内のバースデイヴィンテージを空けました。コルクの   先は黒いドロドロした汚れで大丈夫かなと思いおそるおそる空けたら途中で折れたけど何とか空けられました。

 

ところが飲むとカビ臭くて変な匂いでした。味は美味しかったのですが、このワインは駄目になっていたのですか?

                                   

香りも味も実際に試してないので何とも言えないですが、多分それはかなりもったいない事をしたような気がします。

1、黒いドロドロしたのはカビで熟成したワインの健全な状態です。

2、駄目になっている時(ダメージ)は酸っぱい香り、果実味が感じられず美味しくない。

 

注意点としては シールキャップを外して良く拭く事が重要です。

カビは基本的に全部取り除きます。たまに本職のソムリエさんでもリトー(サービス用の白い布)で、から拭きだけで済ます人を見かけますが大きな間違いで濡れぶきんを使わないときれいに拭けず匂いがワインに移ります。

 

更にコルクを抜いた後、瓶の口の中まで濡れぶきんの先を細めて拭く事と、瓶の外回りもきれいに拭かないといけません。

その後乾いたふきんで良く拭いてください。ワインを注いでいるうちにカビにワインが触れて味が台なしになります。

今回のケースはふき取りの甘さが原因だったような気がします。

112

ワイン会の時のグラスの使い方の質問です。

1, いろいろなワインを飲むときグラスは変えなくていいのですか?

2, グラスを変えるときは水でリンスした方がいいのですか?

3, 白から赤に変わるとき、赤から白に変わるときはどうしますか?                           

仲間同士のワイン会のメリットはレストランやスクールのワイン会と違って、めんどくさい話を聞いたり、メモしたりしなくて済むとか、なによりカジュアルにいろいろなワインを楽しく飲めることですよね!

でも、セオリーは大事です。今回はグラスの使い方の基本をこっそり教えましょう!

 

1, グラスの在庫数によりますが最小限で回すときは、グラスは変えなくても良いです。

2, 水でリンスするとリスクとして水っぽくなります。つまり薄くなる訳でそれはアルコール度数が低くなれば成る程良くない結果になります。

3, 白から赤に変わる時は基本的にOKです。ただし、ゲヴェルツやヴィオニエなど香りが強烈なワインは赤ワインをいれてもしっかり香りが移ってしまいますので、その場合は水でリンスして軽く拭きましょう。赤から白に移るのは同じグラスでは無理があります。

グラスはとても大事で出来ればテイスティンググラスとは別に大きなグラスも用意したいところです。

ちなみに、僕は自宅で飲むときは何も考えずにグラスは1個です。

レストランでテイスティングする時はセオリーを守ります。

113

スペースと予算の関係でまだ、ワインセラーを持っていません。

飲み残しのワインの保管方法を教えて下さい。

                                   

種類別に書きます。

 

1、スパークリング・シャンパン

  抜栓前の保管方法

   なるべく涼しくて暗いところに立てて(横にするとシャンパン・コルクが細くなってガスが抜けていきます)保管します。

   湿度があればよりベターですがとりあえず立ててその辺に置けば良いです。

     

  抜栓後の保管方法

   シャンパンストッパー(なければ普通のワインの栓)をして、冷蔵庫に立てて保管。

  横にすると空気に触れる面積が増えて泡がなくなります。

 

2、白ワイン

  抜栓前の保管方法

  なるべく涼しくて暗いところに横にして(立てておくとコルクが乾燥して隙間から空気が漏れて劣化の原因となります)保管します。

   

  抜栓後の保管方法

  抜栓したコルクの液面に触れていた面を下にして強引に入れ込みます。冷蔵庫に立てて保管します。

  横にすると空気に触れる面積が増えて劣化が激しくなり、あっと言う間に美味しくなくなります。

 

3, 赤ワイン

   抜栓前の保管方法

   なるべく涼しくて暗いところに横にして(立てておくとコルクが乾燥して隙間から空気が漏れて劣化の原因となります)

保管します。

   

  抜栓後の保管方法

  抜栓したコルクの液面に触れていた面を下にして強引に入れ込みます。暖房の効いてない涼しい部屋に立てて置きます。

 

※特に間違い易い事例

 a,ワインの保管場所を冷蔵庫の野菜室に保管する。

   8℃以下で1間以上保管すると特に高価な白ワインは酒石が出て酸味がなくなりボケた味になります。

 b,飲み残しのワインの栓をするときに入れ易いからといって逆さにして差し込むと、古いコルクの香りがワインに移りせっかくの香りが台なしになります。

☆ワイン用のストッパーを持っているとなにかと便利です。

114

グラスに付いた水アカはどうやったらとれるのでしょうか?又、付着させないための防止策は?(特に鉛含有のクリスタル)

・・・すぐ洗って、すぐ拭くは基本だと思うのですが、夜、飲んだ    後どうしても水に浸け放しにしてしまうことが多いので。                                  

業界用語で言うウォータースポットの事を言われていると思います。

(ウォータースポット=水の点々が白く残ること)

これはカルシウムやカリウム等、水道水に含まれている科学薬品が原因です。少し詳しくお話ししましょう!

 

1、グラスの材質

例えば顕微鏡で見ると値段が高いグラス=透明感が強いぐらす(クリスタル)になれば成る程、でこぼこの凹凸があります。その凹凸に科学成分が付着するので高価なグラスほどきれいな反面、汚れ安く割れ易いリスクがあります。

2、洗い方

基本はすぐ拭く・・ですが僕はお薦めしていません。何故かというと酔っ払って洗うと割れるからです!飲み終わったら水に浸けて翌日洗いましょう。

 

a,洗剤を浸けて目の細かいスポンジかネル生地で洗います。

(例えば、ミクロというか細かい凹凸に対応できる専用のグラス洗いのペーパースポンジもあります。これを使う場合は洗剤もいらないので洗剤の匂いも気になりませんので1枚持っておくと重宝です。ドミナスの使用頻度で1枚で2週間位持ちますので多分一般家庭だと3ヶ月位もつでしょう・・・当店でも20%OFFで販売しています)

  b,洗い終わったら柔らかい布の上に逆さまにして立てて水を切ります。

  c,完全に乾ききる前にふき取りますがこの場合も傷が付かないように目の細かいグラス拭き用のタオルが良いです。

  d,仕上げに専用のグラス磨きをかけると光り輝きます。

    (これも販売しております。ドミナスの使用頻度でも1年以上もちます)

 

  ※乾いた状態で拭いてもウォータースポットは取れません。磨くときはお湯の蒸気にかざして、拭くと良いです。

 

  ※グラスを拭く時に底(平べったい足の台)を持って拭くとすぐステムが折れてしまうので必ずグラス本体の丸い下の方を持って拭きます。

 

  ※家庭で普段のみでグラスを選ぶときはシュピゲラウやペルルのセミクリスタルが洗浄機もかけられるし(細かい傷が付きにくい)、お手頃です。あるいはリーデルオーは足がない分、洗い易いし、割れにくいです。一度使うとあまりの使い勝手の良さ(日本人に合っているというか)に他のが使えなくなります。お薦めですよ!!

115

前回のメールでクレデュヴァンの説明文を読みました。1秒浸けると熟成が1年、5秒浸けると5年分の熟成に匹敵する・・!

とても信じられません!何故そういう現象になるのでしょう?

ドミナスでも同じ質問を随分受けました。メーカーに確認したところマル秘という事で教えてくれませんでしたので、ドミナスの常連客でその筋の人に聞いてみました。

 

1、要は金と銀と銅の化合物である

23種類は同時には化合しないので、金と銀を化合して、銀と銅を化合して最後にそれぞれを合わせたと思われます。

3、それぞれの特性として

金はアルコールを分解します。

銀は殺菌作用があります。

銅はイオンを分解する力があります。

4、いくら使用してもワインに溶けない理由としては銅が入っていると溶けない

5、おそらく、それだけではまとまらないのでパナジウムという物質が加えてあるのではないか?

・・・と言うことで、錬金術のようなうさん臭い商品ですが、化学的に成り立つようです。

 (メーカーさんの情報ではなく単なる独自調査です)

 

ワイン会でも使用しましが、30人全員がその変化を認めていました。

個人的なお薦めの使い方としては、

 

1、    シャルトリューズ・ヴェールなどアルコール度数が高いものにお薦めです。通常、55度もあるとロックか水割りですが、それでもきついので氷をいれてマドラー替わりに使用すると、かつて知らなかった美味しさが理解できました。

僕はシャルトリューズ・ヴェールがあんなに美味しいものだとはこの業界に25年以上いますが知りませんでした。

まさに目からうろこです。したがって、マールやグラッパ、カルヴァドス、ラムなどには今まで拾えなかった香りや味わいが楽しめ、しかも極度に酔わなくて済みます。僕らソムリエは人前で酒に飲まれることは絶対にあってはならず、それは職業的なプライドです。僕自身外で飲むときにはどうしてもついセーブしてしまいます。個人的に持ち歩きたいアイテムです。

 

2、デカンタージュしようがなにしようがカチカチで飲めないワイン。ワインに使用するのはこの1点のみが良いと思います。

  なにより、ロマンがないので、しかし、この場合はとにかく美味しく飲めればいいやという街場のソムリエには必需品です。

  

僕ら街場のソムリエはそのワインの状態、食べる料理、飲み始める時間、飲む人数によって、高さ、角度、スピード、回数でデカンタージュの方法を変えます。

すこしでも美味しく飲んでもらうためです。場合によっては3回デカンタージュして氷水に浸けて温度を下げてそれから提供します。だからソムリエなのですが、クレデュヴァンはその最終兵器としてなら、使用を認めます。

 

※とりあえず1本持っていれば死ぬまで使えそうなので皆さんにもお薦めします。

116

家庭でのごちそうの一番は焼肉です。

レアワインハウスのワインのコメントを読んでいると相性が良い料理によく焼肉が出てきますが、選ぶコツを教えて下さい。

個人的に焼肉は大好きです。年齢とともに嗜好も変わってきて昔はカルビ肉が一番好きだったのが、はらみ肉などの内臓系が好きになり、野菜をたくさん食べるようになってきました。

ワインも同じで焼肉の時に空けるワインもこってりした赤ワインから芳醇な白ワインのほうが好きになってきました。

 

つまり、年齢や体調、嗜好などによって美味しいと思う価値観が異なってきます。

一般論としては

赤ワイン・・・テーブル上の温度がたかくなりやすいため供出温度が高めでも美味しいワイン

         (果実味が濃い、酸味が少ない、カリフォルニアなど)

白ワイン・・・温度が高くなるのでワインクーラーにつけっ放し=きんきんに冷えてて美味しいワイン

         (果実味が濃い、華やかな香、ヴィオニエやゲヴェルツ)

 

という事になります。最近の好みとしては赤ワインよりも樽が効いたシャルドネかコナンドラムのような濃厚なカリフォルニアを合わせるのが美味しいです。皆さんも自分の一番好きな家庭料理とベストマリアージュのワインを探してください。

それを自分のスタンダードにして比較しやすくなります。

 

つまり、同じワインの幸福感をしっかり記憶することにより、レストランや野外でワインを飲むときにあの味に対してこうだと納得出来て、そのワインの違う香や味わいを今まで以上に楽しむことが出来るようになります。

焼肉に限らずワインと料理のマリアージュのセオリーはありますが一番重要なのは自分が一番美味しいと思える組み合わせです。

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サイドウェイ見てきました。

見ていてワインの言葉や知っているワインがたくさん出てきてとても楽しかったです。

様々な隠された意味合いがあったと思いますがどんなことに気づきましたか?

ドミナスでもここのところ、その手の質問が多いです。いろいろなメッセージがたくさんあって、個人的な意見を全部かくと長くな   るのでワインがらみのとこで気づいた事を・・・

 

1、マイルスの彼女?のマヤという名前はカリフォルニアのカルトワインの名前でカベルネフラン種のワインの名前です。

500ドル以上する高額ワインです。オーナーは日本人女性で未亡人、娘の名前がマヤです。)

別れた奥さんと一緒に飲もうと大事にして大事にして、最後にはファーストフードで隠れてがぶ飲みをする、シュヴァルブランの61年もカベルネフランです。

映画の中でメルロは飲むに値しない!とかカベルネフランから偉大なワインは生まれないというシーンがあります。

それだけ、前の奥さんが好きだったという事でカベルネフランをけなしていたけど、又出会った女性もカベルネフランだった訳です人生は皮肉だけど楽しいもんです・・。

 

2、マイルスのマヤとの会話の中で枯れたワイン(男性)には枯れた良さがあると言いつつ慰めるシーンがあるのですが、61年が該当年になっていますが、61年のボルドーはおそらくは最強にして、最高のヴィンテージです。従って、他の年、例えば68年や69年よりも物によってですが若い印象を受けるはずです。

皆枯れるんだから61年のような枯れ方をしよう・・・。(ちなみに僕も家内も61年ですが、高くて手が出ません!)

 

3、ワインを美味しそうに飲むシーンはたくさんありますが、特定のワイン名が出た後そのワインをほめるシーンはありませんでした。例えば、アンドリュームレーのシラー(3月にドミナスでグラスで出してので良くわかりますが)は、『アルコールが強くて果実味が台無し』とかいうシーンがありながら、ガブガブ飲む訳ですが、基本的にはワインを飲むシーンは全部そんな感じで、人は皆悪いところがあるのだから・・それでも美味しいよ・・・。

 

4、フェスパーカーのワイナリーの試飲ルームでがぶ飲みするマイルスをスタッフが制止しようとするのですが、マイルスはバケツのワインを飲みながら周り中に散らかすシーンがあるのですが、あのバケツの中身はテイスティングが終わったワインの吐き出したものでマイルスの勢いが伝わってきました。

 

5、ベッドサイドに置いてあったワインでオーボンクリマのイザベラ(ピノノワール)があったのですが、一人で寝酒はイザベラのような高級ワインを飲み、皆で飲むシーンは割りと安めの設定だったのも意味深でおもしろかったです。

マイルスは本当にピノ好き。

 

あと、言葉のはしはしでワインの言葉がいろいろ出てきます。コナンドラム、メリーベルなど印象深いのはマヤが言ったサシカイア88年というシーンがありますが、サシカイアはカベルネソーヴィニヨン種イタリアの高級ワインで別れたダンナのことを言っているようでした。

他にも今は作られていないバイロンのスパークリングを車の中で無造作に飲むシーンやワインがらみの深読みが出来る、とても楽しい映画でした。監督はよほどワイン好きなんでしょう?!なければ良いシーンもあったけど・・・・?

今年見た中ではNO1の映画でどうしても、もう一度みたいです。

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メールでご案内の『クリスチャン セネ ブリュッド ロゼ』ですが去年の6月頃買い求めたもの、あまりの暑さに冷蔵庫の野菜室(湿度は結構ある)に横にしていれ、うっかりそのまま入れたままになっているものが1本あります。

この前のお便りに『シャンパンは立てて保管、白ワインでも長時間  冷やさないように』とあり、このタブーを思い切り・・・なのですが、もう相当に味が落ちてしまっているでしょうか。

もしセーフとしたら、外観で見極める目安はありますか・・・

一年位ではそんなに味は落ちてないと思います。

シャンパンは白ワインに比べて石は出にくい傾向にあるようです。ドミナスでも白ワインはデイセラーとスタンバイ用のセラーのローテーションミスで白ワインは何度か石を出してしまいましたが、シャンパンは出したことはありません。

多分ガスが安定させるのだと思います。

 

とは言っても早く飲んだほうが良いですね!

お花見のシーズンですし、外で桜の花びらを浮かべてシャンパンで乾杯!なーんてお洒落で憧れます!

 

★外観での見分け方

 

瓶を両手で持って光にかざして見てください

 

 a,透明感はあるか?(濁ってないか)

  濁ると味わいが酸っぱくなります。

 b,キラキラしたのが入ってないか?(酒石は出てないか)

  石が出ると酸味が飛んでボケた味になります。

  c,液面は減ってないか?(コルクが吸い込んでないか)

  長期熟成に伴い劣化が早くなり、ひねた香と味になります。

 

※この方法は白ワインや赤ワインをワインショップで購入するときも是非やってください。白ワインや赤ワインの時は上記にプラスして

 

 d,コルクキャップは回るか?(吹いてないか)

  古いワインはフランスは鉛を使っているので当然腐食して回らなくなりますが若いワインで回らないということは輸送中か酒屋さ  んでの保管が悪くて吹いているということなので、注意が必要です。一旦吹くと急激に劣化します。

 e,ラベルが汚れていないか?

  これも吹いていないか?チェックです。

 ワインは生き物なので大切に保管すると答えてくれるような気がします。

 昔、ドミナスのお客様で乾燥する冬場は毎朝ワインセラーの扉を開けて『ハーランちゃん、おはよう!』と言いながら霧吹きをしている人がいましたが、ちょっとやりすぎかなとも思いましたが彼の気持ちはハーランに伝わることだと思います。

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ワインブームの兆しが見えてきたとか話を聞きますが実際どうですか?

この質問はドミナスでのお問い合わせです。

その話は雑誌とか、セミナーとかで良く耳にしますが、現場のソムリエとして個人的な見解の実感はないです。

ちなみにここ数年、ワインブームは終わったんじゃなくて定着したんだと声もありますが、手元の資料によりますと・・・

1996年            1.8

1997年            2.4

1998年            4.2ℓ(ワインブームの絶頂期)

1999年            3.0

2000年            2.8

2001年            2.7

2002年            2.8

2003年            2.5ℓ 

 ・・・この数字は課税数量から算出された日本の成人一人当たりの年間ワイン消費量です。

   フランスやイタリアでは50ℓを超えていますから、完全に習慣の違いだと思います。

   アルコール全体のワイン占有率は3%弱で日本酒の10%、焼酎の10%の3分の1にも満たないです。

   (ほとんどはビールと発泡酒=計70%) 

   確かにブーム前に比べると微妙ですが定着しているのかな?

   ワインを1年間に4本以上飲む人はワイン文化人ですね。 

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(レアワインハウスで販売する)ワインの保管状況に対する説明がされていないようですが、どういった保管体制なのでしょうか教えてください。

ドミナスからの出荷分は全て、メーカーから送られてきたらすぐ、セラーに入れています。
保管用のセラーは、

ボルドー系はフォルスターの120本タイプで湿度70%温度15℃に設定しており、この時期だと週に1回くらい霧吹きをしています。

ブルゴーニュ系はGAC-144本 75%、13℃設定です。

他、カリフォルニアやグラス用はドメティック CS101 70% 16℃です。

 

入りきらない場合はレアワインハウスの事務所のセラーに入れることもあります。

 

メーカー直送の場合はメーカーによって異なりますが、基本的に長いお付き合いの信頼できるメーカーさんとのお取引の中で培われたものがあるところだけのおつきあいなので信頼しています。

 

よくある、酒屋さんのように室温(2330℃)で棚に陳列したまま、電気はアカアカとついて!いろいろな人が触って揺れまくっている・・・・ワインを送る!

なんてことは弊社ではディスプレイの必要がないという事とワインに良いことはないので、ありません。

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あとチリのアマイーナ・ピノノワールが新世界のベスト3本のピノ    に入るなんていう商品説明を見て気になっているんですが、実際の    ところチリのピノに4000円強の価値はあるのでしょうか。

ワインレストランドミナスの方でも提供しているのならお客さんの感想はどうですか? 

チリとは言ってもフランス人のジェフリーデイヴィスのスタッフなのでブドウの産地がチリというだけで普通のとはちょっと違います。実際、何度も飲んでいますが、正直、ちょっと早いです。

 

今飲むとピノというより、シラーのような感じがします。

当たりもジャミーでワインだけ飲むには濃すぎるという声が多いです。(しっかりした料理が必要)

ポテンシャルは凄くカリフォオルニアを除く新世界では(オーストラリアを含む)僕の知る限り、確かにトップクラスです。

    

ドミナスで提供するときは

113℃のセラーから出して、(13℃)

2、泡が出るほど激しくデカンタージュして、(15℃)

3、氷水に45分漬けて (10℃)

4、もう一度ゆっくり、デカンタージュして (12℃)

5、おおぶりのブルゴーニュグラスに入れて (14℃)

 『15分くらいしたら(1516℃の供出温度でのスタート)香りがどんどん広がりますよ。ごゆっくりお楽しみください』

といって提供しています。

 

豚肉の柔らか煮込みのバーバキューやノルウェーサーモンのレアポワレ フォンドヴォーのバターソースをお薦めしています。評判はすこぶるいいですよ

 

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一生に1回でいいのでロマネコンティを飲んでみたいです。

いくら位が妥当な値段ですか?

どうやって飲むのですか?

どんな味?

料理は何を作ったらいいのですか?

コンティ神話は尽きません!ってことでしょうか?

以下、個人的な考えと感想です。

 

1、    金 額 

買い取り価格で35万〜40万円位が妥当です。

コンティは不思議な値付けで、他のワインのように30年前だからといって価格が倍になったりはしません。

元々が長熟ありきの考え方だからです。とは言っても、若いのと10万円位は違いますが・・・。

        

2、    生産年 

飲み頃の年を購入しましょう。

30年以上熟成して、初めてコンティらしさが味わえると思います。(今買うなら60年台、70年台前半)

若いヴィンテージだと、らしさがないのでDRCラターシュの方がお買い得ですし、むしろ美味しいような気がします。

ちなみに年の良し悪しは基本的に気にしないでいいです。出来が悪い場合は出荷されません。

 

3、    購入方法 

必ず信頼の置ける、よく知ったところで購入しましょう。

行き着けのレストランのソムリエに頼むのもひとつの案です。高い買い物なのでリスクは最小限度にすべきです。

※コンティに関しては特に香港返還のときに怖い噂が流れました。

日本の正規ディーラー物(サントリー)のDRCをアジアの某国が大量に購入して中身を入れ替えて日本に逆輸入したとか、財閥崩壊に伴い一時的にでたらめな管理方法で一気に劣化したワインを日本に輸入したとか・・・

 

高価な商品なので一番重要な部分です。酒屋さんというよりインポーターの問題で、ワインを解って売っているという評判と発言力がある酒屋さんとの日頃の付き合いが肝心です。

  

ネットオークションの個人からの買いはかなり危険です。この場合は10万円安い事より、品質へのリスクを減らす事です。

 

 

4、飲み方

 A、人 数

   2名か3名 それ以上は避けましょう。

   たまに、うちの店でも聞く話ですが、失敗の多いパターンで

 『10人で3万円ずつ出してみんなで飲んだけど美味しいのは間違いないけど、こんなものかって感じ、まあ、1回飲めたか
らいいわ』

 ・・・これは最悪です。

   要は状態が良くなる前に飲みほしちゃうわけです。聞けば、温度もいいかげんだし、何か可愛そうです。

 

B、場 所   

きっちとセラーを使いこなせるソムリエがいるフレンチのレストランに、持ち込み料を払って持ち込みしましょう。

  料理は任せましょう。多分高級なフォワグラや鴨料理になると思います。

 

5、    味   

僕もそう何十回も飲んだわけではありませんが、飲み頃のピノノワールのグランヴァンを想像してください。

  香り  普通はなめし皮や馬小屋と牛小屋のいわゆるくさい香りの熟成香が広がるときは果実の香りはリキュールや

      ジャムのような煮つめた香りしかしません。

 

      飲み頃コンティの共通香としてフレッシュ イチゴと馬小屋のかぐわしい香りが同時にする事があげられます。

      時間の経過と共にどんどん変わっていって、もったいなくて飲めなくなります。

      糖蜜のような甘い香りが始まる頃飲み終わるのがちょうどいいでしょう。

 

  味  基本的にDRCの凄さはその凝縮感です。樽のパワーに頼らずテロワール(土壌)の表現に力を入れます。

      従って自然な味わいの頂点と言えるでしょう。

      若いと酸味や渋みがしますが、飲み頃は酸味はおだやかで味わいとしての酸味、渋みは、ほとんど感じません。

      思わず無口になります。

 

6、飲み方  

若いのをどうしても飲みたい時はデカンタージュしますが、基本的にはしません。

  立てて置くと下から10センチ位が一番美味しいので、2人で飲むときはそのとっておきの楽しみがあった方が、良いです。
3
人以上で飲むときはパニエに寝かせて置きます。

 

     最終的には価値観の問題なので、この辺のクラスになると、何とも言えません。

だけど、年々楽しみも減ってきて、味覚も落ちる前の取って置きの日にご夫婦で古いコンティをじっくりと飲まれる姿はためいきがます。人生の様々な思いとその30年、40年を振り返るのです。あこがれますよね。

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2003年のボルドー、ブルゴーニュは実際どうですか?

話を遡ると2003年の秋にボージョレーヌーボーが解禁になった時に遡ります。

 

2003年のヌーボー:かつてない当たり年とされました。理由はフランスの異常気象、とにかく暑くて雨が少なかったので、ぶどうが完熟して糖度が高いからです。 

飲んでみると、確かに果実の濃さが例年では考えられない程で、ヌーボーらしさとは別に酸味が少なく美味しかった。

 

あらゆる、酒屋さんがプリムール(発売前の予約購入)を薦めました。 しかし、業界では、酸味が少ない事が致命的と言われ、ソムリエはこぞって、購入を避けました。

長熟の原則は酸味と渋みと果実味のバランスによるものでどれが欠けても長生きしないからです。

 

さて、実際2003年のヴィンテージはどうなのかというと、これだというほどまだ、飲んでいません。まだ、あまり、リリースしてないからです。

 

先日、モメサンの食事会に招待された時に醸造家の方がこんな風に言っていました。

 

2003年は1541年以来の気象条件(何でも、ブルゴーニュにはそんな記録が残っているそうです)で、あまりに暑くて、醸造方法いかんは特に赤ワインにはいい効果がでました。 非常に濃厚でアルコール度数が高いパワフルな出来です。

 

実際、モメサンのクロドタールの2003年はアルコール15%を超えていました。

僕にとって、15度を超えるフランスのグランヴァンは初めての経験で、まるで上品なカリフォルニアのキスラー ピノノワールのようでした。 不思議な事に今飲んで十分に美味しいのです。

比較で2002年のクロドタールも飲みましたが、むしろ2003年の方が早飲みです。要は酸味が少ないからです。

では長熟するのかというと、これは微妙だと思います。

 

白ワインもプイイフュッセを飲みましたが、こちらは明らかに酸味の不足でブルゴーニュらしい、きれいな酸味がなくまるでチリワインのようでした。

 

まとめると、赤ワインに関しては作り手次第では、とても珍しい年なので購入する価値は十分にあります。ただし、飲み頃には十分注意が必要で通常の半分位で考えてた方がいいかも知れません。

モメサンの食事会の1週間前にドミニクローランの試飲会があったのですが、ドミニク氏の奥さんがやはり、同じような事を言っていました。

 『誰が2003年は悪い年だと言ったか知らないけど、とんでもない事で、この年ならではの滅多に味わえない美味しさに感謝だわ。だって1541年以来だから・・・』

 

ただ、ワイン好きとしての問題点は2003年はどれも高いという事で、大体3050%アップでリリースされるでしょう。

何故高いかというと、モメサンに至っては生産量が少ないからだそうです。

ボルドーの2003年はまだ飲んでいません。

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ドメティック購入の際は水漏れ対策のために、床面には防水性のあるシートを敷くようにアドバイスを受けました。

水漏れはセラーの機構的な問題ではなくて、気候の兼ね合いで止むを得ないものだろうと思っていますが、起こるとしたらどの程度のものなんでしょうか?

(数滴程度、ある程度の範囲が濡れるほど漏れる...等等)

よろしく御願いします。

ドミナスでもレアワインハウスのオフィスでも水漏れシートは引いていません。

窓に面しているわけでもなく、濡れることもないからです。 そのアドバイスはメーカーの人に受けたのですか?

滅多にないことなのですが、万一のための保険(逃げ道)の意味合いが強いと思います。

(ドメティックさんごめんなさい)

 

通常の生活空間でその事例は聞いた事がありません。

仮に水滴がおこるとしても、置く場所の環境に左右されると思います。

(この時点で僕は結露と思いました。結露は中と外の温度差の違いで発生します。特に、ガラス扉は庫内温度を10℃以下     にすると、夏場はガラスの表面がべちゃべちゃになります。)

 

それに対して

 

 

125

回答ありがとうございます。

水漏れの件はセラーを持っている複数の人からアドバイスを受けましたので、以外と多いのかと思って参考までに聞いてみました。

複数の方と書いてあったので一般人とわかり何を水漏れといっているのか、わかったような気がしました。

多分ですが、以下のような事だと思います。お友達に教えてやってください。

 

(外からの水漏れ)

ドメティックのセラーには裏側に水受けのドレーンが付いています。通常は自然に蒸発します。

 

オーバーフローする場合は

  1、セラーの設定温度(庫内温度)を急激に上げた場合

    秋口に多く、暑かった夏も終わったから温度を上げようとした場合

  ※僕らは設定温度を変えません。年中14度に設定しています。

 

  2、外気温が急に涼しくなった場合

    一番多いのは、熱帯夜で前日までエアコンをいれてなかったのに暑くて寝られないからといって、エアコンをつけたまま、寝るとかいうとき

 

(中からの水漏れ)

  セラーの底に保湿用のスポンジ入り容器があります。 これが、オーバーフローすると、中に水がたまります。

 

  1、乾燥状態じゃないときに、霧吹きで保水する。

    レストランでワインが好きなソムリエがいる店では乾燥した季節は1日1回霧吹きをします。

    でも必要がないときにするとよくないです。

 

  ※僕らプロは水受け皿を一番奥に置きっぱなしにしています。

   内側の水がたまるからです。保湿は状態判断で霧吹きします。

  (湿度を60%割ったら毎朝、霧吹きします。 50%を割るとセラーとしての機能に問題がありそうです。)

 

セラーの設置場所は以下には置かないでください。

  1、お風呂の脱衣所

  2、直射日光がボディに当たる場所

  3、ベランダ

 

 ・・・という答えを送りました。

 詳しく聞いてみないと解らないものですね。 ドメティックは無音・無振動という画期的なセラーです。

 奥行きの大きさをクリアーできれば、この静かさは僕に取っては重要で、大型セラーのお薦めではイチオシです。

 8年近くドミナスのグラスワイン用セラーとしての激しい使用に対して1度の故障がないのも大きな魅力です。

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大型セラーの配送費と配送設置について、詳しく教えて下さい。

知人でインターネットで送料無料で申し込み、いざ配送されたら家の前に置かれて帰ろうとする。

『こんなに大きなものをドンと置かれてもどうやって設置するの』と、配送業者さんにクレームを入れたら、そういう契約と言われて困った人がいます。

毎年この時期にはそういうトラブルが発生すると、フォルスターやドメティックの知人も嘆いてました。

ちょっと、詐欺っぽい話です。

 

☆セラーは代理店との契約が済めばどこの電気屋さんでも、酒屋さんでも、お客に売る事が出来ます。当然ワインを熟知してなくて、セラーの知識もなく、実際使った事もない素人でも売れます。そこにロマンがないから、こういうトラブルが発生します。

 

配送業者:

配送のみは路線便の運転手一人で、配送します。

(従って、原則トラックの上での、引き渡しです。そこから、先は自分で運ばないと、いけません。)

配送設置はピアノ運送業者が2名で配送して、設置します。

(指定場所に組み立て設置して、ごみも持って帰ります)

 

金 額:

配送先や大きさによって異なりますが、設置の方が1万円以上高くつきます。

 

トラブルの手口:

『配送込み』とか表示されて、購入したら配送のみだったというパターンが一番多いようです。

購入先にクレームを入れると、ページの下の方をずっと、探していると、配送内容が記入され、設置の場合はプラス料金になっており、気づかなかった客が悪くなります。

そこで、運送業者に文句を言っても、契約内容の違いで、言えないし、卸し元のメーカーに言ってもどうしようもないので、泣き寝入りという事になります。

 

配送のみは基本的に活きのいい男手が3人から4人いないと無理です。レストランや会社のサロンに配送する事でこの条件があります。

配送途中の事故(重くて落として壊れた等)はお客さま負担になり、予想以上に重いのでこのトラブルも多いです。

 

セラーの会社もいろいろあって、歴史があってワインブームの前からロマンをもって一生懸命やっている会社もあれば、売れるからといって中国で安く作って安く売る新規参入の会社などいろいろあります。
(当然、売れなくなると撤退する会社だけにアフターが心配です)

 

長い間、使いたい物なので、値段だけに追われず良く検討して下さい。 実際ドミナスでもデモ器で使用して使い物にならない性能のセラーもあり弊社では、販売を断りましたが、今でも普通に売られています。

古くからある、大型セラーのメーカーでも振動や音がうるさくて買い換えたいけど・・・というドミナスのお客様も結構います。

 

何でもそうですが、情報が氾濫すると、代理店や販売店のモラルも低下して行くのはとても残念な事です。

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クール便を使った方が良い季節になってきました。

『個人的には、自宅で普段飲み用を送ってもらう時には、真夏でも普通便で送ります。レストラン使用の時は雨の日以外はクール便を使います。』

・・・と前回のメールに書いてありましたが、ワインは吹いたらダメじゃないのですか?

毎年、この時期には同じ質問が来ます。今、楽天のお店紹介のコーナーにソムリエQ&Aを立ち上げていますので、もう少々   お待ちください。

 

1、ワインが吹く

温度差・気圧差によってワインが膨張して、瓶からもれる状態を言います。糖度の高いワインほど吹きやすいです。(ジンファンデル等)

従って、夏場にセラーから屋外に出すと一気に吹きますが室温のワインを屋外に持っていってもそう簡単には吹きません。

キャンプや登山に持っていく人は、前日にセラーからお部屋に出して持っていくと良いです。

 

2、吹いたワインの見分け方

  A スクリューキャップが回らない(中でへばりついてる)

  B ラベルが汚れている。

  C 液面の量が減っている。

 

3、劣化

 ワインが吹くと急激に酸化して、熟成がすすみ、劣化します。

 

・・・とは言っても吹いた瞬間に劣化するわけではなく、過去の経験から1ヶ月やそこらで飲めなくなることはまず、ありません。 むしろ、堅すぎてあと3年は早いなと思ったカベルネをうっかりして吹かした時に、早く飲んであげなきゃと思い空けたら、何とも飲み頃の素晴らしい味になっていた事もあるので、ワインは不思議です!

 

・・・という訳で、僕は自宅用の普段飲みで1500円くらいまでのワインを送るときには、吹く事は気にしません。

レストランでは、吹いたワインは商品価値がないので、お客様には出せないので、クール便という訳です。

高いワインは、やっぱり不安なのでクール便がいいです。

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酒があまり強くない知人が、イタリアワインだけは好んで飲んでいます。

理由を聞いたところ、「イタリアワインは製造の審査がとても厳しくて、糖分とか、アルコールとかを一切加えることが許されない、純粋の葡萄酒だと聞いたから」とのことで、実際、お酒を飲んだ後の不快感が一度もないと言っていました。

これは本当でしょうか?

EU諸国のワイン醸造規制

EUでも加盟諸国を7つの気候区分に別け、それぞれ最低アルコール度数、アルコール補強(補糖)、補酸、除酸などの規定があります。イタリアでも補糖・補酸は普通に行われます。

 

要は暑いところでは補酸が(暑いとぶどうの果実味は濃くなり、アルコールは高くなるが、酸味がすくなくなる)、

寒いところでは補糖(日照条件が悪くなるために、糖度があがらない、酸味は自然にでる)

・・・という風になっています。

 

アルコールはスティルワイン(普通の白ワインや赤ワイン)の場合一切加えてはいけません。

従って発酵段階で濃縮ブドウマスト(果汁)を混ぜて発酵し、アルコール度数を高めます。

補酸、補糖をしないで作るというのは、『イタリア』ではなく『そのメーカー』という事でアメリカやフランスなど、どこの国でもやっているところはあるかも知れませんが僕の知識情報では、知りません。

(ただし、あったとしても、ブドウの出来は毎年違うので、毎年かどうかは疑問です。又、法律の規制は厳しそうでいい加減な部分もあって、何ミリグラム以下は表示しなくていいというあいまいな部分もあります。)

 

ちなみに、カリフォルニアでは補糖は禁止されています。これは、日照条件が良いからです。それでも、アルコー15%を超えるワインがごろごろ、あるのは凄い事で僕のカリフォルニア好きもその辺にも理由があります。

お酒を飲んだ後の不快感が一度もないと言っていたのは、多分高価なワインばかり飲んでいたか、そういう体質だと思います。ブランデーや日本酒と同じで安価なワインを飲めば僕も頭が痛くなります。高価なワインを飲めば基本的に二日酔いはしません。

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ワインを3本持って行ったのですが、シャンパンと白ワインはコンビニで買った氷で急速に冷やして飲みました。

赤ワインも温度が高いと思ったのですが、この場合も氷水で冷やして良いのでしょうか?

シャンパンや白ワインはとにかく、冷やせば良いので氷水に漬ければ良いです。

 

 (赤ワインの温度調節)

 1、温度が高い場合

   氷水に漬ける。目安としては、1分間に1℃弱下がります。

   室温25℃と仮定した場合、10分間漬けると大体16℃から18℃になります。

   ただし、これはボトルネック(首)までどっぷり浸かってる場合で例えば、半分位しか浸かってない場合は、途中でゆっくり上下をさかさまにして、内部を移動させます。時間も比例して倍の時間を要します。

 

 2、温度が低い場合

   一般的には、お湯に漬けたりはしません。

  A,ボトルを手で暖める

  B,グラスに注いで手で暖める

  C,タオルにお湯(アツアツは不可)をたっぷりふくませて、ボトルに巻きつける。

 

※今は便利な道具もあって、電子レンジであっためて、巻きつけるエクスプレスアイスワインクーラーというのもあります。

☆ここからの季節、キャンプなどの野外レジャーのお供でクーラーポックスについ、長時間入れすぎたりしたときに活用してください。 ちなみに、エクスプレスは電子レンジで暖めるので野外には向きません。

 

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1,御社で取り扱っている「ルージェ社」のフォアグラは、ルージェの中でも最も高価なものでしょうか。

そうでなければ、ルージェ社で最も高価なフォアグラを教えてください。

また、国内で手に入れられるかどうか教えてください。

 

2,「ルージェ社」以外のフォアグラで最も高価なものがあれば教えてください。もし、あれば、それは国内で手に入るかどうか教えてください。

 

3,上記、12を合わせまして、国内で手に入る最も高価なフォアグラを教えてください。

まず、重要なのは美味しいフォワグラを高級フォワグラとするか、高価なフォワグラを高級とするか?によって考え方がかわります。 レストランのオーナーまた、ネットを通じて食文化を提供したいと考える弊社としては、あくまでもTPOに伴うコストパフォーマンスです。

 

1、フォワグラは焼き方に大きく味が左右されます。

家庭で食べるフォワグラとレストランで食べるフォワグラでは、がちょうのフレッシュだと家庭では難しい(脂が少なく旨みが凝縮している反面、焼きすぎる事になりやすい) むしろ、家庭ではコストパフォーマンスから言っても技術面から言っても冷凍の鴨のフォワグラのほうがお薦めです。

 

2、いいフォワグラほど水を飲みながら食べると重い(合わない)ワインに大きく左右される。

また、ワインのチョイスは重要で、夏か冬かでも変わってくる。更に、料理を食べる順番や付け合せによってもワインのお薦めは変わる。

フォワグラは白ワインでも赤ワインでも合う料理。 問題は前後の料理。

単品で食べるかフォワグラのみで食べるか、ソースは甘いか、その人の好みは、ハンバーグの中に入れるなど調理方法によっても変わります。従って、単純に価格だけで判断できるものではありません。

 

3、フレッシュか冷凍か加工品(缶詰類)か

弊社の取扱いはフレッシュのオア(がちょう)であればハンガリー産かイスラエル産です。(フランスもハンガリー産を輸入しております。)

フランスでもフォアグラオアは生産されていますが農家の数は少なく、また、三ツ星レストラン等と契約しており輸出するのであれば、その残りが出荷され品質的には問題有りかと思います。カナール(鴨)のフォアグラはフランスで盛んに生産されています。

 

※多分、このパターンが最も高価なフォワグラです。 つまり、3つ星レストランとの専属契約なので、一般に定価はなく、最も高価でしょう。ただし、品質は当然良いものから優先してシェフに回すでしょうから、一見さんの購入価格は高いけど、品質には問題があるということです。

 

4、冷凍についても技術向上がめまぐるしく、いわゆるショック冷凍により解凍時にはフレッシュ同様の品質が保たれています。 (ショック冷凍⇒IQFIndividual Quick Frozen)とよばれる冷凍方法です。

最近では缶チューハイの宣伝でレモンを−196℃で瞬間冷凍というのがありますがまさにその方法です。)

IQF方式により固体の細胞を破壊することなく冷凍でき、解凍時にドリップが防げ風味も損ないません。

 

5、弊社で輸入しているフォアグラ(がちょう・鴨・フレッシュ・冷凍)はいずれも現状では最高品と考えて頂いて結構かと思います。

※話をまとめると、冷凍 鴨のフォワグラ レストラシオン(ドミナスでも使用中)が、日本で入手可能な最もコストパフォーマンスが良いフォワグラだと思います。

131

ワインは大好きでもっと美味しく飲めるなら勉強したいとも思います。

ドミナスのワイン会にも参加したいのですが20種類以上も昼から飲むと倒れてしまいそうな気がします。酔わないで飲む方法はありますか?

ありません!酔います!!加えて、夜飲むより昼の方がアルコールはさらに回ります。

基本の対策としては

1、ワインを飲んだ量だけ水を交互に飲む。例えば50ccのワインを飲んだ後は50ccの水を飲みます。 夜のレストランディナーでも同じ事がいえますが、多分酒量を倍以上摂取する事が出来るでしょう!

僕も外で飲むときはガバガバ水を飲みます。(トイレは近くなりますが・・・)

 

2、ワイン会の時はこれは特に美味しいと思ったもの以外は吐き出す!

通常、どこの試飲会やワイン会に行っても紙コップが用意されています。もったいない、ばちあたりな・・・確かに一理ありますが、吐き出す事により、酔いを抑え的確な評価が次に繋がります。 同じ理屈でワイナリーのテイスティングルームにもテイスティングポット(吐き出し用のポット)があります。サイドウエイの映画でフェスパーカーのワイナリーでマイルスが大暴れして、全身にワインをかぶった、あのバケツです。

 

3、空腹は避ける

あまりに基本ですが、ワイン会の1時間前位に腹5分位でそばかうどんを入れておくと、アルコールは回りにくくなります。   経験上どうも、ラーメンだとよくないです。(脂っこいのがよくないのかしら?)

・・こんなんで、参考になればいいですが。

132

1、オマール海老をフランスで食べたとき日本よりも随分安いイメージがありました。

しかも、とても美味しかったです。日本では何故こんなに高いのですか?

2、御社で売っているオマールは、活けの状態で届くのでしょうか?  面白そうなので一度飼育してみたいのですが・・・

2つの質問は、一つの答えに結びつきます。まず、2からお答えします。

 

(以下はオマールを出荷している、業者さんの専門的な答えです。フランスから空輸で取り寄せ、自社で大きな水槽を用意して、飼育して生きたまま出荷します。)

 

オマールの飼育について、家庭では設備が問題です。 飼育する為には最低限の環境を整えてあげる必要があります。

まず、海水です。 専門店で販売されている海水の素(商品名アクアマリン等)を希釈しカルキ抜きをしなければなりません。

次に海水温度です。オマールは海底に生育しており、510℃に保たなければなりません。 熱帯魚飼育用の加温器は量販されておりすぐに手に入ると思いますが冷却器は専門店でも稀少であり高価な商品です。

 

海水と設備が整えば基本的には飼育可能かと考えます。

しかし、オマール専用の餌等は恐らく無いのではないでしょうか? 生魚の切身等で大丈夫かと思いますが、食べ残しが水槽内で腐敗を始め海水が濁ると生存率も低下します。 こまめに海水は入れ替えなければなりません。

上手く説明できませんが家庭での飼育は難しいのではないでしょうか?

 

※つまり、活きた状態で出荷する為にはフランスから輸入して、国内で育て続けなければなりません。その為には、設備、えさ、人手などお金がかかります。

 

冷凍だと半額で入るのは、当然かも知れません。関税や輸送コストも考えるとフランス旅行して食べたときの3倍位の価格が活きオマールの場合、妥当だと思います。

 

レアワインハウスで販売している、オマールはおがくずに詰まってガサゴソ生きた状態で配送されます。

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イベリコ豚と普通の豚の違いは?

外観:

普通豚肉は火を入れると白い肉になりますが、イベリコは赤身肉です。イベリコの血を75%以上でイベリコと名乗れます。
100
%は日本でも珍しく、なかなか見かけません。高級なイベリコ豚ほど身が赤くなるようです。

 

香り:

脂の臭みがなく焼いた後もいい香りがします。

 

味わい:

一番の特徴は肉汁で、噛んだときにジュワーっと来る旨みが違います。 牛肉のような、子羊のようなどちらとも違うような独特の味わいです。 特筆すべきは脂で口の中でさらりと解けていきベタベタしません。

 

※通常の豚肉や牛肉に比べて一言で言うと上品な味わいです。 ドカッとくるインパクトは少なく食べるほどに少しずつ堪能できます。 若者向けのお肉じゃないような気がします

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イベリコ豚の美味しい調理方法は?

今回の件ではっきりしましたが、どの部位でも共通して言えるのは煮込みには向かない、シンプルに焼くのが一番いいようです。部位別にもう少し詳しく書くと 

  

・セクレート(腹部の脂肪と脂肪の間の肉)

 若者一番人気の部位です。上品な 特上牛カルビのような味わいです。僕らの年代には100gは多いですね。

 調理方法は網焼きで、塩コショウとレモンがお薦めです。

 

・パパダ(顎下肉 首の肉 トントロ)

一言でいうと脂身なので、かたまりのまま、茹でて水洗いします。その後、細長くカットして、焼くといいのですが、トマトソースとの相性がとても良いのでスパゲティの具にも適してます。

 

・ソロミージョ(フィレ肉)

 個人的に一番好きな部位です。薄切りにしてサッとあぶる様に焼くいてサラダの上に乗せたりしても美味しいです。

 一番美味しいのはベーコンで巻いてソテーでしょう。

 

・ブレッサ(肩ロースと肩肩甲骨間の肉)

 そのまま、スライスして焼いても柔らかく美味しく食べられます。ゴロンと大き目にカットしてのローストが一番美味しいです。

 

・トチーノ(背脂)

ただの脂ではありません。今回トチーノで巻いたほほ肉のテリーヌを食べたのですが、いつもは脂を外して残す僕も自然に美味しく食べられました。過去の経験ではない食感で口の中でとろけていきます。 ハンバーグに混ぜて焼いたり薄切りの牛肉の間にはさめて焼いたりすると手軽に上質のさしが入った和牛のように味わえます。

 

・カリジャーダ(ホホ肉)

 スライスして焼くと上品な牛タンのような味わいです。塩レモンで。

 

・ロモ (骨なし・ロース/骨なし背肉)

 ロース肉なのでステーキが一番です。

 

・ロモ 骨付き(ラック)チョップ

子羊のラムチョップの要領で焼いてください

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ちょっと面白い記事を見つけたので・・・。浜松のベンチャー企業がワインの熟成をコントロールする技術を開発した、というものです。

 

一部引用

『数秒間電気を通しただけで“20年もの”のワインができる装置を開発した。アメリカのワイン製造工場で試験導入したところ品質改善効果が明らかになった。』

『開発直後、ワイン生産国イタリアの食品会社に装置を送ったところ、担当のローマ大学教授が味の劇的な変化に驚いたという。

しかし、ワインの伝統を重んじる国柄から製法を変えることに抵抗があり、導入には至らなかった。そこで昨年10月、米カリフォルニアワインを製造するサンフランシスコ近郊のワイン製造工場と交渉し、装置を試験導入した。』

『装置の効果はすぐに証明された。導入後、工場から田中社長の元に

「貯蔵時間の短縮でコストが20%削減できた」「熟成の管理ができ、日程を組めるようになった」と感謝状が届いた。』

 

この手の話は、我々が知らないだけで業界内ではよくある話なのでしょうか?この技術が普及すると、(ヴィンテージそのものに特別のこだわりが有る場合を除き)熟成後のワインを味わう為に、古いワインにリスク承知で高値を払うことはなくなるのでしょうかね?

「天然ダイヤと人工ダイヤとどっちが良いか?」みたいなもんですかねえ・・・

どうでしょうね?面白い話ですね。

クレデュヴァンと似たような感じでもっと大掛かりになっているのでしょうか?

 

良いことは、例えば2000年のシャトーラツールは最高の出来だと聞きつつ、最も美味しいのは2040年とか言われても『もう生きてない!』と思う人は少なくないと思います。

そこにロマンは感じるけどとりあえず飲みたいと思う人には吉報です。

 

気になったのはカリフォルニアのワイナリーですが、どこがやったのでしょう?さすがにヨーロッパではやらないでしょうね。

ちょっと調べてみたけど解かりませんでした。(普通、シークレットですよね!)

 

きちんとした状態で熟成するのかも、気になる所です。

・・・ワインも少しずつですが根付いて来たので、いつまでも伝統とか格式ばかりを追いかけてもしょうがない気もしますが、

ちょっと複雑な心境です・・・。

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ワインをネットで買いました。

暑かったのでクール宅急便で送ってもらいました。部屋に置いてたら、気づいたときには吹いてました。

室温は30℃くらいだと思うのですが、それくらいでも吹くのですか?

それとも、初めから吹いてたのかしら?

この季節、たまーに聞く失敗しやすい一例です。

先週はとことん暑かったですが、グラスワイン用のワインを普通便でドミナスに送ってもらったときは、全然吹いてませんでした。

吹くという現象は何も暑いから吹くだけではなく、むしろ温度の急激な変化の方が多いような気がします。

つまり、ちょっとずつ温度が上がって『暑いところ』でも、なかなか吹かないけど、『寒いところ』から『温いところ』に移動して吹く事があります。

クール宅急便で荷物を受け取ったら、ワインセラーにすぐ入れるか、冷房の効いた部屋に置いてください。

セラーを持ってない方でお出かけするかたは、水の中に漬けて置くのも一つです。

何度も言いますが、普段飲みのワインが、吹いたからといってそこまで嘆く事はなく、むしろ美味しくなることもあるので、吹いたらさっさと飲む位の気持ちでいいですよ!!

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ドミナスで出しとー、ガスパッチョ(トマトの冷製スープ)の作り方を教えちゃらんかいな。

家で子供たちに食べさしたかっちゃばってん!

実は今、ドミナスで出しているガスパチョは超簡単レシピでした!

 

ガスパチョ(1人前) ※必要人数に比例させてください。

 

材料

 トマト Mサイズ(なるべく熟れて柔いの)           1

 エシャロット(なければ、玉ねぎとにんにく耳掻き半分位) 5

 赤ピーマン (皮はむかないでそのまま)          510

 塩 (なるべく美味しい塩)                    適量

 タバスコ                               適量

 エキストラ ヴァージンオイル                  5cc

 ローストした松の実(ナッツでも可)               少々

 ディル(なくても可)

 

作り方

 1、オイル・松の実・ディル以外を全部、ミキサーに入れて回します。

 2、一通り回ったら、ミキサーの上の蓋を外してオイルをちょっとずつ入れます。(乳化してとろみが出ます)

 3、良く冷やして(器も)松の実とディルをのせて出来上がりです。

※焼いたパンを一緒に回す人もいますが、僕はこっちの方が夏向きで好きです。

 食事として食べるのでしたクルトンを上に乗せると良いです。

 決め手は原材料ですが、ポイントは塩です。 ドミナスではカマルグの塩を使っています。

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スパゲティを食べる時にスプーンとフォークで食べるのは、ヘタクソで、フォークだけで食べるのがカッコイイと聞いたのですが、フォークだけで上手に食べられません。

何かコツがあるのですか?

1、フォークだけで上手に巻き取る方法

  フォークを利き腕に持って、お皿と垂直に立て(90度)時計回りにグルグル回すと、片手できれいに巻き取れます。

 

2、スプーンの意味

昔(僕がホテルレストラン専門学校に通っていた時、25年前)は 『 テーブルマナーでイタリア人はスプーンを使わない。スプーンは不器用なアメリカ人が巻きやすいように使い始めた。日本はアメリカの食文化が入ってきた時にスプーンを使うようにされた 』・・と習いました。僕らの子供の頃のイメージは、スプーンとフォークが紙ナプキンに包まれて、ナポリタン スパゲティと一緒に出てきてたのを覚えています。 ちなみに、カレーライスは氷水が入ったコップにスプーンが突っ込まれていました。本当にアメリカ人が不器用かどうかは別として、マナーはここ20年で大きく変わりました。 無理してフォークの丸い方にご飯を乗せる時代ではありません。 マナーは人に迷惑をかけないで食事を楽しむ最低限の決まりが、本質です。

イタリアン業界では、イタリアンのスパゲティは食べ終わった時にソースが残って いないのが、丁度良いソースの量とされます。 アメリカの西海岸のレストランに行くとその型にはまらないで、スパゲティの上に焼いた魚や肉がドーンとのって、ソースもたっぷりな料理をよく見ます。これは、僕らから見るメインディッシュです。(スプーンも使う事が多いです) 東海岸は、ヨーロッパに近いせいか、結構忠実にイタリアンやフレンチを再現するような気がします。(フォークだけというのを、聞きます)

 

3、ドミナスでは

スプーンも出します。

というのは、僕が好きなスパゲティはソースたっぷりで細めのパスタに絡ませてワインを飲むのが好きだからです。

つまり、ソースの量はイタリアンに比べるとかなり多めで、食べ終わった後もソースが残り、パンにつけて食べるくらいが丁度良いという、解釈です。白・赤を問わず、酸味の少ない、重いワインにはソースたっぷりが美味しいです。

 

4、結論

以上の流れからして、スプーンなしでフォークだけで食べるのがカッコイイのではなく、要はその料理のあり方を見て(ソースが多いか?具が多いか?など)スプーンを使うかどうかを判断したら良いと思います。

料理人の思いを汲み取って、美味しく食べてあげるのは最高のマナーです。

(勿論、価格に見合う美味しい料理が提供されるのが大前提ですが・・)

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ドミニク ローラン ボジョレ 樽ヌーヴォ 2005  54,000ml

樽で購入する場合には酸化防止剤ははいっていない、と聞きましたが、この製品ではどうなんでしょうか。

酸化防止剤については、皆さん気になるところでしょうから、

合わせて説明いたします。

 

1、樽ヌーボーには、酸化防止剤(SO2)は、入っていない?この話は、僕もどこかで聞いた事があります。

    ヌーボーは、本来新酒のお祝いですから、通常は12月初め、遅くてもクリスマス 前に飲むものです。(その年のうちに)

  樽に至ってはもっと早く、11月いっぱいで飲み終わります。従って、瓶よりも早く飲む意識が強いために酸化防止剤を添加

  しないという訳です

 

2、昨年の話ですが、酸化防止剤の件でお問い合わせがあり、ドミニク本人に聞いたとこ ろ、本人は殆んど使っていないと

  言っておりました。 本人曰く、あくまでも自然的なことだ!と言い張っておりました。

  この殆んどというのがミソです。

 

(理由)

a,ワインは発酵する段階で、SO2が自然発生します。

  b,どうしても樽や瓶など微生物を殺菌する為に、洗浄する段階で少し含まれてしまうという事。

c,瓶詰めをする段階で、ワインを注入した後の瓶中の空気の中に少量入れるという事。

 

☆従って、ヴィオディナミと呼ばれる、ワインにも全て元から含まれています。

 後からSO2を足すか足さないかという、問題です。量的には微量で、気にする事はないと言われます。

 温泉に行って、温泉水を飲みませんか?

 泉質にもよるでしょうが、EUの規定に基づくワインの数十倍から数百倍のSO2が含まれていると、ききます。

☆その上でSO2を少量、使用するか否かは、ワイナリーの考え方に左右されます。

 

3、アリエルワイン

これは、逆の意味で日本に輸入が禁止されたワインです。 ノンアルコールワインとも呼ばれますが、0.5%位のアルコールが含まれています

日本では1%以下は、清涼飲料水の扱いになるので、ノンアルコールとも謳えますが 最近は揚げ足とりの消費者予防で超微量アルコールワインとか、よく言います。

先ほども説明したように、ワインを造る段階でSO2は自然発生する訳が、ワインを造ったのち逆浸透圧でアルコールを除去するアリエルワインの造り方では、自然な部分でのSO2が含まれています。(その後の添加なし)

 

日本の輸入のしばりの中で、清涼飲料水にSO2が含まれている場合は禁止になったようで、アリエルワインは本国のアメリカでは普通に売られていますが、日本では新たに入荷できなくなったという訳です。

たしかに、安いワインを飲んだら頭が痛くなったという経験は僕にもありますし、原因がSO2はないかという話はよく聞きすが、近頃は規制もうるさくなり、極端に安いワインを飲まない限り、最近はそういう経験をした人も少ないと思います。

 

※結論としては、酸化防止剤=SO2に関しては、そう気にする必要もないと思います。 

140

マリアージュについて聞きたいのですが、このワインとこの料理レシピがかかれた本などは、存在するのでしょうか?

あの飲み物を口に含んだ瞬間、幸福に包まれる、そんな瞬間の書かれた本があれば紹介してください。以上 よろしくお願いします

1、まず、僕は本を見ながら書いている訳ではなく、今の自分のレベルの中で、思った事を書いているだけです。

僕は、高校生の頃からアルバイト(福岡配膳組合に入ってホテルの宴会でサービス)していて、和食の板場やレストランのコックを経てソムリエになっています。

要は長いことやっている訳ですが、特に独立して美味しい食事とワインが追及できました。まだまだ、見えない、知らない事も山のようにあります。ワインは深くて、とても生きているうちに極めることは無理そうです。

 

2、本も昔はいろいろ読みましたが、結局のところ嗜好に基づくものなので、最近は情報誌しか読んでいません。

(時間も取れないし)

 

> あの飲み物を口に含んだ瞬間、幸福に包まれる、そんな瞬間・・・

 

とても、いい表現ですね。関高健氏が書かれた『ロマネコンティ』がそんな感じでしょうか? 僕が特に好きな本は、『カリフォルニアワイナリーの四季』や『ブルゴーニュ 黄金の丘』のように、醸造家の気持ちが伝わる本が好きでワインを飲む時に、こんな苦労や、あんな努力があったんだなーと思うと、ワインが、もう一つ美味しくなります。

食べることが大好きなので、ワインを飲みながらさらに美味しくなる感動の瞬間が続く事が幸せです。

お客様のそんな瞬間を目の前で見られる、レストランはとても楽しいです。幸せを提供できる・・ソムリエ冥利に尽きる・・って事でしょうか。

ワインは単体で楽しむよりも、食事とあわせた方がずっと美味しくなります。料理を絡めた酒屋さんがあったらいいなーと思って楽天に出店しました。

もう1年になりますが、登録や雑用に追われて完成度は低いです。(・・・30点位)

ドミナスでは、初めは個性が大事だと思って、シェフに味付けをまかせていましたが、年齢やキャリアなどで大きく変わり、お客様の反応も、やっぱり・・と思う事も多かったので、ここ数年、自分が最も美味しいと思う料理を作ってもらっています。

このオーナーソムリエのわがまま(?)が、コックさんが変わる理由の一つでしょうが、それでも、今、自分が一番行きたい店にしたいのです。

そんな事を考えながら毎日仕事していると、マリアージュが少しずつ見えて来ました。 席数が25席しかない小さなレストランなので、お客様のコミュニケーションも取り易く意見が拾えます。(でもそれゆえに、初めの方は特にうるさいソムリエだなーと思ったお客様、ごめんなさい。最近は静かですよ) ここまで来たら、行き着くところまで行きたいと思っています。

幸い、良いシェフに巡り合えて今のシェフには、過去最高に満足しています。

機会がありましたら、ドミナスにも是非1度お越しください。

141

オイルを見ていて思ったのですが、いろんなオイルがあって、使い方がわかりません。

特徴や調理方法など教えていただけると、ありがたいです。

いい質問ですね。確かにサイトでは説明不足だと思います。申し訳ありません。考えたら、レストランの者でも知らない人が多いです。

 

1、基本の考え方

オイルは二極化します。素材を引きたたせるオイルとオイルの個性を打ち出すスタイルです。以下一般論です。

※加熱用(素材を引きたたせるオイル)

  グレープシードオイル

  ヒマワリオイル

  ピーナッツオイル

  ピュア オリーブ

 

※仕上げに使用(オイルの個性を打ち出す)

  エキストラヴァージンオリーブ

 ヘーゼルナッツオイル

   クルミオイル

    ピスタチオオイル

     アルガンオイル(極めつけです!)

 

加熱しないで使用するか、あるいは調理の最後に使用して蓋をしてこもらせる程度の加熱です。

 

※両方使用できるオイル

 コルザオイル

 

2、料理の付け合せとしての使用

※メインの引き立て役の場合

付合せが出しゃばらないようにする場合はクセの少ないオイル、ピーナッツもしくはグレープシードを使用する場合が多くなります。(イコール 素材を引きたたせるオイル)

 

※付け合せ(ガロニ)も主張して、メインをよりインパクトを出す場合

付合せでも主張する場合は、エキストラヴァージンオリーブオイルが代表的ですが、クルミオイル、ハシバミオイル(コルザ)なども使用します。

 

3、具体例として

  これからキノコのシーズンになります。冷凍キノコも含めて、旬の日本のきのこの場合

 

12を当てはめてください。又、バターとも非常に愛称は良いです。

バターだけで調理する場合もありますし、それぞれのオイルにバターを少量加えて調理する場合もあります。

もうひとつ、キノコはニンニクやエシャロット、シブレットなどの香味野菜やクリームとも非常に愛称が良いです。

合わせるワインとしては一般論として、熟成タイプのピノノワールやシラーが合うとされます。

 

9月のドミナスワイン会で、一通りのワインを実際に合わせてみますので後日、ご報告します。

スーパーでお刺身を買ってきて、更に薄切りをして、塩と共に振りかけてカルパッチョに使うオイルはエキストラ ヴァージンオリーブオイルですが、上記『仕上げ用のオイル』をかけると一味違う美味しさが楽しめます。

 

4、特徴としては、品名にその特徴が面白いほどよく現れています。

  オイルやヴィネガーは少々では悪くならないので、いろいろな種類を常備しておくと何かと便利です。

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カレラはなぜ、レストランで売られなくなるのですか?

1,カレラとは

カリフォルニアの大御所ワイナリーです。カレラ ジャンセンはあまりに有名で、ロマネコンティを追いかけて通信衛星でコンティと同じ土壌を探したとか、苗木を密輸したとか、有名なソムリエがコンティとジャンセンを間違えがえたとか、漫画にのったとか、いろいろな話があって、ワインブームの98年頃大騒ぎになりました。

今では、本国では生産量が少ない、セリックのほうが高値で取引されています。

日本では高級ワインの位置づけで販売されていました。

 

2、カレラの価格は 税別

             アメリカの小売価格     日本の小売価格

                       (代理店 中川ワイン販売)

シャルドネ エルニーリョ        $10.5         \3,000.-    

シャルドネ セントラルコースト    $14            \4,200.-

シャルドネ マウントハーラン     $34            \6,000.-   

ヴィオニエ                 $36            \6,000.-

ピノノワール エルニーリョ        $12.5           \3,000.-

ピノノワール セントラルコースト    $20            \4,500.-

ピノノワール リード              $45           \10,000.-

ピノノワール ミルズ             $40            \9,000.-

ピノノワール ジェンセン          $50            \12,000.-

ピノノワール セリック            $55            \13,000.-

 

3、日本の値付け(カレラ シャルドネの場合)

 代理店の仕入れ価格     14ドルを半額で仕入れて7ドル(840円)のワインをコスト(船賃とか、関税とか)や戦略費用で最終仕入れ価格が4,200円になるわけです。

これは、10年前のワインが殆ど動かない状態での倉庫保管料がそのまま入っている状態で、今考えると少し高すぎるなーと正直思いますが、カレラはその品質に価格が伴っているので、文句はありませんでした。

 

日本の小売価格の設定(仮に10,000円)

 

卸(問屋・酒屋)       55%〜 60%    (5,500円〜 6,000円)

酒屋売価・店頭通信販売 80%〜100%    (8,000円〜10,000円)

※一般に酒屋は一般客には、6,000円で仕入れて8,000円から9,000円で売ります。レストランには7,000円で売ります。   

 

レストラン仕入れ      65%〜 75        (6,500円〜 7,500円)

レストラン売価     FC30%〜 50%     (25,000円〜13,000円)

※レストランは、7,000円で仕入れて20,000円で売ります。(F/C 35%)食事のコストとトータルで35%より下回らないと店はつぶれます。

ドミナスは特殊なレストランだから、小売プラス2,000円で販売価格は12,000円です。

   

4、ワインの流通

上記の流れが、過去の流れです。代理店は酒屋やレストランの利益を考えて価格を設定します。

 

この仕組みのメリット

A、販売網が確立できる。

B、一つのワインを複数の人に伝えられる。

  特にレストランのソムリエから料理を交えて一般消費者に最高の状態で飲んでもらう事が出来る。

C、ワインのステータスを保つ事が出来る。

  正しい情報をプロを介して消費者に伝える

 

デメリット

A、酒屋やレストランのメリットを考えなくてはいけないので、アメリカのリテールプライス(小売価格)より割高になる。

  イコール 消費者にタカビーなもの写る。

B、酒屋やレストランにサンプル、定期的な試飲回、ホテルの1室を借り切ってワイナリーの人を呼んで、説明会やその人のホテル代など経費が発生する(その分を利益にのせないといけない)

 

5、新しいタイプの酒屋さんの出現

輸入免許を取得して、独自で輸入をします。

酒屋やレストランに卸す事をせず、ダイレクトに消費者に販売します。

当然、コストは削減され、今まで日本の小売価格10000円 販売価格 8,000円だったのが 6,000円で販売する事ができます。つまり、酒屋に卸す価格が消費者の販売価格になります。さらに、サンプルコストや予備費を考えない分安くなります。

例えば、カレラのシャルドネは 小売価格       4200

                 レストラン仕入れ価格 2520

・・・だったのが、某○○○屋さんでは、店頭販売   2100

という、情報が入っています。(3本で5200円という情報も)

当然、比較しやすい商品なので、頑張って安くしたという戦略も含まれているでしょうが・・・・。

 

この仕組みのメリット

A,とにかく安価で販売できる。

 

デメリット

A,大量に在庫をかかえないといけない。

ワイナリーとのお約束の引く量や輸送コストを考えると、かなり大量になります。

 

B,一つの販売網になるので、ワインの情報が偏る。

つまり、独占することにより安く売れるものの、例えばレストランの食事とのマリアージュの評判や、ワインの瓶差、ブショネの確率、熟成の進み方などのプロの情報が全く入って来ないで、消費者の意見と身内の意見のみとなります。

 

C,値くずれを起こす

本国で売られている価格よりも、安くなったりします。

当然、本国の消費者からクレームがつけられ、本国用のワインの価格を下げます。この調子で価格は下がり、ディスカウントワインと言われ評価は下がり、ワイナリーはなくなって行く恐れがあります。

現地の人は自分たちが自分たちの国のワインは一番安く飲みたいものです。

 

D,専門性

当然チェーン店で多角的に展開していく訳ですからワインを扱う人は多数必要となります。全ての人がワインに対する知識を持っているとは思えず、マニュアルが発生します。ここで問題なのは思い入れの部分で、取り扱いが粗雑になりやすいという訳です。特にいろいろ支店があってフェアの度に移動させるのは大変危険です。

 

※これは酒屋さんですが、この仕組みをとっている、代理店も出現しております。

これを通信販売で行うわけです。オレゴンのワインを専門に扱う代理店や、カリフォルニアの代理店もあります。

 

※インポーターとして

当然、カレラにクレームを入れます。

『うちではカレラを高級ワインの位置づけに10年以上頑張っていたのに、ディスカウントのインポーターが出ると困る、ワインの出荷を止めて欲しい』

 

カレラ側は

『うちは品質が守られ(ここが問題なのですが)たくさん売れればそれで文句はありません』

と言うわけで、中川はカレラから撤退しました。

 

6、    ディスカウントされたワインの行き先

レストランの仕入れ価格が消費者と同じ価格の場合は、レストランで売れません。消費者に高く写るからです。

従って、カレラに限らず、今後は2極化すると可能性があります。レストランで飲むワインと個人で買って自宅で飲むワイン、これが更に進むとレストランでは高いワインを飲まず、自宅用の購入は輸入している酒屋からのみ購入して、すべての酒屋は崩壊して、食事中心で高い評価を持つレストランしか生き残れないでしょう。(ちょっと、大げさですね!)

 

7、流通破壊

消費者にとっては、安くて美味しいワインを飲めるこの上ない、いいことにも思えますが、それはあくまでも目先だけとも言えます。しかし、上記の問題点がクリアできれば、ワインの敷居が下がって一般消費者に反映しやすく、良いことだとも思います。

 

8、ワイナリーの価格

次に問題に、なってくるのがワイナリーの蔵出し価格の値付けですが、ディスカウント用にわざと、小売価格を高く設定する場合もあります。

あるいは、例えばドンペリのスペシャル、ラベイやエノテークが日本で販売された当初はラベイ(ドンペリ ゴールドと呼ばれる)はフランスでは、販売されていませんでした。つまり、日本の銀座用に特別にボトリングされてわざと高い値付けがされていたのです。

カリフォルニアワインの代名詞 オーパスワンも97年から評価がグッと下がり日本のソムリエはソッポを向き、アメリカ現地でも売れ残りそうになったとき、銀座では飛ぶように売れていたようです。

 

9、最後に

中川がカレラから撤退してディスカウントのインポーターのみになったかというと実は続きがあって、ヴィノラムというインポーターが引くようになりました。

今度の価格は カレラ シャルドネ セントラルコースト は 2,800円です。

 (実際はここから酒屋が引いた場合20%OFF2240円)

従来の4200円に比べると随分安くなりましたが某○○○屋さんの3本 5200円、1本当たり、1730円に比べるとかなり割高になります。実はヴィノラムでカレラを引いた人は昔からの知り合いで勝ち目があるのかと尋ねたところ、品質管理とキャリアで負けないと、胸を張っていました。

たしかに、某○○○屋さんでカレラを4本買ったら、4本とも熱劣化していたという情報も入ってます。言った人は僕も認めるカリフォルニアワインのプロです。

とは言え、僕は飲んでないし、たまたまそれだけだったかは解かりません。

 

☆このように、ワインの価格は結局のところ、個人の価値観に左右されます。

ワイン雑誌を読んでいて、僕らプロが納得することはあまりありません。

僕らが正しい訳ではなく、皆さんが価格とのバランスで美味しいと思うのが重要です。今回は話題が大きすぎて取り留めのないものなってしまいました。申し訳ありません。

ワイン業界は今、大きく変わる時かも知れません。

レアワインハウスとしても、消費者にとって敷居を少しでも低くし、品質保証の仕組み造りに当面は全力を尽したいと思います。

143

熱劣化ってなんですか?ワインは吹かなくても、劣化するのですか?

見分け方はありますか?

1、    保存の基本

ワインの保存の基本は温度13度から15度 湿度70%から80%です。

10度を下回ると、酒石が出て酸味が無くなり、まとまりが無くなり、ボケた味になります。

(冷蔵庫保管は絶対にやってはいけません)

16度を上回ってもダメになったりしませんが、熟成は早く進むようです。

 

吹く温度は温度差と気圧なので、じょじょに温度が上がる分には、経験上ドミナスの連休中湿度30度を回っても吹きませんでした。ボルドーよりブルゴーニュ、ブルゴーニュよりジンファンデルの方が吹き易いです。

 

2、熱劣化

例えばクーラーが効いた部屋に西日が当たり、そこにワインが放置してあったらどんなに頑丈なタイプでも1ヶ月待たずじて、劣化します。

だけど、吹いた訳ではないので、スクリューキャップも回るしラベルも汚れてないし液面も減っていません。

要は吹かないレベルの温度でも、長時間続くと劣化します。

 

3、見分け方

まず、白ワインの場合は(白の方が赤に比べるとはるかに劣化しやすい)

色が濃くなります。香りは発酵したような、熟成香がします。味わいは酸味がうるさく感じます。

ポイントは、バランスです。例えばカレラのシャルドネの場合は元々色が濃いので色での見分けは難しいです。

色調は黄金食、香りは熟成香、味わいはいきいきした酸味、飲み終わった余韻は短い、このパターンは熱劣化です。

※元々のワインの状態をよく知らないと難しい事です。

※ここでワインが楽しいのは熱劣化した直後であれば、ノーマルよりもずっと美味しい事があります。

 長期保存は向かないけど、今飲むにはずっと美味しい、そんな事はよくあります。吹いた直後のワインも同じ事が言えます。

 (僕は吹いた直後のワインは大好きで、楽しいし何より安いです。デイリーワインには十分)

 

だから、デイリーワインの場合はあまり神経質にならなくて良いです。

人にあげる時や大事な食事会の時は避けましょう 程度でいいんじゃないでしょうか?

 

4、経年劣化

これは熟成に耐え切れない品質の場合、どんなにきちんと保存しても劣化する事を言います。

ぶどうの出来、醸造方法、品種などいろいろな要素があります。

 

5、輸送劣化

 『ワインと豆腐は旅をさせるな』というように、輸送中の振動で劣化します。

 でも1日か2日、静かに立てておくと元に戻ることが殆どです。

 デリケートなワインは買ってきたその日に飲むのはあまり好ましくありません。

 

※他にもいろいろありますが、やっぱり基本は大切です。

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フレッシュのトリュフを食べたいと思いますが、時期的には冬の12月頃が1年のうちで一番良いですかね?ビンつめしか食べたことが無いのでフレッシュを食べたいと思いますが、一番良い時期の物を注文したいと思います。

 

キャビアやフォワグラのフレッシュは食べた事があるけど、トリュフはありません。どうやって、食べるとおいしいですか?

トリュフは一般家庭ではまだ馴染みが少ないキノコですので、少し詳しく書きます。

 

冬のトリュフは121週目から日本に入荷いたします。

香りは1月〜2月が良く、熟成度も良くなってきている時期です。きれいなマーブル模様がスライスした時に見られます。

価格帯は12月の始まりは安く、クリスマスの時期は高くなります。(40万円/kgを超えます。)

 

1月〜2月に価格帯は落ち着きます。3月上旬終了になります。しかし、現地の天候により品質・価格が異なることも有ります。

今の秋トリュフは価格的一番お薦めです。冬トリュフに比べると、香りは落ちますが、薄切りの生のまま、たっぷりサラダにすると最高です。

(食べ方)

1、トリュフは軽いので100gの注文でゴルフボールより一回り小さいのが56個くらいになります。

2、トリュフは、堅く絞った濡れ布巾で良く拭きます。(水洗いしてはいけません)

  土臭いのが苦手な方は、ブランデーを含ませた布巾で拭いても良いです。

3、そのまま1ミリ位に薄切りして使用します。マッシュルームと同じで生のまま、食べられる数少ないキノコの一つです。

 

(料理)

1、サラダ

  お好みのサラダの上に、スライスした生のトリュフを散らします。

2、スープ

  ポピュラーなのが、パイで包んだコンソメスープですが、要はマツタケの吸い物を、トリュフでやればいいです。

3、蒸し焼き

アルミホイルに、バターを厚めに塗って魚とえのきやしめじのきのこを入れて、トリュフを乗せて、ホイールごとオーブントースターか魚焼き器で蒸し焼き

※魚は鯛やすずきなどの白身魚より、イワシやさんまの青魚かサーモンが相性が良いです。

 肉は全般的に何でも良く合いますが、鳥や豚など白身肉より、牛や鹿など赤身肉の方が良く合います。

 

フォワグラとの相性は抜群で、今ドミナスでやってるスペシャルをご紹介しましょう。

 

 『フォワグラのポワレ イチゴの赤ワインソースペリグー』

 

1、フォワグラは6センチくらいの厚めに切って(これは掃除しなくてもいいです。)

  塩コショウをして、薄力小麦粉をまぶして、軽くはたきます。

2、中火のフライパンで両面をこんがり焼いて、厚みのある横もころがしながら焼き目をつけます。

3、弱火にして蓋をして、軽くローストします。

4、鉄串をさして、中心があたたかかったら焼き上がりです。

 

(ソース)

1、イチゴの赤ワインを薄鍋に入れます。5分の1位まで煮詰めて、フォンドヴォー(市販の瓶詰めでも粉末でも可)を入れ バター、塩コショウと蜂蜜(ドミナスでは栗の蜂蜜)を好みで入れます

2、細く刻んだトリュフを入れて、出来上がりです。

 

相性が特にいいワイン

 

白ワイン= 濃厚でこってり樽が効いたタイプ

赤ワイン= 果実味が厚い香り高いタイプ

VDN = この相性は絶品です!

 

※ここ1ヶ月で価格が 14000/kg値上がりしました。来週は更に 10000/kg 値上がりします。

 値上がりするたびに切断面は黒く、香りは強くなっていきます。 今でも十分美味しいです。買い時は微妙ですね。

 

☆白トリュフ情報

 イタリア・ピエモンテのアルバ地方しか取れないという高貴なトリュフです。

 すさまじく高価ですが、(まだまだ値上がりします)香りも素晴らしく強烈です。

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@     7月下旬になりますが、フランス(パリ,モンサンミッシェル)に行って来ました。初のフランスだった為に、観光に特化してしまいましたが、たまたま入ったところで、オーゾンヌの1942年を170ユーロで入手する事が出来ました。

A     長い間寝かされていた様で、おりは側面にこびりついている状態,しかしながら液面は、ミッド〜ロワーショルダー部にまで来ており、保管してあったセラーの実情をを考えると 状態はあまり良くなさそうです。

B     …コンクリート壁のセラーで、広さは68畳ぐらい。湿度は高かったのですが、温度は25℃ぐらいでした。

C     この様なピークを過ぎたと思われる古酒はどの様な食べ物と併せるのがよろしいのでしょうか?
及び、推奨される、飲むタイミングは? (抜栓後どれぐらいから、どれぐらいまで?)

D     オーゾンヌの1942年に対する評価をご存知でしょうか?
…貴店で購入致しました、パーカーのボルドー第4版には   詳しく出ていませんでした。

@うらやましい限りです。店をオープンしてからこの8年は改装中に1回カリフォルニアに行ったっきりで、海外のワイナリーなど夢のようです。(今は11月3日に静岡のシダックスに行くのが、楽しみです。)

価格的にはお値打ちですね。

 

A画像拝見しました。

飲める確率は60%位でしょうか? 美味しく飲める確率は30%くらいですね。

 

B温度が25度であれば、(長期保存の理想は13度です。イタリアの某ワイナリーでは、飲み頃を早めるためにあえて、25度で保管するところもあるそうです)

確率はさらに悪くなり、3分の1くらいでしょう。(20%と10%)

ただ色が濃いというのは期待は持つことが出来ます。赤ワインは古くなり劣化すればするほど、透明に近づき味も水同様になっていきます。

 

C前提

 ピークは過ぎている、仮に飲めてもへたりやすい、 香りは熟成香(腐葉土)が強くなり果実味は少なく優しい味(弱い)

 が想定されます。

 

食べ物

きのこを使ったシンプルな肉料理

ホロホロ鳥ときのこの(出来ればトリュフを入れた)フリカッセでも、クリームは控え目に、フォンドヴォライユ (なければチキンコンソメ)と塩・コショウをベースに、バターは控えめ

牛肉は不可、子羊はOK、煮込み料理不可、料理が面倒な場合は焼肉プレートで、塩コショウのみで豚肉(イベリコ ベスト)、鳥、野鳥、子羊、

 

飲むタイミング

飲む直前まで、セラー保管(14度)  パニエに移して、直前抜栓、デカンタージュはしない!

(デカンタージュした瞬間に壊れる恐れがあります。)

注ぐ時は細心の注意を払いながら、極めてゆっくり注ぐグラスは大きいほどベター

 むやみに、スワリングしない、多分飲めても、2時間以内にへこたれます。

 この飲み方で、ピークは 抜栓 30分後です。

 

Dごめんなさい。僕も飲んだことはありません。

 個人的には、25年以上前のワインはヴィンテージチャートも当てにしません。ワインは、その時の出会い(運)です。

 お祈りして飲みましょう。(美味しくなりますようにと!!)  僕は無宗教ですが、こんなときはお祈りします。

 

 

 

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家庭でドミナスのピクルスの味を作りたいのですが、可能でしょうか?

実は、今ドミナスで出しているピクルスは、とても簡単です。以下のやり方で試してみてください。

『 野菜 』

※ドミナスの野菜は仕込み日に八百屋さんで見繕ってますので、その時によって若干内容が異なります。

 大体、下記の野菜を使用します。

 キュウリ、マッシュルーム、パプリカ赤、パプリカ黄、エシャロット、大根、カブ、ニンジン、レンコン、セロリ

 

『 ピクルス液 』

 白ワインヴィネガー  60cc

 白ワイン        120cc

 水             60cc

 蜂蜜           20

 ローリエ          1

 白こしょうホール    少々

 黒こしょうホール    少々

 コリアンダー       少々

 たかの爪         少々

      

『 作り方 』

1、野菜は食べやすい大きさにカットして、軽く塩もみをする
(マッシュルームはホールのまま、パプリカは皮はむかないで良い、ニンジン、レンコン、セロリ、大根、カブは皮むき器で皮をむく)

2、鍋に 白ワインを入れて火にかけてアルコールを飛ばす

3、アルコールを飛ばした白ワイン入りの鍋に残りの材料を全部入れて一煮立ちさせる(グツグツ沸かさない)

4、水気をよく拭いた野菜を火を止めた鍋に加えて、常温で冷ます。 ※作って2日後頃から食べごろです。

  タッパに入れて1ヶ月くらいは美味しく召し上がれます。

※醸造酢を使うと、ワインに合わない傾向があります。 白ワインは果実味豊かなシャルドネが、適しています。 

※野菜は火にかけないので、シャキシャキした食感が美味しいですが、お好みで軽く火を入れても柔らかくて、美味しいです。

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さて、ボジョレーヌーボーの解禁日が近づきました。毎年の事ですが、今年の出来はどうなんですか?って、よく聞かれます。

また、世間が騒ぐほど美味しいのですか?とも聞かれます

情報では毎年 良いと言われてるので、あてにはなりません。

僕自身飲んでいませんし、そもそもヌーボーは、新酒の喜びを分かち合うもので、個人的にはとりあえず飲んどかなきゃ!程度の考えです。

実際、航空便で届くので、運賃が加算されコストパフォーマンスは、いいとは思いません。もともと、新酒用に瓶詰めするものですから、熟成も短く同じ価格帯のワインに比べると味わいも1段落ちるのは、いたしかたないとこでしょう。

とは、言ってもやっぱり新酒は嬉しく、これで3年後も美味しいワインが楽しめるという安心感をより確実にするという事と、新酒に対する敬意を払うことで、瓶差がなくなり美味しいワインが自分に当たるような気がします。

 

ちなみに、ヌーボーが美味しいからといって、その年のワインが全部ぶどうの出来がいいかというと、そんな事もありません。

個人的には、ぶどうの出来による、ヴィンテージチャートもあまりあてにはしていません。

ワインを始めて10年位は一生懸命、ヴィンテージチャートを暗記したものです。

今となっては、見向きもしなくなりました。ワインの情報誌もほとんど読まなくなりました。

それとは、違う世界にワインの素晴らしい世界がありますが、説明はとても長くなるので機会があれば、書いてみたいと思います。

話が前後しますが、僕自身ヌーボーは大好きで、飲む時には必ず『 ヌーボーを作ってくれたワイナリーさん、ありがとう!古いワインや、グランヴァンを飲む時、美味しいワインが当たりますように!』と御願いして飲みます。

美味しくのが当たる、何の根拠もないのですが、それで周りのソムリエより外れが来ない運が良いといわれ続けているような気がします。

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@2003年に『100年に1度の出来』と言われ、今年は『奇跡の年』と聞きましたが、今年の、ヌーボーは実際、例年と比べてどうなんですか?

 

A何故、樽は同じヌーボーのボトルよりも美味しいのですか?

 

@ドミナスでは、8種類のヌーボーをグラスでご提供しています。

どれを飲んでも、例年に比べて濃いです。バナナの香りが強く、果実味が凝縮したフルーティーな味わいは、確かに当たり年でしょう。2003年も天気(雨が少なく、暑い)の影響で、濃かったです。

僕が飲んだヌーボーで言える事は2003年より果実味は濃くないですが、酸味ははっきりして、バランス良く、ヌーボーらしさの味わいでありながら、楽しめます。そういう意味で2003年よりも美味しいと思います。

しかし、ぶどうが実って濃いのは良いのですが、反面ワイナリーの特徴が出る前に出荷している傾向が強く、どれを飲んでも  美味しいのですが、違いが微妙でわかりにくいとも、言えます。

単体で飲むと、どれも美味しいです。

 

Aこれは、はっきりした公表は、避けられていますが、醸造家の人や、ワイナリーの人に何度も聞いた話です。

基本的には、同じ生産ラインのワインを、樽に詰めるのと、ボトルに詰める違いだけですが、つめた後が若干違います。

 

酸化防止剤

まず、賞味キャバですが、ボトルは、航空便の後に船便が到着します。

一般的に年明けに売られているのは船便ですが700円から1000円くらい安くなります(レストランでは、殆ど使いません)。

それも、含めて 半年から1年は美味しく飲めるように、酸化防止剤を調整します。

次に、樽は年内消費が前提なので、殆ど酸化防止剤を使用しないそうです。 

 

酸化防止剤に関しては、最近はヴィディナミ(SO2無添加など細かい規制)などが流行っていますので、ワイナリーも最小限度と表示したり、無添加(醸造過程で自然発生するので、入ってないとは書けない)としたり敏感になってます。

ちなみに、温泉に行って温泉水を1杯飲むとSO2が普通に入っているワインの何百倍とも言われてますので、そう神経質に  なることもないと思います。

と言うわけで、SO2の含有量に関しては元から入っているから、ワイナリーも表現したがらないし、出来ないのです。

とは言っても、特にヌーボーのようなデリケートなワインには、酸化防止剤は少ない方が美味しいようです。

 

品質の安定

通常のワインでも、納品されて23日置いて状態を安定させて飲んだ方が美味しいです。

ヌーボーは飛行機で思い切り揺られて、トラックで揺られて、忙しいので代理店や、酒屋さんでもガチャガチャやられて・・・

要は不安定な状態になっています。樽は大きさにもよりますが、ボトルよりも量が多いので、安定しやすいと言われています。

『量って、結構微妙じゃないの?』と思うかも知れませんが、差は顕著にでます。

例えば、フルボトル(750ml)のドミナス’94とマグナム(1500ml)のそれでは、飲み頃の差に5年以上開きがあります。

 

樽の香り

当然、樽の作り方も通常の樽熟成の時とは違って、出荷用に作ってあります。

同じワインでもボトルと飲み比べると樽のほのかな香りが付いて、違いもわかりやすく美味しいです。

以上のような理由で、樽の方が美味しいと感じるのだと思います。

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最近、巷ではジビエが話題になっていますが、ジビエについて教えて

下さい。

何故、楽天では売らないのですか?

 

1、ジビエ(ソヴァージュ)=野生

  鉄砲で仕留めた、野生の鳥獣類です。 鹿やうさぎなど4本足もありますが、醍醐味はやはり2本足です。

  代表的なものとしては、

  コルヴェール=青首鴨 9月下旬から12

  フザン    =雄キジ 10月中旬から12

  フザンヌ   =雌キジ 10月中旬から12

  ピジョン ラミエ=鳩   9月下旬から12

  ペルドロ グリ =山うずら 10月下旬から12

  ペルドロ ルージュ=山うずら 10月下旬から12

  ベガス    =山シギ 11月から12月、ジビエの王様です。

  グルーズ   =雷鳥 9月中旬から11月上旬

  

デミソヴァージュ=半野生     

自然の中で育てられて、捕獲されたものです。 デミソヴァージュの方が安いです。

 

正直に書くと、ちょっと昔までは散弾銃の玉が目安だったのですが、鉄砲の弾がはいってないジビエも多いようです。

どうにも微妙でサプライヤーの信頼性を頼るしかないのが現状です。

 

2、昨年までは、毛付き、内臓付きで入荷していましたが、今年はニューカッスル病(鶏伝染病)の影響で、羽もむしられており、内臓も抜いてあります。 何でも、輸入規制の問題みたいです。

 

3、予約しても、発注して入荷しないと入手できるかわからず楽天のページ上には表現できません。

  輸入規制の法律も、どうも微妙ではっきりしません。

  今年は、無理みたいですが、デミソヴァージュのフレッシュか冷凍が、販売できないか、交渉してみます。

 

4、味

  たとえば食用に育てられた家畜の鳩と、ジビエの鳩は前回のワイン会でも堪能しましたが、まるで別物です。

  鳩の場合のジビエは色も濃い赤黒く、味は野性味というか、濃縮した味というか、コクがあります。  

 

12月一杯でジビエの季節は大体終わります。

 皆さんも機会があったら是非1度たべて見てください。 まさに旬の味です。

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ラギュオール アンオブラックオーク

同じ商品ですが、他のところで『10年間の保証付き』というのがありました。

こちらにはついていないのでしょうか。

 

付いています。記載しておりませんで、申し訳ございません。

ワイングッズ関係で保証は以下のようになっています。

 

ソムリエ・ナイフ

 

 ラギュオール・アン・オブラック    10

 シャトー・ラギュオール         3

 セパージュ・ラギュオール       3

 

セラー

 

 GAC ワイングルメ 19       本体1年 冷却装置5

 ファンヴィーノ 12本及び24本    本体、冷却装置ともに 1

 ファンヴィーノ 36本          本体1年 冷却装置3

 ヴァンテック 120本           本体1年 冷却装置3

 シャンブレア  60本及び120本   本体1年 冷却装置3

 カーヴデューク すべて         本体1年 冷却装置3

 フォルスター  すべて         本体1年 冷却装置5

 サイレントカーヴ すべて       本体1年 冷却装置3

 

※ワインセラーを購入する時は、その時は安くても冷却装置の保証が長いのがお薦めです。うちでは、販売を断りましたが、6ヶ月保証の中国製も出回っています。

小さいサイズで安価な程、保証も短い傾向がありますが、その点、GACは親会社がトヨタの電気部品をやっているので、このサイズで5年というのは、さすがですね。 こうして見比べるとビックリです。

 

ラギュオールソムリエナイフの保証対応例です。  

スクリュー部分の破損(おれる、大きく曲がる)

各部取り付け部品の極度のゆるみ

接合部分のがたつき

 

以上、これまでに対応した主な例です。 

ゆるみや曲がりの度合いは特に基準は無く、ケースバイケースで対応しています。

基本的には、修理ではなく、新品と交換です。保証書は大事にしてください。

 

※例えば、ワインの抜栓に慣れていない、奥様がご主人のラギュオールを使って上手に空けられず、テコの応用でスクリュー(グルグル巻きのコルクに差し込む所)を、曲げてしまっても保証の対象になります。

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PX71年(シェリーのデザートワイン)は、真っ黒ですが、白になるのですか?

赤になるのですか

非常に楽しい質問です。僕は即座に『色は黒いけど、元が白なので、白です』と答えました。

その次の瞬間、『待てよ、じゃあブランドノワールは・・・』と考えその場での返答を待ってもらいました。つまり、こういう訳です。

 

前提 

A ペドロヒメネスは、白ブドウである。

B 醸造後は白のシェリーである

C 色の変化は樽熟成による、つまり酸化熟成である。

 

34年も樽で熟成される訳ですから、色も真っ黒になるでしょう。

 ・・・・・であれば、白では?

 

反論

シャンパンのブランドノワールは、ピンクに仕上げれば、ロゼのシャンパン、白に仕上げれば、白のシャンパン と表現する。

※ブランドノワールとは、ブラン(白)ド(OF)ノワール(黒)。つまり、黒ブドウを白ワインの製法、種と皮を外して身だけで醸造します。それによってピンクに仕上がったり、ライトプレスによる白に仕上げる方法があります。

つまり、原料のぶどうの白・赤(黒)に関わらず、完成した色で判断する。

・・・ということは、赤のシェリーなのか?

 

あるいは、シェリーの場合は、白とか赤とか表現してはいけないのか?

皆さん、どう思いますか?とても楽しい質問ですね。自分なりに手元の資料とかでも調べてみたけど、載っていません。

そこで、インポーター(輸入代理店)に問い合わせてみました。現地の言い方なども合わせて

照会しています。

 

(代理店 ミレジムからの答え)

ペドロヒメネスを含め、シェリーは白ワインと考えるのが一般的のようです。

ちなみにヒューロビンソン著の“地図でみる世界のワイン”では白と断定しています。

やはり白葡萄から造られるということが一番の理由です。

 

シャンパンでは、黒葡萄を使用した場合でも実をすばやく圧縮するため、果汁に色が付かないので、白ワインとして分別されます。 またロゼの定義については難しいのですが、黒葡萄100%でつくったもの、もしくはスタンダートシャンパンにシャンパーニュ産赤ワインを加えたもの、としているようです。

 

結論ですが、シャンパンの場合 ロゼを造る時に赤ワインを直接ブレンドできるなど特別なケースが多い為、他の地域とはワインの分別に対する定義が若干異なっている様です。

 

(日本シェリー委員会 日本代表 シェリー・オフィシャル・エデュケーターの答え)

シェリーにご関心を持っていただき、ありがとうございます。

ご質問の件ですがペドロヒメネスは白ブドウですので、出きるワインも白です。

濃い褐色なのは酸化熟成したためです。シェリーの場合、淡い白ワイン色のフィノとマンサニーリャ以外はいずれも褐色系なので赤が褐色化したものかと思われるかも知れませんが、原料の95%を占めるパロミノ種も白、ペドロヒメネス種もモスカテル種も白ですので、白ワインです。

・・・という訳で、白と考える事が一般的のようです。

個人的には、価格に見合って、とにかく美味しければいいです。PXをまだ飲んだことがない方は是非 飲んでみてください。

抜栓しても冷蔵庫で2週間位美味しく飲めます。

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ワインが大好きですが、酔っ払うまで飲むとせっかくのグランヴァンの味がわからなくなってしまいます。

途中でいいのを飲んで、いい気分になって、どうせ酔っているからと   最後に少し安い値段のワインを飲むと、薄く感じて、美味しくありません。

最後のワインはどういうワインを選んだら良いのですか?

実は、僕も15年前くらいはそう感じていました。 ソムリエ的セオリーは2つ あります。

 

1,以下通常の流れです。人数・料理や好みによって調整します。

 ワインの造りによっても順番は変わります。要は濃くて重いほうが後です。

 

  白 スパークリング

     ↓

  ロゼ スパークリング

     ↓

  白 ソーヴィニヨンブラン種

     ↓

    ユニブラン種・ヴィオニエ種

     ↓

    シャルドネ種

     ↓

  赤 ピノノワール種

     ↓

    カベルネフラン種

     ↓

    メルロ種

     ↓

    カベルネソーヴィニヨン種

     ↓ 

    ジンファンデル種・マルベック種

     ↓

    シラー種

     ↓

    デザートワイン

     ↓

    グラッパ・マール・カルヴァドスなどアルコールが高いもの

 

※ポイントは、安くても濃いのを選べばいいわけです。

例えば、グランヴァンをたっぷり堪能したあと、もっと飲みたい時はシラーやジンファンデルの濃いのを選びます。

気分を変えてこれは、これで楽しめます。

酔ったなと感じたあと、とことん飲むぞ!という時は邪道ですが、果実味の厚いジンファンデルに氷を入れて飲むと、

満足も高まります。(注:氷は1個)

 

2,もう一つのセオリーは、一番美味しいところにピノノワールのグランヴァンを持っていくことです。

 この場合、その後はワインをとても選びやすいです。

 

※以上、ご参考になればいいのですが・・・自分たちでワイン会をやる時は上の順番通りに飲むと良いです。

 ワイン会の基本は、「軽いのから重いのへ」「安いのから高いのへ」です!

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ワインが大好きで定期的に、ワイン仲間と自宅でワイン会をします。

決まりは、各自、持ち込みワインと料理1品。

料理が、ネタ切れになってしまいました。何かお薦めありませんか?

ただし、僕は料理は苦手ですし、作るのも面倒です。すみません。

では、皆が驚くとっておきで、簡単メニューを教えましょう! 皆さんでも、良かったらご家庭でやってみてください。

 

※生ハムで、ネタを巻いてブドウ品種にマリアージュさせるという、企画はどうでしょう?

生ハムは実に、使い勝手がある食材です。

仔牛のヒレ肉や、豚のヒレ肉をスライスして、生ハムとブルーチーズをはさむ、といった古いフレンチの技法もあるように、違う素材と組み合わせて、味が格段と向上する、文化性が豊かな食材です。

 

用意するもの

生ハム(出来れば、香りが良くて、肉質がしっかりしたものがベターです。)

【 ドミナスの裏技・井手オリジナル 】

 

オードブルに使う時、中に巻く食材をを替えることで、ワインの適応品種に、よりマッチします。

この他にも、結構なんにでも巻いていけます。

ただし、例えば鴨のスモークに巻いても美味しいけど、別々に食べる美味しさの度合いは変わらない場合もあります。

以下の組み合わせは、素材と生ハムのマリアージュです。

更にワインをマリアージュさせて、どんどん精度を上げていきます。

(重婚罪にならないところがワインと料理の素晴らさ!?)

 

(白ワイン)

 ピクルス・・・シャンパン

 生セロリ・・・ヴィオニエ種

 生キュウリ・・ソーヴィニヨンブラン種

 生ニンジン・・ルーサンヌ等ローヌ系の白ワイン

 ローストチキン・・・シャルドネ種

 フレッシュフルーツ・・ゲヴェルツトラミネール種・ドイツ系甘口

 

(赤ワイン)

 生ハムそのまま・・・ガメイ種・グルナッシュ種

 きんぴらごぼう・・・シラー種

 八幡巻き・・・・・カベルネ・メルロ種

 セミドライフルーツ・・果実味の厚い、ピノノワール種やジンファンデル種

 

※生野菜は皮をむいて、氷水にさらしてください。

 きんぴらごぼうや、八幡巻きは惣菜やさんで買ってください。

 上記のメニューは、ドミナスのお客様にも出して、賛同を得られた組み合わせです。

 

※ここで、究極のマリアージュメニューのルセットをご紹介しましょう!

 

(用意するもの)

 1、軽くあぶった海苔

 2、生ハム

 3、引き割り納豆(通常通り、付け合せのタレで味付けして、からしはいれないで良く混ぜます)

 4、マヨネーズ

 

(作り方)

 14を順番にのせて、くるくる巻きます。

 ・・・で。出来上がり!

 

これに、ヨード香のしっかりして、渋みが強い、果実味豊かな赤ワインを合わせます。

カリフォルニアの濃いカベルネが、お薦めです。 

 

※僕自身、今の自分のワインレベルがあるのは、ワイン会のおかげです。

実は、8年前は、ワイン会の前になると必死で調べていました。

何より、おもしろいのは自分の嗜好と他の人の嗜好が違うので、率直な意見が全て身につきます。『美味しければいいんだ』という考えは、大賛成ですが、他人の意見を聞くことにより、さらにワインは美味しくなるから、不思議です。

皆さんも気の合ったお仲間でワイン会を是非、やってみてください。

154

あるレストランに、彼女と食事に行ったら、帰りがけにスタッフの人が、彼女に上着をかけてくれました。

店を出た後、『たまにあなたが、かけてくれるかけ方と全然違って   とても、スマートだったよ!』と言われました。

正しいかけ方が、あるのですか?

ちょっと、ショックでした。

僕も、大昔にホテルでバイトしている時(高校生のころ)習った事で、その後ホテル学校でも、仕事をしたいろんな店でも言われた事はないのですが、僕のやり方は・・・、

 

1、右足を前にして、左足は右足と縦に重なるように立ちます。

(女性とは、顔は同じ方向を向いているのですが、体は垂直になっています。つまり、何かの拍子に、女性が後ろに下がっても、僕の体の正面には当たらず右腰に、当たります。)

 

2、両手で普通にかけるだけですが、襟は深めに持って、かならず直してあげます。

・・・何て事はなく、ただこれだけですが、案外一般には知られてないかも知れませんね。 

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ドミナスのガーリックトーストを食べて、こんなに美味しいのを食べたのは初めてです。ガーリックバターのレシピを教えてください。

 

ドミナスのガーリックトースト用バターのルセット

 

(用意するもの)

1、にんにく        50g (皮をむいたら、芯を抜く)

2、ベーコン        60g (適当に切っておく)

3、フレッシュ パセリ  30g (葉っぱの部分だけ)

4、塩            10g (出来れば、美味しい塩)

5、パルメザン粉チーズ 30

6、無塩バター      450g(1ポンド)=軽く刻んだ後、常温で、柔らかくしておく)

 

※ドミナスのポイント

にんにくは国産にんにく、塩はカマルグ調理用です。バターは、四葉を使っていますが、メジャーだったらどこでもいいです。

 

(作り方)

16を順番に、フードプロセッサーで、回す。・・・出来上がり(簡単でしょ!)

 

タッパに入れて、冷蔵庫で3ヶ月位の保管可能です。

3ヶ月で消化できない場合は、アルミホイ−ルに巻いて冷凍庫で半年位は保存可能です。

この場合、輪切りにして必要な分だけ、使えるので何かと便利です。

 

(応用)

1、きのこ(野菜)と素材の組み合わせで、ガーリックバターソテー

  きのこと相性が良い素材

  つぶ貝、エスカルゴ、鶏肉、うさぎ、ホロホロ鳥、牛タン、砂肝、豚耳、など

2、冷凍した、輪切りのガーリックバターを出来上がりの料理の上にのせます。 お肉のステーキ各種

 

3、開いた、素材にガーリックバターをたっぷり塗って、巻いてパン粉をつけて、揚げるか、焼くかします。パン粉に香草(乾燥可)をまぶすと、もう一つグレードが上がります。チキンの胸肉(キエフといいます)、豚肩ロース肉など結構、何にでも合います。

156

僕らもワイン会は仲間内でよくやるのですが、最近料理がマンネリ化していて変わった食材を簡単調理でやりたいのですが、何かお薦めはないでしょうか?

では、バンデ鍋はいかがでしょうか?

皆が驚く、しかも付けダレで、ワインのマリアージュを追いかける高度な鍋料理です。

この寒い季節はやっぱり鍋がホッとします。 しかも簡単メニューです。!

皆さんでも、良かったらご家庭でやってみてください。

 

用意するもの

  バンデ産の家禽類(うさぎ、ホロホロ鳥、うずら、鴨の胸肉)  野菜=きのこ各種、白菜、長ネギ

 

作り方

1、それぞれの肉は、さばいてお肉だけにします。

ポイントは、それぞれのお肉は切り方を変える事、例えば、うさぎは細長く削ぎ切り、ホロホロ鳥は四角にカット、うずらは開いて半身か4つ割り、鴨は盤に合わせてスライス

2、骨は、サラダオイルで炒めて、水を入れダシを取ります。(40分〜1時間)

3、面倒だったら骨は、入れたままでもOK。きれいに作りたいかたは、一度こします。

4、鴨肉を除いて、水炊きの要領で材料を入れて一煮立ちしたら、食卓ガスコンロに移します。

5、鴨肉はしゃぶしゃぶの要領で、食べる直前に火を通します。

 

※注意 この場合、調子にのってバンデのフォワグラを入れると、とんでもない事になります。

フォワグラのポッシェ(ゆでる)は、フレンチの調理方法でありますが、70℃以上だと旨みが抜けて、フォワグラ自体も旨みが抜けて美味しくなくなるし、だし汁が脂でギトギトになります。

 

ツケダレ(以下を別途用意します。ダシ汁に以下の調味料を入れるとマリアージュのワインが変わります)

1、キムチの元

適用ワイン・・・残留糖度の高いワイン、リースリング、ゲヴェルツトラミネール、ホワイトジンファンデルなど

         ポイントは、ワインをキンキンに冷やしておくこと

2、焼き味噌とかつおぶし

八丁味噌をスーパーで買ってきて、アルミホイールにひいて、オーブントースターで、焼いておきます。焼き味噌は溶かして、かつおぶしをかけます。

適用ワイン・・・樽の効いた、シャルドネ、ピノノワール

3、黒ゴマのペースト(あたりゴマ)と海苔の佃煮(ごはんですよ)

適用ワイン・・・カベルネ・メルロ

4、塩(いい塩、カマルグ クラス)とポン酢(ミツカンなど濃い目の方が良い)

適用ワイン・・・ソービニヨンブラン・ピノグリ

5、アンチョビとアンチョビオイル

6、カマンベールチーズ(上の蓋の部分だけカットして、丸ごとオーブントースターでとろけるまで、焼きます。チーズフォンデュの要領で、つけながら食べます)

7、グランマルニエを入れた、鴨鍋のタレ

8、オリーブペースト

9、澄ましバターと塩

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ドミニクローラン シャブリの2003年と04年の違いは如何ですか???

2003年は、異常気象で、暑かったので全般的に、

酸味が少なく、

ALC高めに(ALC 15%超えている、ピノが、かなりあります)

果実味が厚く

早飲みが美味しい

長期保存に向かない

生産量が少なく、値段はかなり高め

 

酸味をきれいに打ち出したワイナリーが、良いワイナリー。味が、カリフォルニア ソノマ っぽい

 ・・・という傾向があるようです。(僕の個人的な考えですが・・・)

ドミニクは、酸っぱい好きな造りなので、どうしてもすぐ飲むにはきついのですが、そういう意味で、2003年は丁度良いです。

というか、他社のシャブリより酸味が強いので、どうしても飲み頃が遅くなります。

から、それもあって、樽を使ってないのだと思います。

2004年は、まだリリースしていないので、わかりませんが、そういう傾向が現れる事が予測されます。

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冷凍肉と、チルド肉は当然、チルドの方が美味しいのでは?

一般的には、そうです!

ところが、最近はショック冷凍(急速冷凍=窒素ガスや、マイナス40℃のアルコールで凍らす)が出てきて、一概にそうは言えなくなってきました。

 

1、冷凍よりチルドの方が美味しい理由

要は解凍するときに、ドリップ(肉汁)が出るからです。

従って、チルドでも食べごろの状態で購入した場合は、保存日数によって劣化します。

ジビエなどのフェザンタージュ(熟成)は、また別の考え方があります。

子羊の骨付きあばら肉などは、典型的な例で、圧倒的にチルドが旨いです。スーパーで売ってる、冷凍の解凍子羊とは、まるで別物です。

 

2、冷凍の方が旨い場合

例えば、今 流行のイベリコ豚は、冷凍の方が美味しいです。

 

イベリコ豚の説明

1年を通して、どんぐりを食べる為に、オレイン酸が脂肪分に53%含まれているために体内の不要な脂肪分を流す効果があり、ちまたでも大流行しています。

実はどんぐりだけ食べるのは、9月から3月で夏場はどんぐりと混合飼料を食べます。従って、オレイン酸だけで言えば、2月から5月か6月位までが最も効果的と考えられます。

純血100%は、日本国内には20%未満の入荷と聞いています。従って、日常頻繁に見るイベリコは殆どかけあわせです。

75%以上の血でイベリコと名乗れると聞いていましたが、調べたら今は、少しでも(5%)入っていたら、イベリコと名乗れるそうです。かけあわせの目的は、成長が早いのと量産が多く取れることで、3倍以上変わるようです。

 

なぜ、純血100%にこだわるかというと、純血だと赤身肉になり、ロゼで食べられます。純血に限りますが、例えば鹿肉よりも大腸菌群は少なく、理論的にはたたきで食べられる事になります。

鹿肉のたたきは、冬場はどこのレストランでも良くやっていますが、本来は肉屋さん的にはお薦めしていません。体調によってはあたる確率があるからです。そういう意味では、たたきでOKとは、謳えません。ロゼはOKのようです。

イベリコの特徴として、融点が低く、46℃で溶け始めます。イコールドリップがとても、出易いのです。従って、一番美味しい食べ方は、「冷凍のまま、薄切り(35ミリ)にして、あぶる様に焼きながら食べる」か「厚めに切って冷凍のまま、低温で長時間ロースト(90℃で1時間位)」が一番美味しい事になります。ロースト中でた肉汁は、ソースにします。

 

3、冷凍でも全く遜色がない場合

昨年ドミナスでやった、ワイン会でフォワグラ食べ比べの会というのをやりました。

しかも、インポーターに頼んで、ワイン会に合わせて最も美味しい状態で空輸を使い、最高の状態での比較でした。内容は

・イスラエル産 フレッシュフォワグラのガチョウ

・ハンガリー産 フレッシュフォワグラのガチョウ

・フランス産  フレッシュフォワグラの鴨

・フランス産  冷凍フォワグラの鴨

 

21人(僕も入れて)でのリサーチでは、なんと圧倒的に冷凍フォワグラの鴨でした。

僕も同意見で、おそらくは、いくら空輸で急いでも、フォワグラは劣化スピードが速く進化した現地冷凍の技術の方が、優れているのではという結論になりました。

又、若い方に比べて、僕らの年代を境に、ベタベタとしつこいのが、体が受け付けなくなってきます。コンビーフにマヨネーズをたっぷりかけて食べいてた若いころとは、嗜好が肉体的に変化しているようです。(良いんだか?悪いんだか?)

ドミナスのフォワグラは、他店舗に比べて美味しく名物料理になっているのに何故あの価格であのボリュームが出せるかというと、冷凍の方が安価だからです。

実際に味が良い以上、フレッシュにこだわる必要はないというのが、僕のオーナーとしての考えです。

 

4、微妙にフレッシュが、美味しい場合

例えば、レアワインハウスで販売している、オマール海老は、仏 ブルターニュ産の天然オマールです。高いと思われた方も多いと思った人も多いでしょうが完全に物が違います。

一般に、ホテルやレストランで出されるオマールは、殆どカナダの養殖物です。

どう違うかというと  天然物は水深が深い所で生息(水温が低い)している為に、成長が遅い分、身がしまる。

自然のものなので、餌を食するために、右手と左手の大きさがあまりにも違う。甲羅は、色濃く茶褐色で厚い。

反面、養殖物は浅い所で餌付けされている為に、身がゆるく味がボケてる、殻の色は鮮やかなオレンジ色。出来の良い料理人が、養殖のオマールだったら、天然の大正海老の方が旨いというのは、その為です。殻から作ったソースにしても、コクや香りで雲泥の差があるというか、むしろ違うソースになります。

当然値段も高くなり、値段は2倍以上になります。味は比較のしようがないです(別物)。

国産天然の伊勢海老と、大体同じくらいの価格になります。

1度はワイン会で、天然物活き海老対決、伊勢海老VSブルターニュのオマールというのをやりたい。。。食べたいナー)

 

ここからが、本題ですがレアワインハウスで販売しているオマールはブルターニュの海水ごと空輸で、入荷。

最新のいけすで、餌をやりながら飼育しています。 実は、飼育は非常に難しくストレスで毎日、死んだり死に掛けたりしています。

そのようなオマールは、瞬間冷凍機(大きな洗濯機のような形状で、空洞の周りに、マイナス40℃に設定されたアルコールが、グルグル回り、真空パックして中に入れると、1分足らずでガチガチに凍ります。(これが、ショック冷凍です。)

では味が、どう違うかというと調理方法によっても変わりますが、実に微妙にフレッシュが旨いです。

殻ごとの調理の場合、明らかに身が殻から外れやすいのは、フレッシュです。

 

10年前と違って、今は化学の進歩で、冷凍物が実に美味しく、昔と比較すると安価で、仕入れる事が出来るようになりました。全ての食品は、フレッシュ(チルド)が、旨いという神話は終わりました。今、必要なのはコストパフォーマンスと品質のレベルを理解できる味覚ですね。僕らプロは的確な、食文化のご案内が出来るように、日々 精進いたします。

159

ハートフォードコートPN届きました。ありがとうございます。

その、ハートフォードコートですが提供温度は何度ぐらいがいいのでしようか? デキャンタージュは必要なのですか? 正直、ピノ・ノワールは殆ど扱った事がないのでよくわかりません。一番美味しく飲める飲み方を教えてください。

A:温度  1618

  ※アルコールが立っているわけでもなく、酸味がきついわけでもないので、この温度でいいです。

 

  デカンタージュ   不要

  ※5人以上で、飲む時は、デカンタージュしてもOKです。香りも開けたてから楽しめます。

 【 ピノノワールの美味しい飲み方 】

 ※ピノノワールも必要に応じて、デカンタージュします。

 

1、デカンタージュの必要性を決める(ピノノワールの場合)

  テイスティングして、

  a,香りがしない場合
煮たあずきの香り(ニューワールドや濃いタイプに出ます)いわゆる、『閉じてる』状態です。

  b,アルコールが立っている場合

   飲み終わった後、のど越しにアルコールが、カッーと残る場合

  ,勢いよく酸味が、ぶつかって来る場合

   一言で言えば『酸っぱい!』と感じた時

  d,セメダインの香りがする場合

   基本的には、樽熟成による、飲み頃に早いという香りが、多いです。

 

2、デカンタージュの仕方

  デキャントゥールに対して、以下優しいデカンタージュから激しいデカンタージュの方法

 a,手前の淵に這わせるように、そっと行う(優しくデカンタージュ)

  香りが少なく(でもちょっとだけ、イチゴの香りがする)、アルコール分を強く感じない

  b,向こう側の淵に這わせる(回転させるデカンタージュ)

  a,より更に香りが少なく、骨格はしっかりしていると思った場合

  c,垂直にど真ん中に落とす(泡が立つほど、という方法)

  アルコールが立っていて、尚且つ果実味が厚い場合

  (目安は、ラベルに記入されているアルコール度数、ピノの場合135%以上が目安)

  d,2回以上行う(デカンタージュの都度、テイスティングして確認します)

  泡が立つほど激しいデカンタージュをやったにも関わらず、セメダインの香りやアルコールを強く感じる場合

  但し、2回目以降はだんだん優しいデカンタージュにします。

 

※ドミナスでは、DRCを空けても、必要と思えば、デカンタージュはバンバンやります。

※丁度、227日にドミナスに来た、ワイン通の常連・年配のお客さまの声です。

 

 『224日に86年のムートンを、神楽坂のビストロに持ち込みして飲んだところ、香りが全くなかった。特に美味しいとも、思えずとてもがっかりした。』

実は、持ち込む話は、1週間前に聞いていて、

『やっぱりね。そうだと思いました。だからドミナスに持って来てって言ったのに・・・』

と、答えたのですが、話をまとめると・・・。

 

ムートンの86年は、飲むにはあまりに早すぎます。

パーカーポイント(確か100点?)だったと思いますが、パーカーポイント自体僕は、参考にしかしませんが、彼の評価は、濃い、樽が効いている肉厚のワインに高くなる傾向があります。年もグレートですし、硬いのは予測できます。

今飲むには、あまりに早いのですが(そこそこ年の81年あたりが、やっと飲み頃です)

どうしても今飲みたいのであれば、僕だったら、6時間前に抜栓して状態を確認して、上記の方法でデカンタージュ、 飲む1時間前に氷水に塩を入れて、10分漬けてその後味の確認をしてデカンタージュを再度するか決めます。

要はその時次第ですが、6時間前抜栓は、基本です。

(料理は、若い香りがするはずなので、カベルネの若い香り=ピーマン、加えて濃い果実味でしょうからインパクトがありながら、ワインを美味しく飲ませる料理となれば、今のドミナスであれば、牛ホホ肉のイカスミポトフにフォワグラをポッシェして入れる・・・のがベターだと思います)

 

『今の状態を、確認して10年後の予測をしながら、楽しむ』という飲み方もあるのでしょうが、大手やホテルのソムリエと違って、街場のソムリエは、『今、最も美味しく!』が基本です。

多分、調度品など店に対するお金のかけ方が少ない事や、少ない資本で店自体がいつなくなるかわからない状況が背景にあり、一期一会を大事にしつつ、ちょっとでも美味しく飲みたいという気持ちが、そうさせているだと思います。

従って、ビストロでもサラリーマン根性の雇われや、頭でっかちは、デカンタージュをおろそかにします。

 

 

160

カリフォルニアをテーマにワイン会をやりたいと思いますが、一般的に言われているカリフォルニアのテロワール(土壌から来る、味わい)の   違いについて教えてください。

 

10年前は、

ソノマ・・・繊細で線が細いタイプでありながら、濃さを求める

ナパ・・・肉厚で力強いタイプ、カリフォルニアの王道

サンタバーバラ・・・果実味が、しっかりしてちょっとスパイシー

サンタクルーズ・・・ストラクチャーが、はっきりして濃厚

メンドシーノ・レイク・・・線が細く、カジュアルなスタイル

・・・・でした。

 

ここから先は、書いていいのか微妙なのですが、良し悪しは別として、たまに本屋さんで、ワインスペクテイターなどのワイン雑誌を立ち読みすると、知らないワイナリーで、高価なワインが一杯あるんです。

評価も高いのですが・・・

 

これらは、投資家対象の、ワイナリーを持たない、金儲け主義(?)の架空のワイナリーです。

(ワイナリーに家賃を払って、ぶどう栽培農家と契約して、借りた機材を使ってワインを造り、ワイナリーは、実際はオフィスだけで、ワインを販売する。 ウエスマーや、はやりのクイーンオブピノと呼ばれる、マリーエドワードなど)

 

新しいビジネスモデルが、特にソノマ中心に幅を利かし始めています。

それらは、ナパを凌駕するために、ありとあらゆる手段を用い、濃くて肉厚なワインを出して来ています。

高いパーカーポイントが得られれば、一気に値段が上がるからです。

(多分ここが、諸悪(?)の根源ですね。

 

反面、一般消費者が、ブランドイメージを持ちプラダのバックを持つかのごとく、高価なワインを買いやすくなったのも事実で、

それはそれで、普及と考えると良いことなのですが・・・)

考え方によっては、ワイナリーを持たない=減価償却が少ない。つまり安くて高品質なワインを生み出す事も、もちろんあります。また、アルカディアンのように、何十社も共同でワイナリーを持っているところもあります。

ここまでは、ワイン産業もビジネスと割り切れば確かにありでしょうね。

ぶどう栽培家も、かっての高名なコンサルティングのようなカリスマ栽培家が、出てきています。

ところが、問題はこの先で、まずブドウ畑を持たない、原材料は買うだけとした場合、それに伴うリスクとして、安定したブドウの品質を維持できるか?

それとは、別次元で、愛情を持って一生懸命育てて、それをワインにする喜び(子育てのような・・)

機材に対する愛情、自社ワイナリーで寝かせておくロマン、伝統、文化など精神面で疑問が残ります。

 

実際、殆どのワイナリーが、ブドウは買っています。(ダックホーンやオーボンクリマなど)

自社畑のワインは、エステートと表示しています。だから、ウエスマーなんかは、極端な例で、じゃあ、どこからどこまでが、ロマンがあるのかと問われれば微妙なのですが・・・。

そういう流れも含めて、全体的な流れでは、テロワールを求めるより、各地のブドウのブレンド技術、醸造方法などが、重視されている傾向があり、そういう意味では、テロワールは現在カリフォルニアでは求められにくくなっています。

個人的には、コストパフォーマンスが高くて、美味しければ何でも良いのですが、僕の性格的に、イマイチ気にいらないのも、事実です。せめて、ワイナリーは、あって欲しいとも思います。

ナパに遊びに行って、ワイナリーがないと、とても残念な気がします。

小さなワイナリーで、エステート(=ドメーヌ ぶどう自社栽培のみ)にこだわり、ロマンを持ってやっているところもあります。

 

パソロブレスのイオス(プチシラーが旨い!)や、ソノマのセゲシオ(ジンファンデルが旨い!)なんかはとても貴重な存在ですね。大きなワイナリーでもないし、高価なワインも持ってないけど、だからこそ、いいのかも知れません。

こういうワイナリーは皆で応援してあげないと、高価=いいワインという図式が成り立ってしまうような、気がします。

.今のカリフォルニアでテーマを追いかけるとすれば、

 

※昔のカリフォルニアのスタイルと、今のスタイル 品種別

(昔のスタイルは、だんだん減って来てます。フランスワインに対するコンプレックスなのか、樽を使いすぎると、ヘタクソと言われる傾向があり、だんだん個性が乏しくなってきてます。

ターリーのジンファンデルなんか、すっかり変わった口で、昔はこれでもかとドロドロしていたのですが、今は妙にきれいになってしまい個人的には悲しいです。)

※カリフォルニアらしさとフランスらしさを追いかけた品種別

※フランスや他国との比較   ・・・などが、上げれます。

161

5月の酒税法改正に伴うワインの価格はどうなりますか?

これは酒屋というよりインポーター次第という感じが強いです。すごく要約すると、改定による税金の値上げは、サイズ別に   以下のようになります。

 

1、酒税の値上げ

  (果実酒=ワイン)

  フルボトル      750ml   7

   ハーフボトル    375ml   4

   マグナムボトル 1500ml   14

 (低アルコール発泡性酒類 及び 甘味果実酒=スプマンテやVDN、シエリー)

   フルボトル      750ml  15

 

2、インポーター(輸入代理店)の対応

  ※ここが、ポイントです。各代理店によってまちまちです。

   例えば、

    小売価格 3000円〜7,000円が主力の中川ワイン販売はメーカー吸収するみたいです。

    小売5,000円(税別)のワインを 5,007円にするわけにはいかないという事です。

 低価格帯のワインを中心に販売しているところが、今回の改正で痛手を食います。

   例えば

    小売価格 650円〜1,800円が主力のスマイルは、酒屋の納品価格も小売価格も

    一律7円の値上げです。

 

 EX  小売 1,000円のフルボトル  酒屋納品価格 607円  小売価格  1,007円 

  ・・・つまり、税金が上がった分だけ、そのまま載せるやり方です。

あと、まだ方針が決定しきれてないインポーターもたくさんいますが、 まとめると以下のパターンに分かれると思います。

 

A、現行のまま、メーカー吸収 (中川のような)

B、そのまま、乗せる (スマイルのような)

C、小売価格を10円前後上げる=酒屋は、6円の値上げ

D、昨年末から、決定していた事なので再入荷や、ヴィンテージチェンジの都度値上げ分を見越して値上げをすでにしている。

 

これは、流通の仕組みを簡単に説明しないといけません。

1、ワイナリーからインポーターが買う

大体、蔵出し小売価格の50%位で購入します。(100ドルを50ドル=6,000円)

 

2、インポーター経費

船賃(リーファーかドライか、機械と一緒に輸入するか、パンパンに詰めるかなどで1本当たりのコストはかなり変わります。)

・税金・倉庫保管料のリスクなどなどワインの売れ筋度合いや、雑誌評価などから小売価格を決定します。

(例えば、これはパーカー100点だから、ワイナリーは良心的に評価前の蔵出し価格に合わせて安く回してくれたけど、絶対売れるから、パーカー100点と、販促して、ぼったくってやろうなど・・・)

小売価格  (15,000円〜)20,000円 ※仮に20,000円と設定  

※インポーター側から見ると、大体 小売価格の30%から40%が原価になります。

  

3、インポーター → 酒屋

小売価格60%が一般的です。

12,000円、現地で蔵出しで購入する価格と大体同じ)

 

4、酒屋 → レストラン

小売価格70%〜75%が一般的です。(14,000円〜15,000円で仕入れ)

※レストランは仕入れ価格の30%〜50%でワインを販売

レストラン売価  28,000円〜48,000

ホテルや、タカビーなレストランで飲むと、市販価格の大体、倍位!と言われるのは、こういう仕組みです。

(実際はそれにサービス料や、チャージ料深夜料金、カード利用手数料=実はこれは反則です。。などが加算されます)

 

5、酒屋から一般消費者

小売価格80%〜100%が一般的でしたが、最近はネットの流通で昔からの仕組みが崩れてきました。

要は、薄利多売でもとにかく売らないと、回転資金がこげつくなどが理由に上げられます。

いかに、安く売るかを目的として、ワインを知らないで売っていると、保管や配送の仕組みがおろそかになり、仕入れも履歴を確認しないで、現地のブローカー買いなども、流行ってるようです。

実際そういう酒屋さんは、飲んでもその時の味だけで、瓶差のリスクや保管状態将来性などが、キャリアが伴っていないのでわからないのです。つまり、20年前からプロレベルで飲み続けて今、同じワインを飲んだ時などの変化の確認などが出来ないという事です。

安物買いはリスクが高い場合もあるので、特に高価なワインを買うときは注意が必要です。

 

話が、少しそれましたが、酒税改正に伴う値上げは、上記 4パターンになるはずです。それ以上の値上げは、便乗値上げという事になります。

162

日頃、家庭で食べる料理のコツと見分け方を教えてください?

どこから、どこまで書くのか非常に微妙な質問です。

基本をベースに、書いてみます。参考になればいいのですが・・・

ドミナスのランチメニューの基本の考え方をベースに書いて見ます。

(ランチは安い食材を安く提供して、満足してもらいます。ディナーは、日頃馴染みのない食材も厳選して高級食材を中心に     グレードの高い 料理を目指します。)

 

1、下味 

一般家庭で一番、おろそかにして、ちょっとの手間で、一番美味しくなりやすい方法です。

魚でも肉でも調理前(焼く・蒸す・煮る)に必ず塩をしましょう。多目の塩・こしょうをして、大体10分〜15分位、放置します。

中から水気が出てきたら、キッチンペーパーで吸い取って料理します。

これは和食もフレンチも基本作業で、素材の旨みを引き立たせる効果があります。

 

2、食材と調理方法

《 鶏肉 》

 安い(ブロイラー)チキンを、調理するコツは、最近一番良く見るのは、ブラジル産ですね。

 この手は、皮と脂が臭いので(ブロイラー臭い)コツは、中火で皮目をカリカリに焼いて使用します。 コショウは多目がいいです。

安い鶏肉は、鍋物や、そのまま煮付けには向きません。どうしても、使用する場合は、皮を捨てて身だけでやります。

シチューなどは、皮目をしっかりすぎるくらい焼いた後、煮込みます。 相性の良い野菜は、ごぼうです。

焼く時は、なんでもそうですが、火を通しすぎない事が重要です。特に鶏胸肉は、じっくり火を通してギリギリであげると美味しいですが、焼きすぎるとパサパサして、美味しくなくなります。

 

《 豚肉 》

安い豚肉は、当然単体での、旨みに欠けます。

そこで、他から味を持って来て、組み合わせて使います。ジャガイモは、安くてあわせ易い代表格です。

マッシュポテトにしても、一緒に煮込んでも良く合います。 とうもろこしを入れると更に良く合います。

 

レストランの裏技

『フェザンタージュ』という技法があります。これは、熟成という意味で、とても簡単で効果絶大なので、是非やってみてください。

 

豚肉は、バラでも肩でも、ももでもいいです。

とにかくブロックで。スーパーで広告の品が狙い目です。塩・コショウは、かなり多めに全体にまぶして、サラシかガーゼかキッチンペーパーを巻いて、更にラップを巻いて、バットに入れて1週間くらい冷蔵庫の中で保管します。

使う前に、表面をきれいに拭いて調理します。(豚の角煮の時は、水洗いします。)

お湯でボイルして、ハムみたいにしても良いし、そこから薄切りしてチーズやハムをはさんでパン粉焼き、豚の角煮も一味変わります。スペアリブもこれをやると、もち豚のように美味しくなります。

 

《 牛肉 》

いわゆる安い牛肉は、ほとんど使えません。自宅で食べる時は、唯一焼肉くらいです。

この場合、基本は焼く前に、必ずモミダレをすること。モミダレはわざわざ買わなくても、ツケダレを酒か赤ワインで伸ばして、塩・コショウをしたお肉にかけて、手でもめば十分です。  

ビーフシチューたタンシチューの時は、一晩マリネします。

マリネ液は、赤ワインをベースにお好みの調味料を入れます。(抜栓して1週間くらいして飲めなくなったワイン)ブラックパッパー・クローブ・ナツメッグ・ローリエなどの香辛料

 

《 魚 》

冷凍魚は、解凍して火を入れた瞬間に旨みがサーと逃げて行きます。

冷凍が一番美味しいのは、揚げ物か、ワイン蒸しです。要は旨みが、ドリップと共に抜けていく時に、そのドリップも一緒に食べられる調理方法です。

揚げ物の時は、半解凍の状態で、塩・コショウをして、しばらくたってから表面を拭き、打ち粉します。中が凍っていても、始め弱火でじっくりあげれば問題ありません。鮮魚を焼くときは、皮をいかにパリッと焼くかがポイントです。

個人的には、皮が一番上手いような気がします。

 

フライパンで焼く方が、魚焼き用のグリルで焼くより美味しいです。皮目から焼いて、フライ返しで、けっこう強めに押し付けて、平らな状態になるように焼きます。

 

《 イカ・タコ 》

冷凍物は、半解凍の段階で、塩コショウをして、鍋にいれて焼いてそのまま味付けします。

要は、ドリップを逃さないようにします。その上で、グラタンや煮付けにします。

 

《 マグロ・サーモン・カツオ 》

ソミュールという技法を紹介します。

柵切りのマグロなどを、1ℓの水に、80gの塩と砂糖を入れてよくかき混ぜて一晩つけておきます。

(フレンチの一般的なルセットは1ℓの水に100gずつの塩と砂糖ですが、これだと味が決まりすぎて、ショッパイです)

翌日、表面を水洗いして、たたきにします。

お好みですが、おろしにんにくやおろししょうがを、なすりこんで表面だけ強火のフライパンで焦げ目を付けて、氷水に入れます。完全に冷えたら、良く拭いて冷蔵庫で冷やします。食べる直前に切って出来上がりです。

これは、白ワインはもとより、ピノノワールやシラーにとても合います。


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